紐のし屋の日記

「紐のし」っていう瓦を作っている谷池健司製瓦所の四代目社長の瓦つくり日記。

箱紐のしを作りました。

2013-09-18 21:01:53 | 仕事の様子


今日は、箱紐のしを作りました。
まずは、オバチャンに丁寧にプレスしてもらいます。



次に、余分な部分をヘラで落としていきます。



こんな感じで、一枚、一枚綺麗にしていきます。



仕上げは、スポンジで傷つけないようにサッサッとなでるようにして、
小さな余分な部分を落としていきます。



横も綺麗に。



箱紐の詞は、紐のしよりもこんなにも分厚いです。
左が紐のし、右が箱紐のし。



屋根に上がるとこんな感じに葺きあがります。
どっしらとした感じで、重圧感があってとても立派な棟になります。



カッコイイですよね。
こんな素敵な屋根瓦を毎日一生懸命作っています。

青海波を作りました。

2013-09-10 18:49:59 | 仕事の様子


今日は、青海波という瓦を造りました。
普段のし瓦の使う部分ではなく、
⌒←こっちの面をつかって棟を飾るための瓦です。
昔の屋根に使われていましたが最近では珍しいみたいですね。



真剣なまなざしでプレスしたてのモノをヘラで磨いていきます。




心の中では、
「綺麗にな~れ かっこよくな~れ」
と、思いながら磨いています。



裏面も磨いていきます。



最後に穴をプイッと開けて完成。



そして、乾燥台車にそっと上げていきます。
慌てると支えるためのピンに当たったりするので優しく扱います。

なんと!? 肩をよく見ると、指の跡が…
心霊現象!?ではなく、
一枚、一枚を丁寧に磨いて棚に上げていくと、とっても肩がこるのです。
けど、ガマンです。


今日は、肩こりに負けずに瓦作りました。





天神のし造りの様子 3日目以降

2013-09-06 22:48:17 | 仕事の様子


天神紐のし作りの様子その後です。
反らすん台に載せた白地は、少し反りましたが物足りない感じでした。



何より残念なのが、このひび割れです。
これでは、使い物になりません。
結果、楽していいものは出来ないようでした。



これは、一枚ずつ丁寧にタメを入れたものです。
カッコ良く反りました。



一枚ずつ選別します。
手でタメを入れたため、やはり反り具合に差が出ました。
荒地の硬さも影響していそうです。



今度また出番がある日のために細かくノートにメモしました。
物忘れがひどくてもこれで大丈夫。



こんな感じで反っています。
目で実際に見るのと、カメラで写したものを見るのでは違いがありますが、
白地は完成。



二枚並べてみると良く反っているのが分かります。



これは、焼きあがったものです。
白地で見るよりもいぶし銀の輝くボディーは素敵です。



地域によっては、こんなに反らした瓦を使う所があったり、
地方によって使われる瓦が違ったりもする日本の瓦屋根。

日本の屋根文化は、いいものですね。


天神紐のし造り

2013-06-22 11:51:12 | 仕事の様子


何年か前に天神紐のしの依頼を受けて製作した方から、
またご注文をいただき製作することになりました。



以前は、どうやって反らしたんだろう…
よく覚えていないので、試験がてらに「紐のしため入れ機」
で、まず様子をうかがいます。



この上に紐のしのプレスしたものを乗せて、
タメを入れていきます。

この柔らかさでタメを入れて入っていたのか…覚えていません。
もとに戻らないのか心配ですが、試してみます。



一枚ずつ反りを確認しながら、
「こんなもんかな…」
独り言を言いながら棚に上げていきます。



左がタメを入れたもの。
右がそのままのもの。



台車一台分頑張ってみました。
あすから観察開始です。



プラン2は、この「反ってるん台」です。
この上にのせて反らしたような記憶もあるような無いような…
失敗したような…記憶があいまいです。



こんな感じで載せてみました。
これも観察開始です。

期限は、1ヶ月らしいのでなんとか間に合わしたいです。





爆弾事件

2013-05-24 06:23:28 | 仕事の様子


「爆弾」
瓦屋には、こんな言葉があります。
爆弾とは、瓦がこのようにまるで爆弾で爆破されたように
粉々、バラバラになった事です。

瓦屋なら誰もが一度は経験した事がある苦い体験です。
私も何年振りかに見る事となりました。
見たくは無かったのですが…



瓦は、焼成の際に燻す事により「いぶし銀」の綺麗な色となるのです。
この燻す工程を「コミ」と言い、昔は、松の葉などで燻してコミをしていたのですが、
最近では、生ガスを使用しています。



工場の煙突から黄色い煙が上がっている時は、コミをしている時です。



このコミの量を多く入れると、こんな風に爆弾になってしまうのです。











見るも無残な瓦達。
窯の中全部がこんな感じです。

これでは、売り物になりません。
うっかりが、大損へと変わってしまいました。


当分、お漬物にお茶漬けの節約生活になりそうです。



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塀付け丸のハナをプレスしました。

2013-04-18 19:01:18 | 仕事の様子



今日は、塀付け丸のハナをプレスして、磨きました。
塀に使われる瓦の一番端っこの部分の瓦です。

オバチャンが丁寧に1枚ずつ手間暇かけてプレスしていきます。
オバチャン曰く
「乾いてきても切れらんように、ちゃんとやってあるから大丈夫」
自信満々です。



これがプレスされたものです。
なかなか数をプレスするのは大変なことです。

大事にプレスしても乾いてから切れてしまう(ひびが入る)と、
とても辛いです。



めくそ(バリ、余分なところ)をヘラで丁寧に取っていきます。



表面の見えるところを、このゴムホースで丁寧に磨きます。



はーい。ピッカピカ。
綺麗にできました。



上下をひっくりかえして、紐の所の目くそもおとして出来上がり。



これを時間をかけてゆっくりと乾燥させます。

なかなか時間のかかるこの瓦。
どこかの塀でカッコ良く葺かれてくれる日を楽しみにしています。




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うっかりやってしまう

2013-03-01 02:47:29 | 仕事の様子


今日、お客様からご注文頂いて在庫を見てみると、
なんと?! 在庫切れ。

他の瓦は、山ほどあるのに一種類だけない!
こんな事がたまにあります。

あ~ 最近浮かれていたせいでしょうか… 管理不十分でした。



さっそく口金を変えて、荒地(プレスする前の粘土)を出します。



せっせと出して、は~い一杯出た。



次は、金型を交換です。
スパナ片手にプレスに挑みます。



ネジを戻して、



戻して、戻して、金型をプレスから外します。



そして、手動リフトで移動します。
金型はけっこう重い。



で、在庫切れの商品の金型を取りつけます。



は~い完成。
なかなか時間がかかって大変な作業です。

明日は、この金型で沢山プレスして在庫を補充します。

瓦の種類が多いと、在庫管理が大変です。
こまめなチェックを欠かさないように気を付けたいです。


氷点下との戦い

2013-02-08 17:47:27 | 仕事の様子


最近は、寒いですよね。
この時期になると、仕事が終わるとまず気象情報を聞きます。

朝の最低温度が気になります。
0℃を下回ると、プレスした粘土は水分を含んでいますので
凍ってしまいます。

凍るとこうなる



凍らさないために乾燥台車を窯の上付近の暖かいところへ持っていきます。



今日プレスした分をあいているところへ押し込みます。



移動できないものは、ナイロンをかけてオイ(覆う、かけるかな…)します。



完全に密封して、はい完成。

これで氷点下でも怖くない。


瓦屋は、手間暇かけてプレスした粘土を凍らさないため
氷点下と戦います。



立派な瓦になるまで、大事に見守っています。



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在庫管理

2013-01-23 18:35:07 | 仕事の様子


今日は、商品の在庫管理をしました。
結構種類があるので、時々欠品しているのに気がつかない事があります。

「どれがないかな…」「これ、いつ売れるんやろ」「誰やこんな瓦造ったん…」
いろんな事を考えながら在庫をみます。

「いつか売れるだろ」
こんな無駄な在庫も見つけてしまいます。
この「いつか売れるだろ商品」が、ひょかっと売れた時、先人たちはこう言う…
「な、置いといて良かっただぁ」

こんな上から発言いただけます。



よーく見まわしながら在庫を確認。
よし!確認完了。



少なくなってきた商品を紙に書き出します。
次に造る商品はこれだね。

ちなみにこの達筆は、ペン習字2級です。おかしいですよね。


瓦って不思議な事に、欠品の商品に限ってよく注文があります。
どこの瓦屋さんも、こんな事を言っているのをよく聞きます。




気を付けよう お得意様は欠品の瓦を知っている。