紐のし屋の日記

「紐のし」っていう瓦を作っている谷池健司製瓦所の四代目社長の瓦つくり日記。

旧型の輪のしをプレスした。

2012-10-26 19:22:55 | 瓦の種類


今日は、旧型の輪のしをプレスしました。
たま~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~に
この旧型の輪のしをないかお問い合わせがあります。
ほとんど注文がないし、在庫を持っていても古くなるし、
金型変えたりめんどくさいし…という理由で廃番にしていました。

しかし、お客様のご要望にお応えしたい!!
という事で、少しだけ限定で生産する事にしました。



どこが違うかというと、
現行型だとのしに模様がついている感じなのですが、
旧型は、のしの部分がなく模様だけがある…
伝えにくいので、画像を見てね。



現行型は、このようにのしに青海波の模様がありますよね。
雨にも強そうだ。



こちらが旧型の施工写真です。
角度が悪くて分かりにくいですが、
陰影があり青海波がくっきりとしていて綺麗ですよね。

日本の屋根は、色々な装飾が施されてカッコイイ♪

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伊勢箱 はじめました。

2012-07-08 06:48:20 | 瓦の種類


伊勢箱はじめました。
三重県でよく使われるこの瓦。
瓦のおもしろさ、特徴ともいえる地域、地域の特色。
その地方にしかない瓦は、おもしろいものですね。



金型を譲って頂いたのですが、手動プレス使用のものでした。
大きな瓦なので、金型もとっても大きいため、
手動でプレスするには、かなりの力が必要です。
しかも、プレス後に金型をひっくり返して落としてプレスしたものを取ります。
至難の業です。



このレバーの力加減でどれぐらいプレスするか調整します。
トントントントン…
型が重い、その時の気分でプレス回数が違ってくる…

「やめよう…21世紀なのに原始的作業だぜ…」



という事で、半自動プレス使用に付け替えました。
金型に荒地がひっつかないように、エアー吹きを上下に装着。
プレス後の粘土を吸い上げるための木製吸盤をオーダーメイドで製作。
「おぉ~ 結構経費かかる~



次は、この口金。
大きな瓦を造るのにしては、小さすぎる口金です。
これでは、粘土をかなり伸ばさなくてはなりません。
粘土を伸ばす事によって、「伸び切れ」という現象が起こります。
これでは、プレス後にヘラで磨かなくてはなりません。
一枚ずつ磨く作業をしていたら、とっても高い瓦になってしまいます。



ということで、新品の口金を作っちゃいました。
できるだけ瓦の形に近づけて作ってあります。
これなら、粘土をあんまり伸ばさずプレスできるので、
伸び切れがほとんど無くなったはずです。

「まぶしいぐらいピカピカだぜ



プレスしてみました。
なかなかいい感じに仕上がってきました。

これで何とかいけそうです。
他の瓦屋さんから譲ってもらった金型は、
自分家使用にするのだけで結構な時間と、お金がかかってしまいます。
瓦屋さんはみなさん同じ瓦の作り方でなく、
その家、その家によって少しずつですが違った作り方、工夫をしています。




焼いてみましたが…
ホッパーに一杯の失敗作
新しい種類の瓦を造るには、なかなか難しいものです。

伊勢箱との戦いは、まだまだ始まったばかりです。

挑め! 青海波!!

2011-11-24 05:55:24 | 瓦の種類



お客様から青海波をするので、青海のしをつくってほしいと依頼がありました。

普段見せるのしの面でなく、縦?と言えばいいかいつも見えない面を積み上げて棟にする
昔の家に使われていた棟みたいです。

はじめてのチャレンジ頑張りたいです。



土練機から出てきた荒地は、この切断機によって切断されます。



この切断面は、普段は見えない部分で、こんなに荒く汚いものです。
これじゃまずいので…



一枚ずつヘラで磨きます。



「綺麗になれ~」荒地に話しかけながら磨いていきます。



綺麗になったら台の上の荒地の切りくずを手で払い台を綺麗にします。



そして、ゆがまないようにそっと上下を変えます。



そして、裏面も磨いていきます。



余分なとこもヘラで綺麗に♪



は~い 綺麗になった!

一枚仕上げるのになかなか大変。



なんとか予定枚数完成。

肩こった~



乾燥台車に乗せたいが…
せっかく磨いた面が汚くなりそう…
このまま台車に載せたままでは乾かないだろうな…

しばらく様子見ですね♪

カラテカワラ

2010-02-17 11:24:45 | 瓦の種類


誰もが、空手家のように瓦をカッコよく割る姿に一度は憧れますよね。
でも、空手家さん達が割っている瓦は、
屋根に使われている頑丈なもので、素人がまねするには大変な事です。

一度は割ってみたい 挑んでみたい  男らしさを魅せつけたい…

誰でも気軽に楽しむために生まれたのが、カラテカワラなのです。

作り初めは硬いもので、本格的な人でないと割れないものでした。
制作していく段階で、試しに一枚割ってみたところ、

なんとも言えない爽快感を味わえ、
すこし自分が強くなったような錯覚すらありました。

この緊張感爽快感優越感を伝えたい!!

そんな想いで、誰でも気軽に楽しめるように工夫していきました。

みなさん割る前には、
「うまく割れるのだろうか…」
こんな感じが表情に出ます。
まず、この緊張感が、カラテカワラの楽しみの一つです。

勇気をだして拳を振り上げて拳を突き出し瓦が割れていく時の音には、
割っている本人も周囲の人達にも
心地よい音をたてて割れていきます。
割ったと同時に周囲から「おぉー」
という歓声が聞こえ割った人の顔からは、笑顔が生まれてきます。





ストレス解消、気分爽快みんなを笑顔にする事のできる瓦
これがカラテカワラなのです。

   
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※必ずタオルを置いて、ブロックとブロックの間隔はできるだけ広くとり
  クッション性のあるグローブを着用ください。 

※万が一怪我をしても、当社は一切の責任を負いません。


堂々完成! 薄紐のし

2009-12-12 23:52:32 | 瓦の種類


最近、堂々デビュー?!の薄紐のしです。

小さな情報発信から、コミュニケーションが生まれ、
葺き手の思いが、作り手へと伝わり、その思いが
業界紙にまで取り上げてもらえる事にまで発展しました。

「作ってみたい」そんな思いを行動に移すことによって、
周囲の人に助けられ、思っていた以上に色々勉強する事ができ、
ようやく完成にまで至りました。



焼きあがった姿を見ると、
ほんとにうれしいものです。



我がこのようにかわいく見えてきます。

選別なんて言葉でなく、
『抱きかかえる』という言葉がふさわしいでしょう。



シャープなラインに、こんもりとした紐。

これにも色々と考え、悩みました。

ブログに載せる事により、色々な意見をいただけ
ほんとうに感謝しています。



紐のしの始まりは、古民家などで使われている
この漆喰を瓦にしたのが始まりといわれています。

薄紐のしの最大の魅力は、
薄のしと、この漆喰のこんもり感を復元させた事なのです。



どんな屋根になるかとても楽しみです。

作り手から葺き手へと、バトンは渡されました。

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新商品 薄紐のし

2009-11-07 07:17:33 | 瓦の種類


これは、新商品の薄紐のしです。

以前、深谷地区屋根工事組合さんとの交流会の時に
「こんな瓦があったらいい」と、薄紐のしの事を聞かせてもらいました。

薄紐のしって…はじめて聞くこの言葉が凄く心に残っていました。
「紐のし屋と名乗る以上、避けては通れない!!」
「どんな屋根になるか見てみたい!!」

こんな想いで制作する事にしました。



これがその白地です。

右側が、普通の紐のしで、左側が薄紐のしです。
スッキリとスリムな体でしょ

プレスしてまだ日があさく完全には、乾燥していませんが、
結構反ってきています。
乾燥しきってしまうと、もっと反りそうな感じ…



完全に乾燥するには、4~5日かかってしまい、
その間待ち続けなれればなりません。

楽しみでもあり、不安もある乾燥待ちなのです。

そして、出来上がりを見て何度も口金を調整したり、
色々なパターンを試して、ようやく製品となります。

瓦づくりは、一度にはうまく作れず時間のかかるものなのです。










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一体棟瓦

2008-10-01 22:46:59 | 瓦の種類
こんな瓦も作っています。



これは、一体棟瓦といって
紐丸と、紐のしが合体したもので、
二段と三段の二種類あります。



台風、地震などの自然災害に強い瓦を!
という事で作られた軽量化された瓦です。

見た目は、本物の棟から比べると全然かないませんが
使い方次第では、色々と使える場所はありそうです。



こちらは、三段の一体棟瓦です。



二段、三段ともに、ハナ、曲り、両桟があり
塀瓦としても使う事が出来ます。

ウチは、色んな瓦を造ってます♪
めざせ! 棟瓦のデパート!!

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大のし はじめました♪

2008-09-10 19:42:00 | 瓦の種類


大熨斗瓦作りました。

のし瓦の幅寸法は、一般的には210mm(7寸)ですが、
それ以上の240mm(8寸)、270mm(9寸)は、大熨斗瓦と呼ばれています。



ウチの大熨斗瓦は、な、な、なんと292mm (9寸6分) !
とってもワイドな熨斗瓦です。

ここに来るまでに、辛い思いをしました。
        ・
        ・
        ・
        ・

「こ、こんなものぉ!!」
投げ出しそうにもなりました・・・


紐「マスターおかわり・・・」
マスター「よしなよ・・・」
くじけそうにもなりました。



最後には、神頼み!

そんなこんなで完成!!

NOW ON SALE !!


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紐雁振はこんな風に使われます。

2008-07-12 21:42:26 | 瓦の種類


これは、紐雁振という冠瓦です。

冠瓦とは、棟の一番上に使われるもので
文字通り冠のように棟を覆います。



屋根に葺いたらこんな感じになり
紐丸より幅寸法が広く
重圧さを表現することができます。

紐のしとの相性もいいですね。



紐なしハナ          紐付きハナ



曲がり            両残

紐雁振は、これらを使い塀の上にも
使用することが出来ます。

いぶしの屋根は、夫々の特徴を生かした
個性豊かな棟がある素晴らしいものです。

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