フェリーで鹿児島湾を横切り、根占港到着!


予約していたタクシーの運転手さんは、ちゃんといた。
タクシーを降りて、立って僕たちを待っていた。
運転手さんは、年齢は50代なかばで、
ちょっと小太りでがっちりしていて丸顔のおじさんだった。

話すのが好きらしく、
雑談をまじえながら観光客用の説明をしてくれた。
にこやかな運転手さん、家ではどんな感じなのだろうと想像して、
休みの日に表情のない喋り方で奥さんと会話する感じを頭の中で創り上げてしまって怖くなった。
なぜかはわからんけど、妙に生々しいカカシが多数立っていました。

気になったのが、運転手さんがときどき口にする、
「時間がギリギリである」
ということ。

鹿児島に行く前に電話で何度も確認したんだけど、
13:50にフェリーが到着して、帰りのフェリーが16:30。
これはもう動かせない。
16:30のフェリーが最終便だ。
佐多岬までタクシーで片道1時間かかるというから、
佐多岬到着が、14:55 くらい。
で、佐多岬を出発しなければならないのが、5分余裕をみて 15:25。
佐多岬には、30分いられる計算だった。
実は佐多岬というのは、駐車場から、徒歩で往復30分くらいかけて、
突端まで行かないと、本当の意味で「本土最南端」に到達したとは言えないのだ。
だから本当にぎりぎり。
最南端にある看板みたいなところで写真撮影したら、
すぐ引き返してタクシーで戻らないとフェリーに間に合わない可能性がある。
フェリーに乗れなかったら一大事なのだ。
計算上は、なんとかギリギリ間に合うという事で、
僕らは、佐多岬を日程に入れたのだった。
道中、運転手さんは、残念そうに繰り返し言う。
「時間さえあればなあ、もっと他のところも見てもらえるのに!」
風力発電所とか、なんかいろいろあるらしいが、
僕は、何の興味もなかった。
僕は、その土地にしかないもの、そこに行かなければ見られないものに興味があった。
神社や美味しいものは、日本中にある。
だけど、最南端は、鹿児島に来なければ見る事ができない。
稚内といえば最北端、鹿児島といえば、最南端なのだ。
14時55分、予定通り、佐多岬駐車場に到着した。


この辺のタクシー運転手さんは、何度も佐多岬まで往復しているのだろう。
所要時間の予測は、完璧に正確だった。
「じゃあ、何時くらいに戻ってくればいいですかね?」
僕らは運転手さんに聞いた。
「15時15分くらいまでには、戻ってこないとだめだね」
は?
20分しかないじゃないですか。
歩かなきゃならない区間は、往復30分かかるんじゃないのかよ。
余裕を持って言っているのか?
確かに、何か想定外の事が起こって遅れる可能性もある。
遅れたら、本当にやばい。
運転手さん的には、
余裕をもって動きたいという気持ちなのかもしれない。
だけど…!!
これはもう、仕方ない、と僕らもあきらめた。
歩いてトンネルをくぐり抜け、細い道を下っていく。


でも、どうせ途中で帰って来なければならないんだよな、と考えてしまう。
「どこまで行ったって同じか…」
僕は、道の途中で奥さんに記念写真を撮ってもらい、
タクシーへと引き返したのだった。

なんか、でっかい樹。駐車場にあった。

最南端にある電話ボックス。これも駐車場にあった。

大きい樹の前や、電話ボックスの前で、何度も周りの人に聞かれたことがある。
「写真撮りましょうか?」
夫婦二人で記念撮影しましょうか、という事なのだが、
うちの奥さんは、写真に撮られるのがとても嫌いなので、
僕は、フツーに自分一人で写真におさまる事が多いのだった。
…その6へ続く。
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