王子駅前で旨い一杯と言えば「えんや」の塩
王子駅前で「旨いラーメンを」というなら、私は「えんや」を推したい。看板メニューの塩に加え、醤油、つけめん、煮干し麺と多彩なラーメンを提供。特に塩ラーメンは界隈随一の旨さである。スープは、はかた地鶏と香味野菜を炊き上げ、宗田節や鯖節など魚介素材を加えたもの。
塩ダレには室戸海洋深層水から精製した塩を使っているからか、角の無い優しい飲み口に。一方、麺は自家製で「春よ恋」の全粒粉を使用した全卵入りの中細麺。これだけでも十分に旨いのだが、さらに三元豚肩ロースを真空低温調理で仕上げたチャーシュー、出汁醤油に漬けこんだ味玉とトッピングにもハズレなしだ。
この「えんや」だが、2017年1月に突然「休業」を宣言していた。そして一時は、誰も予想しなかった二郎系の「雄山」に姿を変え営業も、数か月後に再び看板を「えんや」に戻した。ファンは「えんや復活」と歓喜したが、その迷走ぶりは謎も残した。いまの店主・山田雄太氏は若くして、先代から味と店を受け継ぎ、磨き上げてきた人物だ。
その山田氏は「えんや」の休業期間に「自分の味を作り突き詰める」として、赤羽駅前に自身の名を冠した「山雄亭」を開業。ここでもレベルの高い一杯を提供している。これから「えんや」ブランドはの位置づけはどうなるのか？まあ詳しい事などわからぬが、またあの塩ラーメンが食べられるようになったのは嬉しい。
<店舗データ>
【店名】 らーめん えんや
【住所】 東京都北区岸町1-1-10
【最寄】 JR京浜東北線「王子駅」北口すぐ
★「山雄亭」は2019年10月27日をもって閉店
