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肥宝館 -貧すれば丼する-

【高知 奈半利】 いごっそラーメン店長「塩バターラーメン(1000円)」

北川村の山奥に行列を作る塩の名店

土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線の終着駅である奈半利駅から北東方向へ3.5キロほど。自動車なら北川奈半利道路の野友ICを降りて数分。北川村の山間部で行列を作る人気店「いごっそラーメン店長」へ。ご主人の田所幸衛氏は北川村のご出身。県外での会社勤めの後、50歳で脱サラし奈良県京終駅そばでラーメン店を創業した。

屋号は創業当時から「いごっそラーメン店長」で、塩ラーメンの名店として人気を博すも、ご主人は2010年に高齢の父を残した北川村に戻ることを決断。惜しまれつつ店ごと移転したのだ。なお奈良には「いごっそ」「ひだるか屋」「ラーメン楓」など暖簾分けをされて味を継承する店があり、いずれも人気である。

さて北川村のお店だが、店内は L字カウンター8席と4人掛けテーブル3卓の計20席。「いごっそ」とは頑固で気骨がある男、酒豪、快男児といった意味の土佐弁で、高知の男性の県民性を指す言葉だが、それとは裏腹に柔和なご主人が迎えてくれる。混雑時はまず店内で食券を購入し、軒先のベンチに順番に並んで待つルールだ。

麺メニューは塩、塩バター、みそ、味噌バター、しょうゆの各種ラーメンに加え、冷やしつけ麺もラインナップ。また店オリジナルの「ゆず酢」や「柚子胡椒」も販売中。ゆず酢は5合瓶入りで1500円。料理にも酒の割材としても使える優れものだ。そして柚子胡椒は自家農園で育てた青い柚子で作ったもので香り高い一品である。

今回は一番人気の「塩バターラーメン(1000円)」を注文した。着丼までは8分ほど。澄んだスープは鶏ガラや豚骨に加え、キャベツやセロリなど数種類の野菜を炊いた優しい味の清湯だ。塩ダレは強過ぎず丁度よい塩梅。スッキリとしていながら素材の味がしっかり溶け込んでいて旨味十分だ。そこにコシのある中細麺が泳ぐ。

丼頂にはバターの塊が。これがスープの熱で徐々に溶け出し香りとコクを加えてくれる。クセになる味わい。さらに大量の刻みネギの下には厚切りで大判のバラチャーシューが4枚も。これは嬉しい不意打だ。嫌な獣臭は皆無で食べ応えもあり旨い。ほかシャキシャキのもやし、黄身ホックリの味玉が半玉トッピングされる。

卓上にはニンニク、豆板醤、そして前述の自家製柚子胡椒があるのでお好みで味調整を。柚子胡椒は塩辛さ一辺倒ではなく柚子の香りと爽やかな苦味が心地よく、スープの旨さをさらに加速させる。あっという間に完食した。柚子胡椒があまりに旨かったので、結局お土産として購入することに。250gで1300円也。さあ、何と合わせよう。

<店舗データ>

【店名】 いごっそラーメン店長
【住所】 高知県安芸郡北川村野友乙
【最寄】 土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線「奈半利駅」徒歩40分(3.5km)

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