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肥宝館 -貧すれば丼する-

【高知 追手筋】 谷口食堂「こがしニンニク 並(800円)」

高知市の歓楽街で深夜も啜れる「須崎鍋焼きラーメン」

高知県中央部・須崎市のご当地麺「鍋焼きラーメン」。須崎市内3~40軒ほどで啜ることが出来るという激推しぶりだが、高知市内にも提供している店がいくつかある。繁華街・追手筋そばで深夜3時まで営業する「谷口食堂」もそのひとつ。なお、こちらのお店は、少し前までは「ばさら」という屋号で営業していた。

屋号と言えば、この「谷口食堂」という名前は、かつて須崎市内に存在した鍋焼きラーメン発祥の店の屋号である。ご主人が亡くなり、店も1980年に閉店したため、その味は途絶えてしまった。しかし商工会議所・市役所などの有志が2002年、「鍋焼きラーメンプロジェクトX」を発足し、いまでは積極的にPRされるようになっている。

PRが実を結び、翌2003年には新横浜ラーメン博物館に「谷口食堂」が限定復活したこともあった。後継者がいないため、昔の味を知る人の教えを受け、谷口の味を忠実に再現した一杯を提供したのだ。そして今、高知市内にも谷口の屋号が掲げられる事に。この屋号からはヘタをコケないという覚悟が伝わってくる。

ただ、メニュー自体はオーソドックスな醤油に加え、塩、こがしニンニク、激辛、鬼辛など進化系を取り入れるなど挑戦的だ。オーダーしたのは「こがしニンニク」。土鍋の蓋を開けると、強烈なニンニク臭が。そういえば、風土だろうか。高知ではカツオのタタキを始め、ニンニクを添える料理に頻繁に出会う。個人的には大歓迎だ。

鍋焼きラーメンは、鶏ガラ+醤油スープに、硬めに茹でられた細ストレート麺を使うのがルール。具も親鳥の肉、ネギ、生卵、竹輪と決まっているが、そこに焦がしたニンニクチップが散らされている。親鳥を使うのは、谷口食堂の前に、鶏を扱う店があり、タダでもらっていたからだという。今ではむしろ入手が難しいだろうに。

生卵は早めにスープに溶くのも良いが、後半に残す人や、鍋のふたに黄身を出して溶き、麺をつけて食べる人まで様々。また、これも珍しいが、卓上にカレー粉が置かれているので、後半は振りかけて味変しつつ、ライスを投入すると3度楽しめる。須崎まで足を運べないという方は、こちらでアツアツを啜ってみてはいかがだろうか。

<店舗データ>

【店名】 谷口食堂
【住所】 高知県高知市追手筋1-7-14
【最寄】 とさでん交通伊野線「堀詰停留所」徒歩3分

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