つじ田がたどり着いた「古き良き中華そば」
つけ麺界の超有名店「つじ田」。店主の辻田雄大氏は異業種展開等も盛んに行うやり手だ。御茶ノ水のスポーツ用品店街には「つじ田 御茶ノ水店」のほか、「味噌の章」や「成都正宗担々麺つじ田」、そして今回訪問した「井関屋」と系列店が集中し、さながら『つじ田銀座』の様相を呈している。
井関屋のコンセプトは「古き良き中華そば」。辻田氏曰く「インパクトや目新しさではなく、だれもが懐かしさ共に思いえがく当たり前の中華そば」を提供しているという。「作られた昭和」みたいなモノに胡散臭さを感じる人もいるだろうが、そこは「つじ田」。しっかりした中華そばを食べさせてくれる。


スープは鶏ガラ・豚骨がメインで煮干しが少々。そこに中細ウェーブ麺という組み合わせは、やはり「昔ながらの」と評したくなるヴィジュアルだ。しかし、味玉の半熟具合に始まり、多めに張られた香味油、舌の上で絶妙にほぐれるチャーシューなど、随所に「新しい風」が吹き込まれているので、ただの古臭い中華そばではない。
スープにもチャーシューにも醤油でしっかりと効いているので、少し喉が渇くのが難点だが、レベルの高い一杯。ただ、昭和風なのだからと、薄くスライスされた固めの煮豚あたりを期待して入ると「ハズれ」ということになるのでご注意を。なお、煮干しのエグみが好きな方には「煮干し中華そば」の方をオススメしたい。
<店舗データ>
【店名】 井関屋
【住所】 東京都千代田区神田小川町1-6-2
【最寄】 都営新宿線「小川町駅」徒歩1分
★2017年5月に閉店。天丼店「金子半之助」に業態変更