考えるな、感じろ!復活の「みそホル」を立石で
背脂ファンのアツい支持を受けて来た葛飾区奥戸の「貴生」。京成立石駅より徒歩15分という立地ながら、一度食べたら忘れられない味と丼相で多くの中毒者を産んできた。しかし2017年5月上旬、店舗の老朽化などを理由に閉店。松戸本店と稔台店は残っているものの、味に定評のあった奥戸店の閉店を惜しむファンは多かった。
ところが、その5月の下旬。奥戸店のファンで知らぬ者はいない、スキンヘッドの強面店主・鶴見氏が、立石駅徒歩3分の好立地に「一力」をオープンさせたのだ。貴生で15年店長を務めたあのお方が、しかも「貴生」の味を踏襲する形で独立。この報に、安堵したラーメンファンも多いだろう。


メニューも基本は「貴生」と同じで、ラーメンは醤油と味噌の2本柱。ただ、ここに来る客のほとんどは、丼の頂に豚の肉塊を冠した「みそホルモンメン」が目当て。私も貴生時代から「みそホル」専門だ。アッサリ目の豚骨スープに大量の背脂。味噌ダレと「ホルモン」の汁がスープに溶け出し、口の中で甘味と辛味の波状攻撃が展開される。
そういえば皆、この肉塊を特に疑問も持たず「ホルモン」と呼んでいるが、これは本当は豚バラ軟骨だそう。沖縄のソーキと同じだ。これをなぜ「ホルモン」と呼ぶようになったのか…葛飾3大七不思議の1つである。麺は多加水の平打ち麺。鶴見氏が茹で加減を手と口で確かめているので、仕上がりに間違いはない。
お店は夜11時閉店なので、以前のように深夜に啜ることこそ出来ないが、青春時代の味が蘇ってくる。そうそう、後半はニンニクを大量に入れて、逆デトックスの要領で養分を余すところなく吸い込むのだ。みそホルは考えるな、感じるんだ!まだ未体験の貴兄は、是非この漢気溢れる一杯を啜りに、立石を訪れて欲しい。
<店舗データ>
【店名】 一力(いちりき)
【住所】 東京都葛飾区立石7-7-11
【最寄】 京成押上線「京成立石駅」徒歩3分