和服女性に囲まれて啜るコダワリの一杯
ラーメンファンにとっては今さらの話だろうが、JR御徒町駅と秋葉原駅の間の高架下に「らーめん横丁」があるのをご存知だろうか?高架橋の耐震工事の影響で、2014年に今の場所に移転しリニューアル。現在は蒙古タンメン中本、青葉、つけめんTETSU、なんつッ亭、チラナイサクラの5店舗で営業している。
御徒町駅徒歩1分とアクセスが良い上に、ほとんどが通し営業なので「ちょっと一杯」という時に重宝する。今回も昼飯を逃してしまい、夕方にコバラが減ったので訪問。中本、TETSU、青葉、なんつッ亭は、それぞれ支店も多く「別にココでなくても…」と思ってしまうので、私は大抵「チラナイサクラ」に入ることが多い。
ここ「チラナイサクラ」は、都内にも「本枯れ中華そば 魚雷」「信濃神麺 烈士洵名」などを展開する、長野発の「ボンドオブハーツ」グループのブランドである。お店の雰囲気は和テイストでまとめられていて、壁には観音像が描かれ、BGMは琴のJ-POP。和服姿の女性スタッフが、麺あげから盛り付け、配膳まで行う。
丼まで桜の花びらが描かれ、ちょっと演出過多な感じもするが、味は間違いない。鶏ガラ、豚足などの動物系に、貝類、昆布、カマス干しなど魚介系を加えたスープに、シジミエキスを加えた醤油ダレ。旨味が口の中に優しく広がっていく。そこに塚田氏プロデュースの小麦粉を使用した中細麺。過ぎるほどのコダワリようだ。
チャーシューはアグー豚のベーコンや、鶏肉の香草焼き、低温真空の豚肉など数種類用意していて、日毎にトッピングするものを変えているという。この日は、たまり醤油に漬けた鶏ももローストと鶏ハムだった。青菜も季節のものを使用。通う楽しみまで用意しているとは恐るべし。本格的な「プロデュース」も含めて楽しめるお店だ。
<店舗データ>
【店名】 チラナイサクラ
【住所】 東京都台東区上野5-10-14
【最寄】 JR山手線「御徒町駅」南口徒歩1分
★2020年11月末日をもって閉店
★跡地には「魚と豚と黒三兵」が入居