肥宝館 -貧すれば丼する-

【早稲田】 うだつ食堂「全部入り中華そば(1000円)+めし(100円)」

都内では珍しい「徳島ラーメン」の専門店

「うだつの上がらない人」という表現がある。この「うだつ」とは古い日本家屋の屋根の上に観られたものだ。隣家との境に小さな屋根付きの壁を設置することで防火壁の役割を担っていた。これが江戸中期になると装飾に重きが置かれるようになり、財力を誇示すべく、商家などの屋根には競うように立派なものがが取り付けられた。

そのため「うだつが上がらない」=「経済的にパッとしない」などの意味で使われている。全国では観られる場所も少なくなったが、徳島県美馬市脇町は、うだつの町並みを江戸時代のまま保存している。前置きが長くなったが、この「うだつ」を、名前だけでなく店の屋根にも冠しているのが、徳島ラーメン専門店「うだつ食堂」だ。

お店は古い駅舎をイメージしたそうで、入口脇にはJR徳島線「学(がく)駅」の看板のレプリカが飾られている。この学駅は、その名前から「合格祈願」の駅として四国では有名だ。ほか、店内には徳島駅の1999年の時刻表や1000形気動車の写真もある。BGMは阿波踊りのお囃子。懐かしさがこみ上げてくる。

もちろん、こちらで提供されるのは「徳島ラーメン」。濃厚な豚骨スープに甘辛の豚バラ肉と生玉子というのが、よく知られる姿だ。このほか徳島では珍しい「つけ麺」や、餃子、白飯も用意されている。味の濃い徳島ラーメンは米との相性が良いので、ぜひ「めし(100円)」を付けることをおススメしたい。

運ばれてきたのは、ガイドブックでよく見るイメージ通りの「徳島ラーメン」。豚骨ベースのスープは、獣臭さは無いが、少し背脂も混じり濃厚だ。カエシの醤油風味が抑えてあるので、マイルドな飲み口である。徳島で獣臭プンプンだったり、カエシ強めなどの個性的な店を経験した方には、こちらの一杯は優等生すぎるかもしれない。

豚バラ肉を生玉子に絡めて白飯へ。麺、飯、麺、飯の最強コンボに突入だ。ちなみに、徳島ではラーメンは「おかず」の扱いなので、白飯と食べるのはスタンダード。ただ、生玉子は絶対的な存在でもなく、こちらの店でも追加トッピング扱い。全部入り1000円は高いが、東京では珍しい徳島ラーメンの店。ぜひ一度お試しを。

<店舗データ>

【店名】 うだつ食堂
【住所】 東京都新宿区西早稲田1-11-1
【最寄】 東京メトロ東西線「早稲田駅」徒歩5分

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