野菜に関する怪情報を探る

テレビや書籍、ホームページなどから、野菜に関する記載について疑問に感じたことを綴るつもりです。

食品中のシュウ酸含量

2008-07-26 13:39:31 | Weblog
 最近、新規投稿を休んでいたら、トラックバック、コメント等多数いただきありがとうございます。「食品中にどの程度シュウ酸が含まれるか教えてほしい」というコメントがありました。これはという資料を探しているのですが、なかなか見つかりません。もし、どなたかご存じでしたらお知らせください。
 古い文献ですが、「栄養と食料」27巻、33-38ページに中原の分析値が出ています。栄養上問題になるのは可溶性シュウ酸だと思いますが、セリ 0.1%、煎茶 1%、ツルナ 1.2%、ホウレンソウ 0.7%、ミョウガ 0.4%、ショウガ 0.5%、タケノコ 0.6%、サトイモ 0.2%、コンニャクイモ 0.2%となっています。バナナについては記載されておりません。
 別の文献ではハチミツ中のシュウ酸が比較されています。100ppm以下ですので、栄養上の問題にはならないと思いますが。
 米国のデータですが、オクラ、チョコレート、全粒パン、プリッツ、フレンチフライ、野菜スープ、トマトなどからも0.1%以下ですがシュウ酸を検出しています。
 ゴレンシというと聞き慣れない名前ですが、スターフルーツにもパーセントのオーダーでシュウ酸が含まれるようです。(園芸学研究、3巻、415-419、2004)
 というわけで、結構多様な食品にシュウ酸が含まれているようです。シュウ酸というと、「ホウレンソウのえぐ味」と短絡されがちですが、シュウ酸がどのような形で存在するか、他にどのような成分が共存するかなど多くの因子が「えぐ味」に関係します。むしろ、シュウ酸はカルシウムの体内吸収を阻害する可能性があるので、ミネラル吸収の面から、食材中の可溶性シュウ酸量の比較研究が必要と考えます。
 補足します。腎結石予防のためのサイトなどにもシュウ酸の多い食品が記載され、そのなかに「紅茶」が含まれています。多分、外国の文献に従って「tea」を「紅茶」と記載したためでしょうけど、「紅茶」も日本の「緑茶」も同じチャの樹から作ります。従って、腎結石予防のために「紅茶」をひかえれば「緑茶」はいくら飲んでもよいという具合にはなりませんので、ご注意ください。
 
 


コメントを投稿