見てきました。
響け!ユーフォニアム原作で京アニで山田尚子監督でと、
普段と同じスタッフなのにどこか毛色の違った作品という雰囲気で、
どういうものを見れるか楽しみな一作でした。
以下ネタバレ感想。
冒頭、リズと青い鳥のシーン。
木々に囲まれた湖、空の描写が窮屈で、
今作は狭い範囲の話なんだというのを初っ端で見せられた気がしたな。
リズの青い鳥を形容する言葉が舞台的という感じで、
リアル感というよりは虚構性を強調されているような雰囲気で、
創作、物語から何かを受け入れることを肯定するような雰囲気でもあったかな。
最初、みぞれの登校シーン。
最後に2人が別の場所へ歩みだすこと、そして終盤の下校シーンと合わせたシーンでしたね。
希美が登校してくるのをずっと待っているみぞれの見せ方が印象的でした。
瞳のアップなどクロースアップの多様や山田監督らしい足のアップ、
PANでみぞれの振り向きから目線の先を強調するなど、
静かなシーンを印象的に見せてくださっていたな、と。
ちょっとシチュエーションは違いますがユーフォニアム1期1話を思い出しますね。
体育座りが今作だと頻発しますが、
いつもみたいに座る動作をするときにスカートを抑えるとか、
京アニの十八番芝居は封印されていて、
スカートの長さの協調と、このくらいスカート丈があれば見えないよ、
みたいな、膝を抱える女子のパンツをいちいち気にしなくていい仕様になっていて、
キャラクターのセンチメンタルな心情に入っていきやすかったかな。
芝居、作画は京アニが初めてこれは劇場版作品なのです、
ということを突きつけてくるような感じがしたな。
スカート抑えの芝居について上げましたけど、
TV版のキャラデザではこれは見せられないだろうな、
という芝居、ポーズが凄く多い。
これをやりたいがためのか、ともう納得させられるというか。
もうどこが良いというか、この仕草が!とかこのポーズ!とか、
いちいち感嘆してしまう感じというか。
新鮮なとこ多くてどこが新鮮だったのか忘れてしまう感じ。
今の京アニの画面にちょっと退屈さを覚えている方にぜひ見ていただきたいですね。
これをヴァイオレットと並行して作っていたっていうのもなかなか驚かされます。
希美とみぞれの登校シーンですが、
2人の歩み、希美のほうが足早に歩いているのに対し、
みぞれはゆっくり歩いているのにFOLLOWで見せている。
みぞれが遅れて希美に走って追いつく、みたいなのがない。
最初は2人を一緒に画面に入れるための嘘なのかなと思ってたんですが、
物語的に言えばみぞれの歩く速度に希美が追いついていない、
希美がみぞれのブレーキみたいになっているという話なので、
ここは互いの歩き方でそれを見せられていたのかなという気がしたかな。
先に歩いていた希美が音楽室の扉を開けるところではみぞれがカギを開けている。
途中まで希美がカギを持っていたのでは、と思っていたし、
でも原作的に考えると音楽室をあけるのはみぞれだよな、
みたいにいろいろ考えちゃうシーンだったな。
ここでどちらがカギを持っていて、
どういうやり取りがあってみぞれが音楽室を開けたのか、
というのは作品を通して語られるミッシングリンクみたいに今思えば感じられる。
最初はほとんどセリフがなく、みぞれと希美しかいないので、
タイトルが出て、お馴染みのキャラが出てきてちょっとホッとさせられる場面も。
我らが黄前久美子きた!みたいな。まあセリフ一言二言しか無いっぽいですが。
リズと青い鳥の曲についてのあれこれや、
後輩たちとのやり取りなど、みぞれの行動を追っていくのが楽しい作品でした。
後輩からも慕われてる感じが新鮮だったなと。
ただ、TV版2期を終えた後だと、コンクールなんて来なければいい、
みたいに言うみぞれにちょっと傷つけられた気がしたな。
これは久美子視点で作品を見すぎているからかもしれない。
久美子の絡みがあまりないのがこの作品に対する不満の1つなので。
まあそれはどうでもいい話ですが。
今回も青春ものにありがちな進路志望調査から話が動いて行って、
あー、やっぱ進路からは抜け出せないのかーみたいなのはちょっと思った。
桑島法子の先生役が希美に対して孤独になったみぞれに接触するの、
中の人的ネタを遠回しにやっているのだろうか、みたいな。
音大を進められるみぞれに、自分も音大に行こうかなという希美、
じゃあ自分もというみぞれと、相変わらずなやり取りに見える中に、
希美側の視点を混ぜてくるところで話が動き出す感じに。
その直後のシーンでみぞれがピアノを弾いているシーンになって、
また不穏な空気になるようなところで鍵盤が出てきている、
と個人的にTVシリーズから気にしてたところがまた出てきて驚いた。
今考えれば中学帰宅部だったみぞれですが、
昔からピアノなど音楽に触れる機会があったことを伺わせる、
音楽的な才能を強調するシーンになっていたのかなと。
希美は恐らくフルートしかできないんだろう、みたいなね。
才能に負ける、と言えば1期でトランペットソロ対決になったときに、
久美子とあすかがやり取りしていた部屋?で、
希美と夏紀と優子でみぞれについて触れてるあたりは、
意図的に気にさせるように場所を決めていたのかな。
オーボエ&フルートペアに対して、後輩のユーフォ&トランペット、
久美子麗奈ペアが自分のパートでもないのに2人でそのパートをやっちゃうの、
先輩たちに対してなかなか挑戦的な感じで、
隙あらば自分たちがソロを成り代わってやるぐらいの雰囲気を感じて、
1期のスピリット無くなってないなとそこが個人的に凄く嬉しかった。
みぞれのオーボエを気にかけてくれたのも麗奈だったし。
和やかな雰囲気でしたが、TV1期を彷彿とさせられる。
その精神はやっぱ山田さんが持っていてくれたのかな。
色々拡大して含みを持って受け取ってしまいそうになりますが、
とりあえず個人的にはグッとくるなと。
流石我らが久美子、セリフなくても存在感あるぜ、みたいな。
みぞれがリードを作ってるあたりなんかは赤い糸の描写かな。
プールとか祭とか、色々イベントはあるんですが学校内だけでほぼ完結されているので、
だからこそ冒頭の登校シーンや下校シーンが光る感じだったかな。
そういえば登校シーンで階段を使った上下のやり取りを見ると、
やっぱ『けいおん!』の監督だった人だなぁと思わされる。
楽器の光の反射で遊んだり、教室でクシャクシャになっておかれたファイルだったり、
無邪気さや日常の中の風景を掬い取るのもけいおんを彷彿とさせられるな、と。
通し練習での最後の第三楽章の演奏がやはり印象的で。
昨年まではいなかったハープが加わっているのはそれまでの描写で分かりますが、
ここの演奏シーンにもかかってくるのだなとか、
みぞれの演奏に圧倒されてしまう希美だとか、
2人の立ち位置がはっきりしてしまうのを含め、印象的だなと。
TUでカメラが音楽室を突き抜けていくのも、
狭い範囲でスケール感はあまりないですが、飛び立つイメージとしてはいいかなと。
非常に静かな、感情の機微を描いた作品だったので、
大きな盛り上がりを期待しているとまた違った印象かもしれません。
BGMもみぞれたちの寄り添う感じで冒頭から印象的だったな。
希美の足音も気にする、
そんな僅かな音を見逃さないとするみぞれを見た後に聞く希美の歩くシーンとか、
みぞれが取りこぼさないないようにしている音、
っていうのをこちらも気にしてしまう感じ。
またそれが作品を取りこぼさないようにする自分のように思われたかな。
これはどうでもいい話。
影の作り方や映り込み、冒頭の長い登校シーンと合わせてハルヒを消失を思い出すとか、
同ポの使い方とか、みぞれと後輩ちゃんの話とか、それぞれのキャラの話とか撮影処理とか、
ほか色々あった気がしますがとりあえずこんな感じで。
山田監督作というだけでなく、
京アニ作品としても非常に新鮮な作品だったのが個人的にGOODでしたね。
なんかもうすでにだいぶ忘れてしまったので、また何度か見に行きたいです。
響け!ユーフォニアム原作で京アニで山田尚子監督でと、
普段と同じスタッフなのにどこか毛色の違った作品という雰囲気で、
どういうものを見れるか楽しみな一作でした。
以下ネタバレ感想。
冒頭、リズと青い鳥のシーン。
木々に囲まれた湖、空の描写が窮屈で、
今作は狭い範囲の話なんだというのを初っ端で見せられた気がしたな。
リズの青い鳥を形容する言葉が舞台的という感じで、
リアル感というよりは虚構性を強調されているような雰囲気で、
創作、物語から何かを受け入れることを肯定するような雰囲気でもあったかな。
最初、みぞれの登校シーン。
最後に2人が別の場所へ歩みだすこと、そして終盤の下校シーンと合わせたシーンでしたね。
希美が登校してくるのをずっと待っているみぞれの見せ方が印象的でした。
瞳のアップなどクロースアップの多様や山田監督らしい足のアップ、
PANでみぞれの振り向きから目線の先を強調するなど、
静かなシーンを印象的に見せてくださっていたな、と。
ちょっとシチュエーションは違いますがユーフォニアム1期1話を思い出しますね。
体育座りが今作だと頻発しますが、
いつもみたいに座る動作をするときにスカートを抑えるとか、
京アニの十八番芝居は封印されていて、
スカートの長さの協調と、このくらいスカート丈があれば見えないよ、
みたいな、膝を抱える女子のパンツをいちいち気にしなくていい仕様になっていて、
キャラクターのセンチメンタルな心情に入っていきやすかったかな。
芝居、作画は京アニが初めてこれは劇場版作品なのです、
ということを突きつけてくるような感じがしたな。
スカート抑えの芝居について上げましたけど、
TV版のキャラデザではこれは見せられないだろうな、
という芝居、ポーズが凄く多い。
これをやりたいがためのか、ともう納得させられるというか。
もうどこが良いというか、この仕草が!とかこのポーズ!とか、
いちいち感嘆してしまう感じというか。
新鮮なとこ多くてどこが新鮮だったのか忘れてしまう感じ。
今の京アニの画面にちょっと退屈さを覚えている方にぜひ見ていただきたいですね。
これをヴァイオレットと並行して作っていたっていうのもなかなか驚かされます。
希美とみぞれの登校シーンですが、
2人の歩み、希美のほうが足早に歩いているのに対し、
みぞれはゆっくり歩いているのにFOLLOWで見せている。
みぞれが遅れて希美に走って追いつく、みたいなのがない。
最初は2人を一緒に画面に入れるための嘘なのかなと思ってたんですが、
物語的に言えばみぞれの歩く速度に希美が追いついていない、
希美がみぞれのブレーキみたいになっているという話なので、
ここは互いの歩き方でそれを見せられていたのかなという気がしたかな。
先に歩いていた希美が音楽室の扉を開けるところではみぞれがカギを開けている。
途中まで希美がカギを持っていたのでは、と思っていたし、
でも原作的に考えると音楽室をあけるのはみぞれだよな、
みたいにいろいろ考えちゃうシーンだったな。
ここでどちらがカギを持っていて、
どういうやり取りがあってみぞれが音楽室を開けたのか、
というのは作品を通して語られるミッシングリンクみたいに今思えば感じられる。
最初はほとんどセリフがなく、みぞれと希美しかいないので、
タイトルが出て、お馴染みのキャラが出てきてちょっとホッとさせられる場面も。
我らが黄前久美子きた!みたいな。まあセリフ一言二言しか無いっぽいですが。
リズと青い鳥の曲についてのあれこれや、
後輩たちとのやり取りなど、みぞれの行動を追っていくのが楽しい作品でした。
後輩からも慕われてる感じが新鮮だったなと。
ただ、TV版2期を終えた後だと、コンクールなんて来なければいい、
みたいに言うみぞれにちょっと傷つけられた気がしたな。
これは久美子視点で作品を見すぎているからかもしれない。
久美子の絡みがあまりないのがこの作品に対する不満の1つなので。
まあそれはどうでもいい話ですが。
今回も青春ものにありがちな進路志望調査から話が動いて行って、
あー、やっぱ進路からは抜け出せないのかーみたいなのはちょっと思った。
桑島法子の先生役が希美に対して孤独になったみぞれに接触するの、
中の人的ネタを遠回しにやっているのだろうか、みたいな。
音大を進められるみぞれに、自分も音大に行こうかなという希美、
じゃあ自分もというみぞれと、相変わらずなやり取りに見える中に、
希美側の視点を混ぜてくるところで話が動き出す感じに。
その直後のシーンでみぞれがピアノを弾いているシーンになって、
また不穏な空気になるようなところで鍵盤が出てきている、
と個人的にTVシリーズから気にしてたところがまた出てきて驚いた。
今考えれば中学帰宅部だったみぞれですが、
昔からピアノなど音楽に触れる機会があったことを伺わせる、
音楽的な才能を強調するシーンになっていたのかなと。
希美は恐らくフルートしかできないんだろう、みたいなね。
才能に負ける、と言えば1期でトランペットソロ対決になったときに、
久美子とあすかがやり取りしていた部屋?で、
希美と夏紀と優子でみぞれについて触れてるあたりは、
意図的に気にさせるように場所を決めていたのかな。
オーボエ&フルートペアに対して、後輩のユーフォ&トランペット、
久美子麗奈ペアが自分のパートでもないのに2人でそのパートをやっちゃうの、
先輩たちに対してなかなか挑戦的な感じで、
隙あらば自分たちがソロを成り代わってやるぐらいの雰囲気を感じて、
1期のスピリット無くなってないなとそこが個人的に凄く嬉しかった。
みぞれのオーボエを気にかけてくれたのも麗奈だったし。
和やかな雰囲気でしたが、TV1期を彷彿とさせられる。
その精神はやっぱ山田さんが持っていてくれたのかな。
色々拡大して含みを持って受け取ってしまいそうになりますが、
とりあえず個人的にはグッとくるなと。
流石我らが久美子、セリフなくても存在感あるぜ、みたいな。
みぞれがリードを作ってるあたりなんかは赤い糸の描写かな。
プールとか祭とか、色々イベントはあるんですが学校内だけでほぼ完結されているので、
だからこそ冒頭の登校シーンや下校シーンが光る感じだったかな。
そういえば登校シーンで階段を使った上下のやり取りを見ると、
やっぱ『けいおん!』の監督だった人だなぁと思わされる。
楽器の光の反射で遊んだり、教室でクシャクシャになっておかれたファイルだったり、
無邪気さや日常の中の風景を掬い取るのもけいおんを彷彿とさせられるな、と。
通し練習での最後の第三楽章の演奏がやはり印象的で。
昨年まではいなかったハープが加わっているのはそれまでの描写で分かりますが、
ここの演奏シーンにもかかってくるのだなとか、
みぞれの演奏に圧倒されてしまう希美だとか、
2人の立ち位置がはっきりしてしまうのを含め、印象的だなと。
TUでカメラが音楽室を突き抜けていくのも、
狭い範囲でスケール感はあまりないですが、飛び立つイメージとしてはいいかなと。
非常に静かな、感情の機微を描いた作品だったので、
大きな盛り上がりを期待しているとまた違った印象かもしれません。
BGMもみぞれたちの寄り添う感じで冒頭から印象的だったな。
希美の足音も気にする、
そんな僅かな音を見逃さないとするみぞれを見た後に聞く希美の歩くシーンとか、
みぞれが取りこぼさないないようにしている音、
っていうのをこちらも気にしてしまう感じ。
またそれが作品を取りこぼさないようにする自分のように思われたかな。
これはどうでもいい話。
影の作り方や映り込み、冒頭の長い登校シーンと合わせてハルヒを消失を思い出すとか、
同ポの使い方とか、みぞれと後輩ちゃんの話とか、それぞれのキャラの話とか撮影処理とか、
ほか色々あった気がしますがとりあえずこんな感じで。
山田監督作というだけでなく、
京アニ作品としても非常に新鮮な作品だったのが個人的にGOODでしたね。
なんかもうすでにだいぶ忘れてしまったので、また何度か見に行きたいです。
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