流星、夜を切り裂いて ~FLY HIGH~ ver.2

米たにヨシトモファン 京アニに興味あり アニメ語りメイン

ヴァイオレット・エヴァーガーデン 7話 を語る

2018-02-22 21:07:47 | <ヴァイオレット・エヴァーガーデン>


そういえばこの世界普通に写真ありましたね。
5話の感想の時写真無いのでは、という語り口で書きましたが、
よく考えたら1話でも出てきてましたし。失礼しました。





私はこの罪を背負って生きるしかない。この先一生。
物語の書き手への興味の引かせ方、
前回の本に書かれた一説を暗唱していた姿、
そしてこの後のヴァイオレットのことなど、色々な示唆に富んだ本だな、と。

前回で自らが虚構になるかもしれない可能性に触れつつ、
今度は完全なる虚構に触れる回ということで、
しりとり的に前回の話数に関連したガジェットを踏まえてきていて、
ヴァイオレットの歩みを少しづつ重ねてきてきているのが面白いですね。
話の積み重ね、というのが目に見えてわかる楽しさというか。

しかし舞台みたいなあからさまな暗喩を京アニで見るのは新鮮な感じだな。
キャラクターを実直に描こうとするイメージが強いせいかもしれない。
まあ脚本に寄与する部分なのでこれをもってどうこうっていうのは特にないかな。
過去の山村回を振り返るとユーフォ2とか結構あからさまなことやってらっしゃいますし。







そういえば望遠で坂を上がってくるような絵や風景をPANで見せるイメージなど、
ユーフォの合宿回を思い出すような感じだったのを踏まえ、
消去法で考えて山村さんかと思ったら当たりで驚いた。
木々というか落ち葉を含め自然を美しく見せて下さる方なのかなと思ったり。
響け!ユーフォニアム2 第三回 を語る



お辞儀。
スカートを広げるところを隠すような感じで見せてるけど、
どちらかというと椅子を強調したい意図もあるのかなという気がしてくる。
お辞儀の見せ方も色々あるようでそういうところも気になるかな。
椅子というのもユーフォを踏まえると山村回だと割と印象的な部分かもな、と。
まあその辺はどうでもいい話かな。



突然のモノローグで急に作家先生の話に持っていかれている感。
ヴァイオレットと対面したところで驚きの表情、
次のカットでポン寄りの絵で再び驚きの表情をリフレインさせて見せる、
所謂ダブルアクションがサラッと出てきて目を引かされて、
という助走はありましたが、急に切り替わった感があるかな、と。
先生の家に着いたときに見せる湖の風景と椅子のイメージなど、
キャラクターに寄る部分もありましたね。



困ったお方ですね。
ヴァイオレットがお客にズケズケものを言うのは今に始まったことじゃないですが、
婉曲的な表現で相手を評するのは新鮮に映ったかな。
書斎の場所をピン送りで見せることは可能なはずなのにそれをしないので、
妙に印象に残る感じかなと。
作家ではあるが書斎はあまり重要なポイントではない、と言われているようで。
テラスでも書くと言ってるのが後の絵の伏線的なところですかね。



その手は?戦争で失いました。
このやり取りも新鮮かな。
ヴァイオレットの手にギョッとする場面はあっても、
立ち入るというか踏み込む人は少ない感じだったので。
そういった立ち入ったことを聞けるような人物像っていう描き方。
悲しい過去の存在や作家性、
現在の堕落した姿からなど、複合的な面で見れるやり取りかなという印象。



タイムラプス。
時間の一定の送り描きというのが作品のイメージにどう関わるのか、
その辺が気になってくるところですかね。



瓶の手いじり。
3話のルクリアの兄もですが、酒飲みの芝居のアイディアは新鮮に映るかな。
ヴァイオレットをメイドのように扱うのは前回の話を踏まえているようで、
ここも話の積み重ねの面白さ、というのを意識させられてくる場面。
そういえばヴァイオレットが幼いことに触れているのも新鮮ですね。
この世界的にヴァイオレットがどのように見られているのかは結構気がかりな部分かも。

しかし料理に失敗するヴァイオレットってちょっとイメージと違うかもしれない。
軍にいたところとか食事どうしていたんでしょうね。
野性的な部分を考えても、卵って何、というところから入られると、
どうなんだ、みたいな感じになってくるというか。
まあ事実は小説より奇なりなので、卵に出会わない人生は普通かもしれないですが。



誰もいない席を見つめる先生にそれを見つめるヴァイオレットと、
ここも示唆的なシーン。
ヴァイオレットと誰かを結びつける先生の姿から、
過去にあったとことを連想させられる感じ。



一瞬入る夜の風景。
食事後の間のカット、時間を飛ばすカットですが、
この風景をヴァイオレットは見ているのだろうか、と思わさせられる部分はあるかな、と。
夜空を、風景を見る連続性がある今作ならではの楽しみ方かもしれない。





隠しました。



何をなさっているんですか?からのやり取り。
ヴァイオレットのアップはやや怖い感じもありますが、
その後に部屋着に着替えているところで夜更けだというのがわかるのと、
服装も相成ってまた新鮮に映るシーンだったかな。
連続で棚を開けていくのも面白いですね。
またヴァイオレットがやっていることがまたメイドっぽい感じで、
こういったお節介な部分が、
あのぶっきらぼうなヴァイオレットと連続しているのが面白いかなと。





先生の話に共感するヴァイオレット。
前回寂しいという感情を知ったわけですが、
ここで共感を知るというがまた引っかかるところ。
前回が相手の気持ちを察しているんじゃないか、
という雰囲気を醸し出していたので、
共感などを知らなくとも、そういうことは可能なのだろうかと思えたので、
自分の読み違えを考えてしまう場面でもあったかな。



水に浮かぶ落ち葉が美しいですね。
美術とか3Dでやってるんですかね。







ここの一連はオフセリフで挟んでカットを飛躍させている部分が多くて気になりますね。
過去を思い出して影を落とす、そんな姿を担保に立ち去るイメージを描いていて、
鮮やかな美術、傘からの鮮やかな退出の演出だったかな、と。
その綺麗な傘があの汚い家のどこにあったのか、いつの間に見つけたのか、
という飛躍もある。
目には目を、飛躍には飛躍を、という畳みかける印象が強いかな。
今まで娘の面影を追っていたらこそ、その飛躍が許されるという部分でもあるか。

そういえば指輪を強調してみせていたのは、
妻と勘違いさせるミスリード的な意味もあったんですかね。

ちょっとした戯言ですが、
こうやって今作の書いてること自体が代筆的な部分のように思えて、
感想を書くことによってヴァイオレットを知る、ということをやらされている感あるかもな、とか。
アニメという虚構で触れられていることを私たちは理解できているのか、みたいなね。
そういう試されてる感じっていうのもあるけど、
アニメも人の心も一定のルールというか、読み取れるものはあるわけで、とか。
そういうことをちょっと意識しちゃう感あるかな。
どうでもいい話でした。



オリビア。
傘をさして笑顔でいる少女像が可愛くて良かったな。
歯の抜けた感じも成長期という感じで、風景と傘と相成って清涼感もある。
無くなった原因はやっぱ白血病とかその辺なんだろうか。
やせ細っていく感じとかなかなか辛い描写をしっかりやっていて、
そういう部分が意外だった。





こんなにも寂しく、こんなにも辛いことなのですね。
物語への共感を知ったヴァイオレットが、
作家先生の過去に涙するというのがなかなかの急展開っぽく映るかな。
寂しさを知ったからこそのシーンだったのかな、とも。





湖で対面してる2羽の鳥。
そこからの先生とヴァイオレット。
室内でのやり取りから立ち位置が逆になっていますが、
FIXの停滞からPANすることで物語へ意気込む躍動感がある感。
また対面しあってますが、お互いが何と向き合っているのか、
っていうのを示唆しているのが湖の鳥なのかなという感。



鳥でしたら飛んで帰れますが。
ここのヴァイオレットと湖と鳥っていうのが綺麗なカットでしたね。
アイディアの飛躍を得る絵という点でも印象的かな。
後半の湖は美しく、それだけで満足できる部分がありました。





どんどん飛躍していく回という感じでしたが、
ヴァイオレットが落ち葉の上を歩くという、
本当に色んな意味で飛躍した絵っていうのを入れてくるところにグッときたな。
ヴァイオレットが指示通り帰還する方向から飛んでくるのも示唆的。
対面する鳥とは誰と誰か。





落ち葉が舞い散る絵、
娘が成長していたら、物語のように父の元へ飛んで帰ってきたなら、
どんどん絵に飛躍した内容が盛り込まれて行って、
一種の幻想にまで至っていて、父の心が救うため、
ハッピーエンドのためにはこれだけの飛躍が必要だという語り口のようで、
そういう点が新鮮だったな。





舞い散る水と湖の水は若干イメージが違って映る。
青い幻想と透明感のある現実という対比なんだろうか。
世界の美しさだけで、果たしてこの世界を肯定できるのか。
ありのままの姿だけでそれができるのか、という語り口のようにも思える。



いつか、きっと。



火傷。
誰かのいつかきっと。
愛する人がいたのではないか。

いつかの言葉が繋がってくるケレン味。
誰かを失った、死の悲しみを知ったからこその火傷。
ここで冒頭の劇のセリフが繋がってくるのが面白いですね。
先生はヴァイオレットに死の苦しみを、
殺すということの罪深さを伝えていて結構奥深いキャラになったという感。
そして愛する人を理解した風なヴァイオレットというので、
やはり知ってしまったのかな、という感じになる。



少佐の死を知る。
そんなヴァイオレットの空虚さを象徴するような空。



相手を拒否する仕草。
受け入れることを否定する、
という反応の絵が新鮮に映るかな。



奇跡を起こした走りは悲しみの走りへ。
果たしてヴァイオレットの心が救われるにはどれだけの飛躍が必要なのか。
そこが焦点になるというのを示唆する話数でもあったように思える。
割と早く少佐の話へときた感じがあるので、
今後どう話が転がるのか、楽しみです。

脚本:吉田玲子
絵コンテ・演出:山村卓也
作画監督:門脇未来 植野千世子 角田有希



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