流星、夜を切り裂いて ~FLY HIGH~ ver.2

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ヴァイオレット・エヴァーガーデン 12話 を語る

2018-04-03 21:37:35 | <ヴァイオレット・エヴァーガーデン>


和平と戦争と。
今回はヴァイオレットの手紙というのがあまり関わらずやや毛色の違う話でしたね。

ディスタリーにインテンスにetc、
この世界の地図や地名が結構出てきますが、
文字が読めないのと音や風景での説明がわかりづらく、
ヴァイオレットとカトレアたちが同じところに移動しようとしていることや、
敵軍の准将とヴァイオレットが意味深にインテンスの名を発することなど、
そういう話の繋ぎに気づくのが難しい感じがしたなと。
敵の回想でインテンスで燃える旗を引用したりとか色々してるみたいですが、
前回の収容所からの脱出兵云々とか、
話が繋がってるようなんだけどその首謀者との因縁はその地名と戦争の繋がりだけで、
ヴァイオレットととの直接的な因縁、
例えば少佐の死に関わったものだとかそういう相手ですらなく、
敵軍の将であったというだけで、シリーズを通して戦争との因縁に触れてきているにしては、
話を興味を向けるのを難しく感じる話数だったかな。



ヴァイオレットはどの時点で前話の場所に降りて、再出発したんだろう。
その辺の時系列やずっと飛行機飛んでるの?燃料大丈夫なの?とか、
そもそもそんな遠くまで付き合っていいのかなこのパイロットとか、
空の旅がどのようなものか触れられないのがやや不満。





インテンスで燃える旗の回想と暖炉と准将。
炎、やけどという点でヴァイオレットの罪、戦争の罪を彷彿とさせられますが、
未だにその渦中にいる存在という描き方なんですかね。



タイムラプス。
今回はややCGっぽさが増した感。
水の雰囲気のせいですかね。



大鉄橋。
橋っていうのが繋がりを意味する絵としても戦いにしても重要なものなので、
力入った絵という風に見えたかな。やっぱ橋って大事よね。
鉄道で繋がれることから和平の話へ、
そして手紙を届けることへと語るシーンも印象的で、
手紙を書くだけでなく届けることっていうのも重要なポイントですかね。
今までは王女の手紙以外は大体ヴァイオレットが直接届けていたり、
届ける相手のことを事前に知っている状況だったりして、
手紙を届けることにどんな意義があるのかを配達業務で描いたりしていたので、
より手紙を届けやすくなることの意義をヴァイオレットが受け取っているのが印象的かな。







外を走るヴァイオレットからカトレアの足元へ、
そして走った方向とは逆位置のヴァイオレットと繋がるシーン。
コンテが複数人なのでこの辺が分かれ目だったのかなとか云々。
カトレアのオフセリフでカトレア側という情報はあるにはありますが、
直前に左に向かっていたのはヴァイオレットだったので、
こちらで画面の流れから意図を予測しながら見ているとやや違和感を持つシーンだったかな。

個人的にヴァイオレットが会社の仕事を任務と言っているのがやや気になったかな。
まだ兵士時代の癖が抜けないのか、大佐の前だからそう言っているのか。
業務ではいけないのかな、とか。
そういう兵士であったころを彷彿とさせられるからこそ、
大佐もヴァイオレットを相変わらずのモノとして捉えるわけで、
ちょっと気になったな。



少佐のエメラルド。
ヴァイオレット自身が大佐に命令を、と口走ってしまうのも危うく。
既に軍人ではないのだから、というので大佐もヴァイオレットを外してるし、
カトレアたちだって関係ないヴァイオレットを遠ざけようとしてる。
しかし誰も死なせたくないヴァイオレットは戦いに身を投じるために命令を貰おうとする。
既にその身は自由なはずなのに、
っていうのが今回の齟齬のポイントなのかな。
手紙を書き続けたヴァイオレットの至った極地が再び戦場に立ち、
また相手をも生かすことであった、と。





大佐のオフセリフから同じ結論に至っているヴァイオレットへ。
こういうオフセリフの使い方、地図の見せ方も今回のポイントですかね。
ヴァイオレットの兵士としての思考を描いているのが今回の見どころでもあるのかな。
ただ言われた通り戦うだけの存在ではなく、きちんと思考しているという。
異常があったときに咄嗟に部屋の電気を消したりとか。



もう誰も殺したくありません。
このカット、やや目を引く処理かなぁ、と。

戦う瞬間にキラリとハイライトが回るのがやや引っかかる。
それはどういう反応なんだろうな的な。
やはり生きろ、なんですかね。



最後になるかもしれない瞬間に見るエメラルド。
そこには何の動きもなくそこにあるだけ。
少佐の瞳へとオーバーラップで見せて、
それが残された左目であることをここまで強く意識させる絵は初めてだったかな。



大佐に助けられる。
不殺なんぞできる力量ではないこと、
弟の死をヴァイオレットのせいだという見立てから、
大佐のヴァイオレットの怒りの本質を見せられているようでもあったかな。
敵からも味方からも恨まれている、
というヴァイオレットの火傷の具合、
そして不殺という覚悟と、
少佐からの命令は生きろだった、という引っ掛かりポイントも含めて気になる感じ。
少佐の命令に従っているという風なのが、
ヴァイオレット自身への呪いのように不殺を抱いてるような印象がするなと。
大佐が不殺を咎めることと、ヴァイオレットの生きろという命令を受けたことの返しは、
イコールとは言い難いところですし。

ヴァイオレットがエメラレルドを失くしたことで、
再び少佐の死に触れられてるのもポイントで。
エメラレルドを失くしたことで、
大事なものを守れていないことを大佐が咎めている風でもあるような、と。
准将に捕られたエメラレルド、どうなったんでしょうね。


脚本:鈴木貴昭
絵コンテ:河浪栄作 山村卓也 藤田春香
演出:澤真平 山村卓也
作画監督:植野千世子 池田和美 門脇未来 池田晶子 丸木宣明

鈴木脚本で世界観をえがく感じ、
っていうのは前回の登板回に引き続きという感じがしますが、
演出陣作画陣を見ると映画もあってスケジュール的に佳境という感じだったんですかね。
次を見るのが楽しみなような怖いような。
最後まで楽しんで見たいところです。


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