2010年12月3日
声明
障害者自立支援法「改正」法案の参議院可決・成立に断固抗議する
今こそ進めよう!障害者制度改革自立支援法の廃止と新法づくりを確かなものに10.29全国大フォーラム実行委員会 事務局長 太田修平
本日、12月3日(金)、「障がい者制度改革推進本部等における検討を踏まえて障害保健福祉施策を見直すまでの間において障害者等の地域生活を支援するための関係法律の整備に関する法律案」、いわゆる障害者自立支援法「改正」法案が、午前の参議院厚生労働委員会でわずかの審議で採決され、本会議で可決・成立した。
国際障害者デーの今日、本法の成立は歴史の大きな汚点であり、国会の暴挙に断固抗議する。私たちは断じて許すことはできない。
昨年、長妻前厚労大臣は「重い負担と苦しみと尊厳を傷つける障害者自立支援法を廃止し、新法を、みなさん一人一人の意見を聞いて、みんなで一緒によりよい制度を作っていきたい」と1万人の障害者の前で約束した。
私たちは、厚労大臣が約束したように、また、本年1月7日、国と障害者自立支援法違憲訴訟団が締結した基本合意にもとづき、自立支援法がすみやかに廃止され、当事者の声が十分反映された新法が実現することを切望している。
同時に、制度改革推進会議が提出した「4つの緊急課題」は、新法を待たずに、予算措置の中で具体化すべきである。
しかし、本「改正」法は、「新法へのつなぎ」どころか、自立支援法の「延命」「復活」に道を開くものと言わなければならない。応益負担の「応能」化ではなく、現行の負担を温存し、「1割負担」を条文化する。また、推進会議が提出した「4つの緊急課題」は全く考慮されていない。制度の谷間の問題は先送りされ、より一層重要となるべき相談支援やコミュニケーション支援は、新法移行のバックアップどころか大きな妨げとなるものである。
この法律は、地域であたり前に生きたい、人間として誇りをもって生きたいすべての障害者の思いに反するものである。
また、本法は、国民年金法改正法案などを継続審議とすることを条件に、国会最終日の午前、委員会での異例の採決となり、“駆け込み”での本会議可決となった。「良識の府」と言われる参議院で、障害のある人びとの生命と生活にかかわる法案が「政争の具」とされたことは、参議院の権威を汚す歴史的な汚点である。
10月29日、1万人が結集した全国大フォーラムでアピールしたように、問題だらけの介護保険統合への道を絶対に許してはならない。障害があっても、すべての人びとが社会の中で人間としての誇りを持ちながら豊かに暮らしていけるよう、私たちの願う新法を必ず実現するとともに、障害者権利条約のめざすインクルーシブ社会を一日でも早く実現するために、私たちは連帯の輪をさらに大きくし、あきらめない運動により一層とりくむ決意である。
声明
障害者自立支援法「改正」法案の参議院可決・成立に断固抗議する
今こそ進めよう!障害者制度改革自立支援法の廃止と新法づくりを確かなものに10.29全国大フォーラム実行委員会 事務局長 太田修平
本日、12月3日(金)、「障がい者制度改革推進本部等における検討を踏まえて障害保健福祉施策を見直すまでの間において障害者等の地域生活を支援するための関係法律の整備に関する法律案」、いわゆる障害者自立支援法「改正」法案が、午前の参議院厚生労働委員会でわずかの審議で採決され、本会議で可決・成立した。
国際障害者デーの今日、本法の成立は歴史の大きな汚点であり、国会の暴挙に断固抗議する。私たちは断じて許すことはできない。
昨年、長妻前厚労大臣は「重い負担と苦しみと尊厳を傷つける障害者自立支援法を廃止し、新法を、みなさん一人一人の意見を聞いて、みんなで一緒によりよい制度を作っていきたい」と1万人の障害者の前で約束した。
私たちは、厚労大臣が約束したように、また、本年1月7日、国と障害者自立支援法違憲訴訟団が締結した基本合意にもとづき、自立支援法がすみやかに廃止され、当事者の声が十分反映された新法が実現することを切望している。
同時に、制度改革推進会議が提出した「4つの緊急課題」は、新法を待たずに、予算措置の中で具体化すべきである。
しかし、本「改正」法は、「新法へのつなぎ」どころか、自立支援法の「延命」「復活」に道を開くものと言わなければならない。応益負担の「応能」化ではなく、現行の負担を温存し、「1割負担」を条文化する。また、推進会議が提出した「4つの緊急課題」は全く考慮されていない。制度の谷間の問題は先送りされ、より一層重要となるべき相談支援やコミュニケーション支援は、新法移行のバックアップどころか大きな妨げとなるものである。
この法律は、地域であたり前に生きたい、人間として誇りをもって生きたいすべての障害者の思いに反するものである。
また、本法は、国民年金法改正法案などを継続審議とすることを条件に、国会最終日の午前、委員会での異例の採決となり、“駆け込み”での本会議可決となった。「良識の府」と言われる参議院で、障害のある人びとの生命と生活にかかわる法案が「政争の具」とされたことは、参議院の権威を汚す歴史的な汚点である。
10月29日、1万人が結集した全国大フォーラムでアピールしたように、問題だらけの介護保険統合への道を絶対に許してはならない。障害があっても、すべての人びとが社会の中で人間としての誇りを持ちながら豊かに暮らしていけるよう、私たちの願う新法を必ず実現するとともに、障害者権利条約のめざすインクルーシブ社会を一日でも早く実現するために、私たちは連帯の輪をさらに大きくし、あきらめない運動により一層とりくむ決意である。