難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

推進会議の二次意見【情報アクセス】

2010年12月06日 19時31分11秒 | 障がい者制度改革

本日の推進会議で、障害者基本法に対する推進会議の第二次意見(素案)が出された。

障害者放送協議会で意見書を提出したところだが、事務局からその抜粋が示された。

全文は内閣府WEBで確認して欲しい。

http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/kaikaku/s_kaigi/k_27/index.html

第二次意見素案
http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/kaikaku/s_kaigi/k_27/pdf/s1.pdf

気が付いた点は、
情報アクセスが保障されていない実態をもう少し文章化して入れても良いのではないか。
ユニバーサルデザインの項の説明があれだけあるなら、昨年の鳥インフルエンザで警戒度がフェーズ4になったときもチリ大地震の大津波警報の時も厚生労働大臣や官房長官が全国民に警戒を呼びかける際にすら、テレビ画面には字幕も手話もなかったのだ。

国と地方公共団体の責務はもちろんだが放送通信事業者の責務をもっと明確にすべきだ。
災害時の安否確認システムが障害者にも使えるのか、NHKは定時ニュース以外の臨時ニュースに字幕を付けるのか、画面にキャスターの横に手話通訳者を登場させるのか。
電話のアクセシビリティは世界でも遅れている。通信キャリアの責任を明確にすべきだ。

他にもまだありそうだ。

ラビット 記
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障がい者制度改革推進会議 第27回(H22.12.6) 資料1

第二次意見(素案)
目次

はじめに

I 障害者基本法の改正について
1 障害者基本法改正の趣旨・目的
2 総則関係
1)目的
2)定義
3)基本理念
4)差別の禁止
5)障害のある女性
6)国及び地方公共団体の責務
7)国民の理解・責務
8)国際的協調
9)障害者週間
10)施策の基本方針
11)その他
3 基本的施策関係
1)地域生活支援
2)労働及び雇用
3)教育
4)健康、医療
5)障害原因の予防
6)精神障害者に係る地域移行の促進と医療における適正手続きの確保
7)障害児支援
8)相談等
9)住宅
10)ユニバーサルデザイン
11)公共的施設のバリアフリー化
12)情報アクセス・コミュニケーション保障
13)文化・スポーツ
14)所得保障
15)政治参加
16)司法手続
17)国際協力
4 推進体制
1)組織
2)所掌事務
II 「障害」の表記

<本文>(関連箇所のみ)
途中略

2.総則関係
1)目的
(推進会議の認識)
【基本的人権の享有主体性の確認】
障害者を保護の客体であるとする見方から、すべての基本的人権の享有主体であるとの見方へ、考え方の根本を転換することが障害者権利条約の理念であり、今後の障害者施策の基本となるべきである。したがって、かかる観点から、障害者権利条約を締結することを目指して、障害者基本法の目的の見直しが行われるべきである。



3)基本理念
(推進会議の認識)
【基本的人権の享有主体】
法の目的でも述べたように、すべて障害者は、基本的人権の享有主体であり、障害者権利条約の理念である、「障害者を保護の客体から権利の主体へ」という考え方の転換を基本理念にも反映すべきである。



【言語・コミュニケーションの保障】
日常生活及び社会生活において、多くの障害者が必要な言語又はコミュニケーション手段を使用することに多くの困難を抱えているが、その問題の深刻さが省みられることは少なかった。それ故に、改めて、コミュニケーションに困難を抱える障害者が障害のない者と等しく人権が保障されるよう、手話等が言語であることを確認するとともに、必要な言語又はコミュニケーション手段の使用が保障されるべきである。
コミュニケーションを保障するための必要な手段には、手話、点字、要約筆記、指点字、触手話、文字表示、わかりやすい言葉、拡大文字、音声、朗読、触角による意思伝達、その他の補助的代替的手段、それら使用する通訳者や説明者等の人的支援、さらには容易に使用できるマルチメディア、トーキングエイド等の機器も含む。

以上を踏まえ、基本法には次の観点を盛り込むべきである。

・現行法の規定に加えて、障害者が基本的人権の享有主体であることを確認すること。

・地域社会で生活する権利を確認するとともに、その実現に向けた施策の具体化のための措置を取ること。

・障害者が必要とする支援を受けながら、自己決定を行えることが保障されること。

・手話等の言語性を確認するとともに、必要な言語及びコミュニケーション手段の利用が保障されること。



3.基本的施策関係

3)教育
(推進会議の認識)
【学校教育における多様なコミュニケーション手段の保障】
手話・点字・要約筆記等による教育、発達障害、知的障害等の子どもの特性に応じた教育を実現するため、ろう者を含む手話に通じた教員や視覚障害者を含む点字に通じた教員、手話通訳者、要約筆記者等の確保や、教員の専門性向上に必要な措置を講ずるべきである。
さらに、教育現場において、あらゆる障害の特性に応じたコミュニケーション手段を確保するため、教育方法の工夫・改善等必要な措置を講ずるべきである。



10)ユニバーサルデザイン
(推進会議の問題認識)
私たちの日常生活や社会生活は、障害者には利用できない商品やサービス、様々な社会環境に囲まれていると言っても過言ではない。
例えば、視覚障害のある人が、買い物やレストランに行くために、お金を引き出そうとしても、銀行のATMのタッチパネルを使えないし、駅の券売機も同じように使えない。ドラッグストアで風邪薬を買っても効能書きは点訳化されておらず、同時に買った胃薬も似たような容器であれば、風邪薬との違いも分からない。レストランに入ってもメニューはいちいち店員に全部読んでもらわなければ、中身が分からない。図書館で調べ物をしようとしても、点訳されている本は、ほんのわずかしかない。また、多機能トイレは誰にとっても使いやすいものになっている反面、その分利用者が増え、本当に必要な人が必要
な時に使えなくなっているのではないかという指摘もある。
このように、障害者は日常生活において様々な不自由を感じていることから、障害者があらゆる分野において社会から分け隔てられることなく、日常生活や社会生活を営むことができるように、ユニバーサルデザインの普及が不可欠である。
そして、調整又は特別な設計を必要とすることなく、最大限可能な範囲ですべての人が使用することのできるというユニバーサルデザインの考え方が、単に製品だけでなく、広く、環境、計画及びサービスの設計などについても、同じくなされなければならない。
そのためには、ユニバーサルデザインに基づく製品、環境、計画及びサービスの設計がなされるための、研究開発における具体的な指針やガイドラインの策定、財政的支援、計画的普及のための措置を含む体制の整備を図ることが必要である。
さらに、ユニバーサルデザインの普及とともに、障害者の補装具など、そもそも特定のニーズに応じることが求められるものや、障害者の日常生活や社会生活にとって障壁となるものを除去するためのバリアフリーのための措置も、同時に講じられなければならない。

以上を踏まえ、基本法には次の観点を盛り込むべきである。

・製品、環境、計画及びサービスの設計などに当たっては、可能な限りすべての人が利用できるようにするというユニバーサルデザインの理念が、施策に反映されるようにすること。

・その際には、可能な限り障害当事者が参画し、その意見を踏まえたものとすること。



12)情報アクセス・コミュニケーション保障
(推進会議の認識)
基本理念で述べたように、日常生活及び社会生活において、多くの障害者が必要な言語又はコミュニケーション手段を使用することに困難を抱えているが、その問題の深刻さが省みられることは少なかった。それ故に、コミュニケーションに困難を抱える障害者が障害のない者と等しく人権が保障されるために必要な措置が取られなければならない。

【必要とする言語及び多様なコミュニケーション手段の利用】
国及び地方公共団体は、すべての障害者に情報へのアクセスとコミュニケーションを権利として保障するため、障害者が必要とする言語及びコミュニケーション手段の利用を可能にする支援の確保やそれにかかわる人材の養成等、必要な措置を講ずるべきである。

【災害時及び緊急時の情報と必要な支援の提供】
国及び地方公共団体は、自然災害・人為による災害などの災害時や、交通事故等の緊急時には、通常の生活に重大な支障が生じる、又は生命に危険が及ぶあらゆる現象に関する情報と、これらの支障や影響を回避するための情報を障害者に提供しなければならない(発生場所、規模、内容、今後の動向、避難ルート、避難場所、避難先で得られる情報保障の内容(手話通訳者の有無等)、医療や配給等の情報、交通情報など)。
また、こうした情報を一方的に伝えるだけではなく、災害時及び緊急時に障害者と連絡を取り、必要な支援を把握、提供しなければならない。

【情報提供における障害者の参加】
電気通信及び放送その他の情報提供に係る役務の提供並びにコンピューターなどの情報通信機器の製造等を行う事業者は、役務の提供並びに機器の製造等のプロセスにおいて障害者の意見を聴取する機会を設け、もって利用者の利益の便宜を図るべきである。

以上を踏まえ、基本法には次の観点を盛り込むべきである。

・国及び地方公共団体は、情報へのアクセスとコミュニケーションを保障するため、障害者が必要とする言語及びコミュニケーション手段を利用できるよう必要な措置を講ずるべきである。

・国及び地方公共団体は、災害時において、障害の特性に対応した伝達手段により救急連絡等の必要な支援を障害者に提供できるよう必要な施策を講ずること。

・国及び地方公共団体は、事業者が障害者に障害のない人と同等の情報を提供できるよう、必要な施策を講ずること。

13)文化・スポーツ
(推進会議の認識)
自由にスポーツ・文化に参加し、これに貢献し、又は楽しむこと、そして、レクリエーション・余暇等を楽しむことは、障害の有無にかかわらず、すべての人の権利である。しかしながら、障害者はその機会へのアクセスを欠き、排除されることもある。また、文化やスポーツは贅沢なものであり、障害者の享受には制限があっても仕方がない、というような社会的通念もあるが、これらは変えていかなければならない。
現行の基本法には「障害者の文化的意欲を満たし、若しくは障害者の文化的意欲を起こさせ」とあるが、障害者は文化的意欲が乏しいという想定で支援しなければならないとも受け取られかねない表現になっている。むしろ、障害者が文化・スポーツ等に参加、貢献する主体であることを前提とした表現に改めるべきである。

【スポーツについて】


【文化等について】
障害者が文化、余暇、レクリエーション等を享受しようとする場合に、物理的バリアのため施設やその機会を利用できない、映画の字幕など情報保障の欠如のために文化作品等を鑑賞できない、文化施設等までの交通アクセスが整備されていない等の実態があるため、障害のある人が障害のない人と同様に文化、余暇、レクリエーション等を享受できるようにする必要がある。また、障害者が芸術・文化活動等創造的な分野で活動ができるような支援や環境整備も必要である。
このような観点から、以下を実施すべきである。

・美術館や博物館における字幕や音声解説の普及、鑑賞しやすい展示方法の改善や劇場での補聴援助システム等の整備などとともに、国内の文化的に重要な記念物及び遺跡、歴史的建造物への障害者のアクセスについて、どのような不都合が生じているかについての実態を把握し、可能な限り障害者の利用へ配慮を行うなど、鑑賞しやすい環境整備が行われるように必要な支援を行う。【文部科学省・関係省庁】

・第一次意見における情報バリアフリーの一環として、映画、DVDへの字幕付与等について、障害のある人に対する情報保障が行われるように必要な環境整備を図る。



以上を踏まえ、基本法には次の観点を盛り込むべきである。

・障害者は、文化、スポーツ、レクリエーション、余暇に参加し、これに貢献し、これらを楽しむ権利があることを確認すること。

・障害者は文化的意欲が乏しいので意欲を喚起させなければならないとの誤解を招きかねない現行の「障害者に文化的意欲を起こさせ」という表現は用いないこととし、障害者が文化を創造し、貢献する主体であることを前提とした表現を用いること。

以降略


要約筆記者事業で養成される要約筆記者

2010年12月06日 19時07分56秒 | 要約筆記事業
要約筆記事業とは、障害者自立支援法の地域生活支援事業で実施される要約筆記者派遣事業と要約筆記者養成事業。
手話通訳事業や音訳者事業などと合わせてコミュニケーション支援事業とされる。

要約筆記事業の法的位置づけは、2000年の社会福祉法等の改正時に、社会福祉を目的とする社会福祉法第2種事業となっている。

手話通訳はもちろん、介護福祉士や社会福祉士、精神保健衛生士、保育士などの他の社会福祉事業を担う人々と同じ位置づけとなる。

要約筆記者となる過程で、社会福祉や基本的人権、権利擁護の意味を学ぶのこのためだ。
単に、同じ役割を担うと言うだけでなく、それらの専門職は連携して福祉サービス、医療・保健サービスの提供にあたることになっているからだ。

専門職とボランティアでは連携が出来ない。
対象者の権利擁護のために、専門的な知識・技術を持って自立した生活を送れるように個々に支援すること、専門職としての倫理性を求められるからだ。


専門職と言えば、医師や教師、外国語通訳もそうだ。
テレビ放送のリアルタイム字幕制作者、講義のリアルタイム字幕制作者もその仕事に対する専門性を持っている。
しかし明らかに社会福祉事業とは別の専門性だ。

聴覚障害者の情報保障を担う専門職であっても、個々の対人援助までは責任を負わない。
大学の講義で情報保障を聴覚障害学生である個人に対して行ったとしよう。この場合は講義保障の範囲で、個人に支援している。
しかし、学生の持っているかも知れないメンタルな問題、周囲の学生との人間関係の構築、就活、聴覚障害者の日常生活用具の利用、聴覚補償訓練とか、難聴治療の問題には踏み込まない。

要約筆記者は支援の必要性があるかどうか、どういう支援が考えられるかは理解しているので、そのことを事業体に報告する、必要があれば事業体が自治体や他の社会資源と協議する。

これは、要約するか全文入力するか以前の違いである。
ちなみに要約筆記者は最初の養成課程では一人出かける、一人で入力できるような力を身につけることが最優先して学ぶ。
全難聴の提案した養成カリキュラムには連携入力や二人書きについては含まれていない。これは否定しているのではなく、その後学習することとしている。
最初の養成課程で二人書き、連携入力を始めると一人で書ける力が失われるからだ。


ラビット 記

推進会議への障害者放送協議会の要望書

2010年12月06日 18時38分27秒 | バリアフリー
本日、12月6日、障害者推進会議が開かれた。27回目になる。
ここで、障害者基本法改正への提案を二次意見として提案することになる。
そのための素案が提示された。

これに先立ち、障害者放送協議会は以下の内容で要望書を提出した。


ラビット 記
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
2010年11月30日
障がい者制度改革推進会議 議長 様

障害者放送協議会
代表 笹川 吉彦

障害者基本法における、情報にアクセスする権利の保障について

平素より障害者の権利の推進にご尽力を賜り、心より敬意を表します。
私たちは障害者関係団体により1998年に設立された協議会で、現在は20団体により活動しています。設立以来、放送、通信などの情報アクセスの向上に関する活動に取り組み、行政や国会議員との意見交換、提言、広報のための冊子の作成やセミナー等の開催を行っています。
情報へのアクセスは、現代の社会生活を送るうえで不可欠であり、誰もが保障されるべき権利ですが、実際には障害者は多くの情報が利用できず、時に生命や財産にも関わる大きな困難に直面しています。
現在、障がい者制度改革推進会議では、障害者基本法改正の議論が行われていますが、あらゆる施策の基本となるこの法律に、情報にアクセスする権利の保障が十分に盛り込まれるよう、下記の意見を申し述べます。



I. 「情報バリアフリー」に関する規定について

1.障害者を情報サービスの対象者としてのみ捉えるのではなく、情報にアクセスする権利を明確に規定していただきたい。

障害者権利条約では、第2条にコミュニケーションの定義が述べられたうえで、第21条においては「あらゆる形態の意思疎通(コミュニケーション)であって自ら選択するものにより、表現及び意見の自由についての権利を行使することができること」が規定されている。また推進会議第一次意見においては、「障害者も・・・表現の自由や知る権利の保障の下で、情報サービスを受ける権利を有しており、自ら必要とする言語及びコミュニケーション手段を選択できるようにするとともに、障害者が円滑に情報を利用し、その意思を表示できるようにすることが不可欠である」と述べられている。

特に、情報を得るのみならず、自ら選択する手段等で意思表示・情報発信できることが、コミュニケーションの保障として重要である。
障害者基本法では、これらの権利を明記すべきであり、これに基づく形で、国、地方公共団体、事業者等の責務を規定するべきである。

2.放送へのアクセスを確保するよう明確に規定していただきたい。
また、障害当事者によるモニタリングを規定していただきたい。

放送については、極めて公共性が高いものであり、これにアクセスできることは社会生活上不可欠である。字幕放送、解説放送、手話放送の推進が行われているが、なおアクセスできない番組は数多く、手話放送については現在の技術や規格では普及が困難とされ数値目標による指針も出されていない。

字幕、解説、手話を含む、障害者自らが選択する方法で放送を利用できるためには、放送法にアクセシビリティの規定を明確に設けること、またIP放送においても通常の放送と同様のガイドラインを設けること、また、手話によるアクセスを直ちに保障するため、手話の補完放送を法的に位置づけることなどが必要である。
障害者基本法においては、このような観点から、放送へのアクセスを確保するよう明確に規定すべきである。また放送について、当事者参加によるモニタリングについても規定すべきである。

3.放送と通信の融合を踏まえ、通信へのアクセスを確保するよう明確に規定していただきたい。

放送法改正案では、放送と通信の融合時代に合わせるとして、コンテンツ提供事業者と設備提供事業者に分けて免許を与える仕組みが提案されている。このような背景も踏まえ、通信へのアクセスを確保するよう明確に規定すべきである。
電話(一般電話のほか、携帯電話、スマートフォン、IP電話等も含む)やインターネットを含むさまざまな通信については、コミュニケーションの手段として障害者自らが選択する方法で、追加の負担なく、情報を受信・発信(意思表示)できることが求めらる。
このためには、米国など諸外国の法制度も参考にしながら、情報アクセスを保障する新たな法制度を制定することも含め、当事者参加を基本とした、包括的な施策が必要である。

4.放送・通信の規格策定や機器開発、およびモニタリングへの障害当事者の参加を規定していただきたい。

放送・通信分野においては、その方式に関する規格や機器製造に関する規格が重要な役割を果たしている。しかし、現状においては、これらの規格には、音声対応や手話・字幕の表示など情報アクセスの観点が十分に盛り込まれておらず、また規格の策定に障害当事者がかかわっていないことが多い。
また規格や機器を障害当事者の立場から評価・検証する仕組みも確立されていない。
障害者は、放送・通信における重要な情報発信者および受信者であり、その認識のもとに、これらの規格の策定においては障害当事者を必ず参加させるよう、基本法に規格策定、機器開発、およびそのモニタリングへの当事者の参加を規定すべきである。

II. 著作権と、情報にアクセスする権利について

1.障害ゆえに多くの著作物が利用できない実情を踏まえ、情報にアクセスする権利、文化的生活に参加する権利を明確に規定していただきたい。

著作者の権利は大切であり守らなければならないが、同様に、障害者権利条約第21条、30条にある情報にアクセスする権利、文化的生活に参加する権利が保障されなければならない。

今年1月に施行した改正著作権法は、障害者が著作物を利用するための情報保障の観点から、大きな前進であり評価するものだが、なお課題が残されている。例えば、次のような課題が挙げられる。

・障害の種類について。例えば、ALS、脳性まひ、その他上肢の障害から、ページがめくれず通常の著作物が利用できない人などが、情報保障の対象に含まれるか必ずしも明確でない。現在のような限定列挙による権利制限規定では、著作物の利用上困難があっても、必ず対象から漏れ出る人が出る。

・情報保障のための複製等を行う事業者の指定についても、同様に限定列挙的な規定がなされているため、法改正でその範囲が広がったとはいえ、技術や実績があっても、この指定から漏れ出る人たちがいる。

・情報保障のための複製製作物に対してコピーガードやこれに代わる「表示」を求めるなど、情報保障のための活動になお負担が大きいこと。

・映画等の複製物を貸与する場合に補償金を支払うことについて。障害者の情報保障のために行われる場合は、公的負担とするなど、利用者や情報保障を行う者に負担が及ばないようにすべきである。
など

このほか、インターネットや電子書籍など、新たな技術の普及が進んでいるが、総務省の平成22年度「新ICT利活用サービス創出支援事業」に電子出版DRM/UI仕様書が含まれるなど、障害者の情報アクセスの確保と逆行する動きもある。電子書籍などへのアクセスの確保も課題である。
障害者が著作物を利用するための様々な配慮は、本来著作権者が自ら行うべきものであるが、これを補完するために行われている情報保障の活動に対し、著作権法が障壁とならないよう、法の整備やその運用に際して徹底すべきである。
現在議論されている権利制限の一般規定(日本版フェアユース)を障害者の著作物利用にも適用することを含め、さらなる改善を求めたい。

以上

いろいろなurlを記録。

2010年12月06日 01時28分59秒 | 日記(つぶやき)

全米難聴者協会web トップページ
http://www.hearingloss.org/

全米難聴者協会HLAAの理事長の月報
「今月のベスセダ 2010年9月」
http://www.hearingloss.org/docs/This_Month_in_BethesdaSeptember_2010.doc

全米難聴者協会難聴者サポート専門家オンライン養成事業
http://www.hearingloss.org/academy/index.asp

全米難聴者協会公共政策権利擁護部長リサ・ハムリンさんの報告
「新しい障害者法」
http://hlaa-advocacy.blogspot.com/2010/10/new-disability-law.html?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+HlaaWorkingForYouHlaasPublicPolicyAdvocacy+%28HLAA%2C+Working+for+You%3A+HLAA%E2%80%99s+Public+Policy+%26+Advocacy%29

「恋人たちの会話と人工内耳の関係」
札幌医科大学耳鼻咽喉科学教室 教授 氷見 徹夫
http://www.normanet.ne.jp/~acita/implantee/recture/koibito.html

がんになっても、あわてない という本(朝日新聞出版)を書いた
医者の、なんでもブログ。
2010/8/23「米国で10代の難聴急増」
http://air.ap.teacup.com/awatenai/1286.html

岩手県議会議員 高橋博之のブログ  10月2日(土)『耳が聴こえないことが障がいではない』http://www.hiro-t.com/dairy101001.html
現在、政策的議員提出条例として検討中の『(仮称)障がい及び障
がいのある者に対する理解の促進に関する条例』案の概要(骨子)
http://www.pref.iwate.jp/~hp0731/syougai-zyourei/pubcome/syougai-ikenbosyuu.html

国内での補聴器普及の現状
日本国内ではいまだ、補聴器の潜在ユーザー(難聴者)のうち、補
聴器の所有者割合はわずか24.1%に過ぎません。これは、難
聴者の4人に1人しか補聴器を使用していないことを表します。
「補聴器供給システムの在り方に関する研究」2年次報告書より。
(調査期間:2003-2-20~2003-3-10)
http://www.hochouki.com/academy/news/program/index.html

障がい者に係る投票環境向上に関する検討会(第1検討チーム・第2回)
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/teiin_kanri22/36838.html