難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

「聴覚障害者のための字幕付与技術」をどう使うか

2007年09月19日 13時11分48秒 | 要約筆記事業

070915_1410~001.jpg9月14日、京都大学学術情報メディアセンターで「聴覚障害者のための字幕付与技術」シンポジウムが開かれた。
http://www.media.kyoto-u.ac.jp/activity/info/event/2007/08/post_7.php

高速に音声を文字化する技術として、パソコン要約筆記、電子速記タイプの一つの「はやとくん」、音声認識技術の「Julius」(ジュリウス)が紹介された。

話された言葉がその場で文字になることは聴覚障害者の長い間の夢であったが、テレビ放送のニュースなどでは実用化され、その他にも会議や講演などでも活用されている。筑波技術大学でも聴覚障害学生のために、スピードワープロによる字幕が遠隔入力で提供されている。

こうした高速入力技術は、音声をリアルタイムに文字に変えて提示するもので、シンポジウムのタイトルにあるとおり「字幕付与」技術だ。


問題は、話された言葉が文字になったものを聴覚障害者がどのように受け止めるかだ。
シンポジウムの呼びかけ文にも「それらの方法が字幕を見る人たちにどのように目に映り、どのような期待を寄せて発展していくべきかをともに考え」たいとある。

パソコン要約筆記は、字幕付与技術の中に並べられているが、目的も技術も異なるものだ。聴覚障害者がこのことを理解して利用しなければ、間違った方向に発展しかねない。


ラビット 記
写真は、はやとくんの表示。約23文字×14行。

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「聴覚障害者のための字幕付与技術」シンポジウム
 現代社会では言葉によるコミュニケーションがとても大切ですが、とりわけ言葉を聞く上で障害を持つ人たちに、話し手の言葉を適切に伝えることが非常に重要です。
 本シンポジウムでは、パソコンを用いて入力し即座に文字をスクリーンへ映し出していくパソコン要約筆記、速記タイプを電子化したはやとくんを用いる字幕付与技術、国会での実用開発が始まる音声認識技術を字幕へ応用する研究、現在から未来につながる技術を総覧します。
 用途はテレビ放送、授業のノートテーク、会議中継やインターネットなどにおける字幕のストリーミングといった広範囲にわたります。ICT時代が進むにつれ、社会的に話し言葉のアクセシビリティを保障する必要性がますます高まる中で、各分野の第一人者を結集して、コンピューター技術をベースにした話し言葉の高速文字化技術について全体を展望する機会を企画しました。それらの方法が字幕を見る人たちにどのように目に映り、どのような期待を寄せて発展していくべきかをともに考える機会としたいと思います。