障害者自立支援法が昨年10月に成立して、4月から個人給付事業はスタートし、この10月から地域生活支援事業が開始する。
障害者自立支援法は、その成立過程で指摘されたように障害者の自己負担が10%生じることで必要なサービスを受けられない人たちが発生する。施設に入所すればサービスの自己負担以外にも食費等を負担しなければならない。
たましろの郷の短期入所では、食事、排泄、入浴等生活全般を援助するが利用者から食費日額1750円、送迎費200円、光熱費100円、日用品費実額が徴収される。1日2000円以上だ。
問題は障害者にそれだけの収入がないので、障害年金等から支払うことになる。施設で自立支援サービスを受ければ収入以上の負担がかかるのでは自宅に居るしかない。必然的に家族の負担が増え、障害者の自立どころではない。将来を悲観した親子の自殺まで発生した。与党ですら、そんなに負担が大きいと思わなかったと言う始末だ。
こうした矛盾を障害者団体が強く要望した結果、自治体が負担することを決めるところが増えている。
コミュニケーション支援事業を有料化しようとする動きが各地である。これも、都道府県レベルでは無償で派遣されていたが、市町村レベルになると有料化を口にする。福祉とか障害者の権利とかを考えずに、「コスト」を考えるからだ。あまつさえ、介護給付を受ける障害者と聴覚障害者の障害の「重さ」を理由にする。聴覚障害者より「重度」の障害者が1割負担するのだから、(それより軽い)聴覚障害者は負担すべきだという論理だ。
聴覚障害者はみな、一度は自殺を考える。コミュニケーション障害は人として生きるかの自尊心がずたずたになるのだ。
本当に、障害を持った不幸より、この国に生まれた不幸という人がいたが、そのとおりだ。
新しい厚生労働大臣の言動に注目したい。
ラビット 記