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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【防衛情報】CV-9035-mkⅢC,パトリア社野砲製造再開,マンティコア多用途戦術車

2024-08-26 20:01:16 | インポート
■防衛フォーラム
 チェコ軍導入のCV-90装甲戦闘車はCMS-1外部視察装置を採用します。

 チェコ軍導入のCV-90装甲戦闘車はCMS-1外部視察装置を採用します。このCMS-1外部視察装置とはEVPUディフェンス社が開発した全周囲視察装置で、RWS遠隔操作銃塔などさまざまな装備システムを運用するための電子光学装置となっていて、ズーム方式の通常光と赤外線およびレーザーレンジファインダーを備えているもの。

 EVPVディフェンス社は2001年に創業しましたチェコの防衛企業であり、チェコ共和国防衛安全保障産業協会に加盟しています。同社は光学監視装置や照準装置とRWS遠隔操作銃塔の製造や組立などで実績を積んでおり、CV-90はスウェーデン設計の防衛装備ではあるものの、搭載機材にチェコ製装備を加え濃くない防衛産業を育てるもよう。

 CMS-1は砲塔部分に固定され、車体振動からも安定した観測情報を維持することができるとともに、視察装置本体がNATO防弾規格レベル2水準の装甲防護板により保護されていて、CMS-1などが銃撃などにより損傷することを防いでいます。チェコ軍は22億ドル規模のCV-90を導入契約しており、性能を最大限活かすのが狙い。
■防衛フォーラム
指揮通信車などの用途にパトリア360も検討してはと思う。

 防衛省は日本製鋼とのあいだでパトリアAMVライセンス生産契約を締結しました。これはすでに2023年9月にパトリア社とのAMV装甲車ライセンス生産に関する協定が結ばれており、今回今年度防衛予算に基づく生産契約が正式に行われたことを示します。製造は2024年度が26両となっていまして、契約金額は100億円にのぼるとのこと。

 パトリアAMV装甲車はフィンランドのパトリア社が設計開発した多目的装甲車であり、高い防御力がアフガニスタンの戦場で証明されています。もともと自衛隊装甲車は小松製作所が国産開発する方針でしたが開発された装甲車の評価実験隊での評価は採用に至るものではなく、この結果、小松製作所は防衛産業からの撤退を発表しました。

 96式装輪装甲車の後継に当たる車両で96式装輪装甲車は道路運送車両法を意識し車幅を2.5m以下に抑えてきましたが、これにより車内容積と防御力に限界が生じており、今回大型の装甲車が採用された。一方、96式装輪装甲車は取得費用が1億円以下に抑えられていたため、パトリアAMV装甲車は実質約4倍という高価な装甲車ともなっている。
■防衛フォーラム
 日本の場合そろそろ近代化改修ではなく新型とともに戦車を保管する機動戦闘車の砲塔を備えた装軌式機動戦闘車と共に新型を開発すべきと思う装甲戦闘車だ。

 スウェーデン軍は新型のCV-90装甲戦闘車を取得します。CV-90はスウェーデンのヘルグラント社が開発したもので現在はBAEシステムズ社傘下となっていますヘルグラント社ですが、開発当時から40mm機関砲という大口径の機関砲を搭載し、1990年代の40mmAP弾は第二次大戦中の75mm戦車砲弾の威力に匹敵するものとなっていました。

 CV-9035-mkⅢC、今回スウェーデンがBAE社とのあいだで取得契約をむすんだのは40mm機関砲ではなく35mm機関砲を備えたもので、スウェーデン軍に広く配備されている40mm機関砲型とはことなり、オランダ軍などが導入したものとおなじものであり、火器管制装置などはオランダ軍仕様の中期近代化改修型と同水準のものを搭載します。

 40mm機関砲ではなく35mm機関砲型をスウェーデンが新たに導入する背景には、スウェーデン政府が進めるウクライナ軍支援の一環であり、今回新しく導入されるCV-90の一部はウクライナ軍へも供与されるものとのこと。スウェーデンのウクライナへのCV-90供与は既に実施されており、残念ながら一部の車両は破壊されてしまいました。
■防衛フォーラム
 日本の89式装甲戦闘車は35年間改修せずそのままなものですから。

 韓国のハンファディフェンス社は改良型レッドバック装甲戦闘車を発表しました。これはルーマニアのブカレストにおいて5月22日から5月24日にかけ開催されたBSDA黒海航空宇宙防衛博覧会においてハンファディフェンス社の出展ブースに並んだもの。ルーマニア軍は韓国製防衛装備の導入におおきな関心があるとされています。

 レッドバック装甲戦闘車はオーストラリア軍に採用されるなど実績を積んでいる装甲戦闘車であり、原型は韓国陸軍に採用されたK-21装甲戦闘車、40mm機関砲を備えている装甲戦闘車です。韓国製装備を大量配備した実例としてはNATOではポーランドがあげられ、現地生産などにより厳しい国防費の下でも採用国に経済的恩恵が。

 ルーマニア軍はいまだにT-55戦車現地生産型のTR-85戦車を運用するなど陸軍装備では厳しい財政的背景から大きな遅れを強いられていますが、NATOの一員としての義務を果たすべく戦車についてはアメリカ製M-1A2戦車を導入決定しました。このなかで新戦車と連携する装甲戦闘車が求められ、レッドバックが注目されています。
■防衛フォーラム
 考え直してみると82式指揮通信車の原型となった軽装甲車と派生型の87式偵察警戒車のコンセプトを現代化した様な。

 ルクセンブルク軍はジャガー装甲偵察車など導入を決定しました。26億ユーロ規模となるこのフランス製装甲車導入計画は、ジャガー装甲偵察車、グリフォン装甲輸送車、サーバル装甲車などフランスがスコーピオン計画として開発した装甲車ファミリーを導入し、ルクセンブルク軍の装甲車両を一気に近代化することがねらい。

 ルクセンブルクのユリコバックス国防大臣とスティーブトゥル参謀総長は5月8日、連名でこの装甲車導入計画を発表し、NATOの一員としてのルクセンブルク軍の義務を果たすとともに、フランスやベルギーで導入されているスコーピオンファミリーの調達は相互運用互換性や整備補給の面において大きな合理化が可能だと強調しました。

 26億ユーロで取得するのは、ERBCジャガー装甲偵察車38両、VBMRグリフォン装甲輸送車16両、VBMR-Lサーバル装甲車5両となっていて、特にジャガーは40mmCTA機関砲と対戦車ミサイルを搭載していることから、戦車を持たないルクセンブルク軍には重要な対戦車装備となる見通し。これら装甲車はフランス軍のほかベルギー軍も装備する。
■防衛フォーラム
 パジェロとハーケイの間くらいの車両ですね。

 オランダ軍はマンティコア多用途戦術車100号車を受領しました。マンティコアはイタリアのイヴェコ社傘下にあるIDV社が製造するもので2019年にオランダ国防省は1185両のマンティコア多用途戦術車調達契約を結んでおり、一号車納入式典は2023年11月24日に実施、納入は順調で2024年5月に100号車納入を迎えたということ。

 マンティコア多用途車両は四輪駆動の汎用装甲車両であり、オランダ陸軍、海軍、空軍、海兵隊、憲兵、すべてに導入される計画となっています。汎用型では乗員2名と兵員4名を輸送し輸送型では兵員輸送能力が6名に拡大、装甲救急車として運用する場合には担架2床と衛生兵2名を輸送可能、RWS遠隔操作銃塔も搭載可能です。
■防衛フォーラム
 自衛隊では消えゆく装備ですが空中打撃力というのはかなり使い勝手が良い装備に思えるのです。

 フィリピン陸軍は遅延していたT-129戦闘ヘリコプター受領を完了しました。TAIトルコ航空宇宙産業とフィリピン軍は2億6900万ドル規模の6機のT-129戦闘ヘリコプター調達計画を進めていましたが、最後の2機について元々は2023年前半が納期となっていたところ大幅に遅延し、2024年5月17日に5号機と6号機がフィリピンへ到着した。

 T-129納入は初号機の時点で納入が2023年11月29日と遅れており、フィリピン空軍での運用試験前にフィリピン国内でのTAIトルコ航空宇宙産業支援企業による点検が行われており、フィリピン空軍での運用試験は2024年5月に入り漸く開始されたという。T-129はフィリピン軍の離島防衛において要諦を為す装備の一つと期待されています。
■防衛フォーラム
 日本の場合は多数受注が予定されて急に中断するなど事例が有りましたので製造ラインを拡大する事は大きな決断が必要なのですが需要が有るならば別です。

 エストニアのミルレムロボティクス社は製造施設拡張を発表しました。自律操縦システムを搭載したUGV無人地上車両開発で知られるミルレムロボティクス社は企業としては新興企業ではあるもののUGV無人地上車両開発ではその草創期から実績を重ねていてTHeMIS無人車両は既に18カ国の陸軍などに採用実績を伸ばしています。

 THeMIS無人車両について、ミルレムロボティクス社は年産500両の量産が可能となっていますが、近年の各国陸軍におけるUGV需要の高まりからこの年産500両という水準はあまりにこれを満たしておらず、エストニアのタリンにある同社工場を大幅に拡張し、さらに100名を新規雇用することで年産2500両体制を目指すとしました。
■防衛フォーラム
 ミニガンを積むべきなのかレーザーの方がいいのかミサイルなのか自衛隊にもすぐにでも装備化を急がなければ。

 アメリカ海兵隊は対無人機戦闘車両の開発を急いでいます。小型の偵察用はもとより迫撃砲弾などを正確に車両や陣地へ突入させる簡易無人機の存在は明白な脅威ですが対策は世界各国でも手探りで進められている段階です。アメリカ海兵隊はARV偵察車に近接目標検知用レーダーと機関砲搭載のRWS遠隔操作銃塔を搭載し問題へ臨む。

 MuDRaCEマルチドメインレーダーシステムファミリーという陸軍の太平洋地域を想定したレーダーシステム開発研究を海兵隊は応用する計画を進めており、TPS-80対砲レーダ装置など秘匿性の高い探知装置により無人航空機を探知し、機関砲をそなえたARVにより対応するのが海兵隊の構想で18ヶ月以内に実用試験開始を目指しています。
■防衛フォーラム
 火砲の国産基盤は製造技術が残っていても工員や施設を再度軌道に乗せるのは簡単ではありません。

  フィンランドのパトリア社は野砲製造再開の準備を進めています。これは2022年から続くロシアウクライナ戦争において砲兵の重要性が再認識されたことからパトリア社は榴弾砲の製造再開を模索している一連の流れに基づくもので、パトリア社はその前身となるタンペラ社とバンマス社の火砲製造部門要員を再結集させています。

  155K98というフィンランド軍用にパトリア社は1998年に独自設計の155mm榴弾砲を開発していますが、これは1990年代においてフィンランドが冷戦時代に取得した122mm口径榴弾砲が射程などの面で陳腐化したことを受けて開発したもので、APU補助動力装置を搭載し短距離の自走が可能、56門が製造されフィンランド軍に納入された。

  パトリア社では火砲の製造は2005年に終了しており実に19年間という空白期間がありますが、定期整備などを通じ技術者を維持、今回155GH52という、155K98榴弾砲の砲身を52口径とすることで射程を40kmにまで延伸した改良型を開発していて、パトリア社では155K98からの砲身換装に併せて榴弾砲の製造能力を再開する見通しです。


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