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第1師団創設47周年・練馬駐屯地創設58周年記念行事 速報

2009-04-13 13:46:31 | 陸上自衛隊 駐屯地祭

◆練馬駐屯地祭2009

 首都防衛にあたる第1師団は、1962年の第1管区隊からの改編により編成され、今年で47周年を迎えた。日曜日に行われた創設記念行事の模様を、本日は速報というかたちでお伝えしたい。

Img_1887  式典会場に行進して入場する式典参加部隊。第1師団隷下の精鋭部隊だ。第1師団創設記念行事には、練馬駐屯地に駐屯する第1普通科連隊、第1後方支援連隊、第1偵察隊、第1通信大隊はもちろん、第1師団隷下のすべての部隊から式典に参加するべく結集した。いよいよ練馬駐屯地祭2009の開始である。

Img_6930  大宮駐屯地から第32普通科連隊、武山駐屯地から第31普通科連隊、板妻駐屯地からは第34普通科連隊、駒門駐屯地の第1戦車大隊・第1高射特科大隊、北富士駐屯地より第1特科隊、朝霞駐屯地から第1施設大隊、そして立川駐屯地の第1飛行隊。主な部隊だけでも、式典には多くの駐屯地からの部隊が参加している。

Img_6949  栄誉礼!、並んだ部隊旗を勢いよく高く掲げて式典執行を行う副師団長の塩崎敏誉陸将補を迎える。続いて式典会場へ渡辺師団長も入場、栄誉礼が行われ記念式典行事の開始である。赤い中隊旗は普通科職種を意味し、鮮やかな朱色の旗が一斉に蝶のように舞いあがる瞬間、会場が引き締まる。

Img_7044  第1師団長渡邊隆陸将が、整列した部隊を巡閲する。6000名の師団を率いる渡邊師団長は、続いて行われた指揮官訓示においては、桜と武士道にも触れ、充分とは言い難い人員ではあるものの師団一丸となって陸上自衛隊の主任務である国土防衛を達成しよう、と決意を述べた。

Img_7064  来賓祝辞を行う石原東京都知事。国家の意思とは、決意とはなどを踏まえ、日本を取り巻く安全保障環境と政治の取り組みや意識のあり方についても触れる祝辞であった。ちなみに祝辞は12分。石原知事の祝辞が終了すると、祝電披露などが行われ、続いて観閲行進準備の号令が響き渡った。

Img_7105  観閲行進の先頭は、師団が防衛警備を担当する都県旗が務めた。写真は東京都旗。師団が防衛警備を担当する東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、山梨県、静岡県の旗が会場を行進した。アナウンスによれば都県旗の旗手は全て、それぞれの自治体出身の隊員が務めているとのことだ。

Img_7139  普通科連隊の観閲行進。練馬に駐屯する第1普通科連隊の観閲行進だ。首都圏の防衛警備を担当する第1師団は、普通科部隊に重点を置いた編成を採っており、特に携帯できる装備品を中心に、小回りの利く編成となっている。このため、普通科の重火力というべき重MAT(79式対舟艇対戦車誘導弾)や120㍉重迫撃砲などは装備していないのが特色だ。

Img_7170  第31普通科連隊の高機動車。トヨタ製の高機動車は、加速性、汎用性に優れ比較的頑丈で信頼を集めている装備の一つだ。第1師団には、現在のところ軽装甲機動車は配備されていないようで、将来的には現在開発中の火力支援も可能な装輪装甲車である近接戦闘車の装備が望まれる。

Img_7189  第1偵察隊のオートバイ。偵察隊は、87式偵察警戒車などとともに斥候と威力偵察を行い、師団の先頭に立っての情報収集を行う部隊で、災害派遣でも機動力を活かして情報を司令部に伝える。偵察隊など車両行進が行われる中、観閲台では渡邊師団長と石原都知事が並んで部隊を観閲しているのがみえる。

Img_7160   上空を祝賀飛行のUH-1Jが飛行する。立川駐屯地第1飛行隊の所属である。予行では5機のヘリコプターが参加していたとのことだが、式典が行われたまさにその日その時、第1飛行隊は第1特科隊とともに山梨県で発生した山林火災に対して出された災害派遣要請に応え、全力を挙げて鎮火に挑んでいたところであり、一機のみが参加、というかたちとなっていた。

Img_7198  第1特科隊。五個特科大隊を基幹とした第1特科連隊から師団改編の際に縮小され、四個中隊基幹の特科隊となった。普通科連隊の数と同じ特科中隊は維持しており、有事の際には装備するFH-70榴弾砲を以て対砲兵戦を展開するとともに第一線に火力支援を提供する部隊である。四個中隊では、全般支援を行う火力が、師団にない、ということになり火力の面で問題なのではないか、と思った次第。

Img_7214  第1高射特科大隊の観閲行進。もともと高射特科は、特科連隊第6大隊という位置づけであったが、任務の性格の違いから独立した大隊となっている。レーダー情報を元に、写真の93式近距離地対空誘導弾や、81式短距離地対空誘導弾を以て部隊防空のための対空戦闘を実施する。

Img_7288  第1戦車大隊の観閲行進。74式戦車と96式装輪装甲車が観閲行進を行っている。74式戦車も、師団改編により中隊数を削減され、二個中隊となっている。96式装輪装甲車は、大隊本部や中隊本部に配備されており、指揮命令などを行うと共に、適宜、直掩の普通科隊員を乗車させ、機動することもある。

Img_1945  74式戦車は、戦後第二世代戦車に属し、防御力や夜戦能力、データリンク機能などで陳腐化が指摘されているものの、地形防御を最大限に活用できるよう、車体傾斜装置が装備されており、新型砲弾の採用で今なお侮りがたい火力を有している。しかし、旧式かも事実であり、現在開発中の新戦車が、第一線へは第1戦車大隊より配備されるのでは、ともいわれている。観閲行進は、これにて終了。今年度は訓練展示模擬戦は行われなかった。

HARUNA

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