■防衛フォーラム
近代化改修を繰り返して性能を維持するのか思い切って新型にするのか、自衛隊とイギリス軍の違いというものを感じるところなのですけれども。
イギリス陸軍が開発するチャレンジャー3主力戦車はモジュラー装甲を採用します、これはRBSLラインメタルBAEシステムズランド社が新しくイギリス陸軍と結んだ契約によるもので、DSTLイギリス国防科学技術研究所が設計した新型のモジュラー装甲を搭載するものとしています。原型のチャレンジャー2は複合装甲を採用していました。
複合装甲を世界に先駆け開発したのはイギリスで、モジュラー装甲の概要は発表されていませんが、イギリス陸軍はチャレンジャー3主力戦車を将来創設する装甲旅団戦闘団へ集中配備する方針で、防御力を重視した結果とのこと。なお、チャレンジャー3はこのほかにイスラエルのラファエル社製トロフィアクティヴ防護装置を搭載する計画です。
■JLTV統合軽量戦術車
ハンヴィー後継車両のはずなのですが87式偵察警戒車並の重さという重量級の車両になっていますので軽量戦術車輛とは、と考えてしまうのだ。
リトアニア軍はJLTV統合軽量戦術車両第一段階導入を完了させました。軽量ではあるが機関銃や野砲弾曳火射撃に対する高い防御力を有するJLTVはバルト三国としてロシアの軍事圧力を受けつつ国家資産に限界のあるリトアニアには重要な選択肢で、2019年にリトアニア国防省はアメリカ政府との間で二段階に分け200両の調達を決定します。
JLTV統合軽量戦術車両第一段階は先ず100両を取得するもの年、2021年から最初の50両の納入が開始、続いて2023年より50両の納入が開始されました。計画ではこの最後の車両納入は2024年までにとなっていましたが、ロシアウクライナ戦争を受け調達の緊急度が増し、2023年末に最後の2両を納入、2023年内に導入を完了したかたちです。
■コヨーテ対無人機システム
自衛隊の93式近距離地対空誘導弾システムのようなものでも間に合う気がしますがアベンジャーのようなデータリンクを念頭としていないシステムではこうした装備が必要になるということなのでしょうか。
アメリカ陸軍はコヨーテ対無人機システムの導入計画を正式発表しました。コヨーテは火器管制装置により各種無人航空機を監視し、発射装置から発射されると無人航空機などに対して有効な打撃を与えるという地対空ミサイルシステムの一種となっています。この調達は2025年会計年度から2029会計年度にわたって行われるという。
コヨーテ対無人機システムの導入数は、固定式発射装置252基と移動式発射装置52基、固定式Kuバンドレーダ装置118基と移動式Kuバンドレーダ装置33機を取得する計画で、ミサイルそのものの調達数は6700発を見込んでいるとのこと。一発当たりに費用は10万ドルでスタンダードSM-2ミサイルの220万ドルと比較し非常に抑えられている。
M-LIDS移動式低速度無人機撃破システムを一例に挙げますと、JLTV統合軽量戦術車両に搭載された2両のコヨーテシステムと30mm機関砲を備えたXM-914遠隔操作式銃塔を搭載した車両により成り、またJLTVのほかにはストライカー装輪装甲車へ搭載する検討も進められていて、安価な無人機へは安価なミサイルと機関砲で対処する方針です。
■レオパルト2A7HU
自衛隊も戦車をもっと考えるべきではと。
ハンガリー陸軍はレオパルト2A7HU戦車をさらに増強しました、ハンガリー国防省が発表したところによれば1月10日、3両のレオパルト2A7HU戦車が第1装甲旅団へ配備したと発表しました。ハンガリー陸軍はドイツ製装備への切り替えを急いでおり、レオパルト2A7HU戦車だけで44両を5億ユーロで取得する契約を2018年に結びました。
レオパルト2A7HU戦車44両のほか、PzH-2000自走榴弾砲24両とレグアン戦車橋4両にワイゼント2装甲工兵車両、そして予備部品や関連装備などを含めた装備調達は15億ユーロ規模に上り、NATOやEU欧州連合のなかではウクライナ支援に否定的で親ロシア政策を継続するハンガリーではありますが、装備面では国防力強化を進めています。
■ジョンコックリル社
日本の場合は買収と云われると産業基盤ごと持って行かれるのではないかという不安を感じるのですが欧州はその心配を信頼で克服したのでしょうか。
ベルギーの防衛大手ジョンコックリル社はフランスの装甲車メーカーアルクス社の買収計画を進めています。アルクス社はVAB装甲車などの製造で知られるサヴィエン社とルノートラックディフェンス社の後身でルノーグループ傘下にありましたが2001年にルノーはルノートラックディフェンス社をスウェーデンのボルボグループに売却しました。
ジョンコックリル社は砲塔システムなどを含め防衛分野の企業となっていますが産業機械製造やエネルギー関連産業の大手企業です。アルクス社は現在、フランス陸軍のスコーピオン装甲車計画においてジャガー装甲偵察車やグリフォン多目的装甲車などを製造、グリフォンはベルギー陸軍も導入予定で、買収はその際の防衛産業協力の一環とのこと。
■RBS-70NG
RBS-70というのは携帯可能で単発式なのですけれどもスティンガーよりも大きい分だけ初期の81式なみの射程を誇っているという不思議なもの。
リトアニア陸軍はJLTVを自走地対空ミサイル車両へ改良します。オシュコシ社がアメリカ陸軍などに供給するJLTV統合軽量戦術車両は優れた四輪式装輪装甲車で、リトアニア軍もこの車両を導入、派生型として30mm機関砲遠隔操作式銃塔RWSを搭載したものも開発されているJLTVですが、リトアニア軍はこの改修でサーブ社と連携します。
JLTVへ搭載されるのはサーブ社の可搬式地対空ミサイルRBS-70NG、これはMANDPS個人用携帯地対空ミサイルとしては最大型のもので三脚式発射架を用いて運用、ただ大きい分射程も8㎞とこの種のミサイルとしては長く有効射高も6000mに達します、リトアニア軍はRBS-70NGの三連装発射装置と照準器をJLTVに搭載する計画です。
■AW-149とAW-169
UH-2はいかがと聞きたくなる。
北マケドニア軍はレオナルド社製多用途ヘリコプター8機を導入します。次期多用途ヘリコプターはエアバス社やロッキードマーティン社とベル社の候補を退け、レオナルド社製ヘリコプターのAW-149とAW-169がこのほど選定されたとのこと。計画ではAW-149を4機とAW-169を4機導入する見込みでイタリア政府と政府間合意を結びました。
AW-149は12名の兵員を輸送する多用途ヘリコプターでAW-169は二回り小型で兵員8名を輸送する多用途ヘリコプターです。北マケドニア軍のヘリコプターは現在旧ソ連製のMi-17やMi-24といった機体で構成されており、これらをNATO水準の航空機に置き換える事となります。計画では正式調印を経て24か月から36か月で納入される見通し。
■コブラⅡ軽装甲車
軽装甲機動車も車体を伸ばすとかオープントップ型とかの派生型を開発していればと思うのですが受容と云いますか国内市場がねえ。
モロッコ陸軍はトルコ製コブラⅡ軽装甲機動車を導入するもよう。トルコのオトカ社が2023年12月に発表したところによれば、モロッコ政府はコブラⅡ軽装甲機動車200両を1億3600万ドルにて取得する契約を結んだとの事で、納入は2024年末までに開始されるという。コブラⅡは輸出市場で成功したコブラ軽装甲機動車の車体延伸型です。
コブラ軽装甲機動車は1997年にオトカ社がトルコ陸軍に採用された装甲車で、もともとはプライベートベンチャー方式で開発、車体部分はアメリカのハンヴィー高機動車と御恥AMゼネラル社製車体を採用していますが、全面を防弾鋼板の傾斜装甲として再設計し車体も若干高めIED簡易爆発物などから爆風を逸れさせるよう防御力を強化した装備です。
■ゾラワル軽戦車
89式装甲戦闘車の後継となる共通戦術車輛の車体部分にこの16式機動戦闘車の砲塔を搭載しましたならばアメリカ陸軍が歩兵旅団戦闘団に配備する軽戦車というような用途に用いられたのではないかと思うのだ。
インド陸軍は新型軽戦車ゾラワルの評価試験を本格化させる方針です。既に試作車両はインド国防省実験施設までの100㎞程度の自走試験を実施し、ある程度の機動力を確保していることは証明されているといい、2024年4月以降本格的な評価試験が開始されるとのこと。ゾラワル軽戦車は山間部や砂漠地帯などでの運用を想定した新型軽戦車です。
ゾラワル軽戦車は元々2023年内に納入の計画でしたが、エンジンがドイツ製でありドイツからの供給が遅れたことで引き渡しが2024年1月まで遅れた経緯があります。現在の計画では59両のゾラワル軽戦車を導入する計画ですが、併せて別の軽戦車開発計画があり、こちらは259両を調達する計画とされていて、ゾラワルは暫定計画だとわかります。
インド軍が山間部で運用可能である軽戦車を開発する背景には、中国人民解放軍が旧式の62式軽戦車に代えて先進的な15式軽戦車のチベット地域への配備を進めており、対抗手段がない現状が問題視されているため。インド軍はロシア製スプルート空挺対戦車砲を軽戦車として運用する検討も為されましたが実現せず、国産開発を決心しました。
■M-109A7自走榴弾砲
一生M-109以外の自走砲を使わないつもりなのかと75式や99式をみていました身の上からは一寸思ってしまうのだ。
アメリカ陸軍はBAEシステムズ社とM-109A7自走榴弾砲など4億1800万ドル規模の契約を結びました。これは2023年に結ばれた契約のオプション条項行使に当たるとされています。具体的には装備の納入納期を2025年まで延長するもので、M-109A7自走榴弾砲とM-992A3弾薬運搬車の製造期間延長も含めた包括的な契約となっています。
M-109A7自走榴弾砲とM-992A3弾薬運搬車については最初の契約が2017年に締結されており、追加契約やオプション条項追加などアメリカ陸軍の機甲旅団戦闘団における砲兵近代化の主柱として機能しており、今回の追加によりM-109A7自走榴弾砲とM-992A3弾薬運搬車に関する契約総額は25億ドル規模となりました。
1960年代に開発されたM-109は砲身延長や火器管制装置の近代化などにより性能を第一線に耐えられる水準としていますが、現在の155mm砲は52口径が主流となりつつあるなかで39口径という砲身は改良されず、車体部分をM-2ブラッドレイ装甲戦闘車の水準に切り替えています。改良には限界があるとされる一方、将来砲の完成は未だ未知数だ。
■ARV先進偵察車
偵察車輛を海の向こうと戦う想定のもとで従来の延長線上に考えていてよいのかという本質的な疑問を突き付けている。
アメリカ海兵隊向けのARV先進偵察車両試験が正常に完了した、開発を担当するジェネラルダイナミクスランドシステムズ社が発表しました。LAV-25軽装甲車の後継車両として開発されているARV先進偵察車両は2023年内いっぱい、NATCネバダ自動車試験センター、ネバダ州のアバディーン陸軍試験場などにおいて試験が実施されていました。
このほどARV先進偵察車両はカリフォルニア州のキャンプペンドルトンにおいて海兵隊の試験を完了したとのこと。現在インド太平洋地域の安全保障環境は大きく変容しており、純粋な威力偵察車両であるLAV-25ではマルチドメイン戦場においてその能力が発揮できず、無人航空機や無人水上艇と厳しい電子戦環境への対処能力が求められています。
ARVは、無人装備の連接性と共に沿岸部のみならず外洋における航行能力、次世代の水上推進システムや水中安全システムなども盛り込まれており、これらの評価試験なども行われています。なお海兵隊の将来偵察車両にはジェネラルダイナミクスランドディフェンスシステムズ社のほか、テキストロン社のコットンマウスも候補となっています。
近代化改修を繰り返して性能を維持するのか思い切って新型にするのか、自衛隊とイギリス軍の違いというものを感じるところなのですけれども。
イギリス陸軍が開発するチャレンジャー3主力戦車はモジュラー装甲を採用します、これはRBSLラインメタルBAEシステムズランド社が新しくイギリス陸軍と結んだ契約によるもので、DSTLイギリス国防科学技術研究所が設計した新型のモジュラー装甲を搭載するものとしています。原型のチャレンジャー2は複合装甲を採用していました。
複合装甲を世界に先駆け開発したのはイギリスで、モジュラー装甲の概要は発表されていませんが、イギリス陸軍はチャレンジャー3主力戦車を将来創設する装甲旅団戦闘団へ集中配備する方針で、防御力を重視した結果とのこと。なお、チャレンジャー3はこのほかにイスラエルのラファエル社製トロフィアクティヴ防護装置を搭載する計画です。
■JLTV統合軽量戦術車
ハンヴィー後継車両のはずなのですが87式偵察警戒車並の重さという重量級の車両になっていますので軽量戦術車輛とは、と考えてしまうのだ。
リトアニア軍はJLTV統合軽量戦術車両第一段階導入を完了させました。軽量ではあるが機関銃や野砲弾曳火射撃に対する高い防御力を有するJLTVはバルト三国としてロシアの軍事圧力を受けつつ国家資産に限界のあるリトアニアには重要な選択肢で、2019年にリトアニア国防省はアメリカ政府との間で二段階に分け200両の調達を決定します。
JLTV統合軽量戦術車両第一段階は先ず100両を取得するもの年、2021年から最初の50両の納入が開始、続いて2023年より50両の納入が開始されました。計画ではこの最後の車両納入は2024年までにとなっていましたが、ロシアウクライナ戦争を受け調達の緊急度が増し、2023年末に最後の2両を納入、2023年内に導入を完了したかたちです。
■コヨーテ対無人機システム
自衛隊の93式近距離地対空誘導弾システムのようなものでも間に合う気がしますがアベンジャーのようなデータリンクを念頭としていないシステムではこうした装備が必要になるということなのでしょうか。
アメリカ陸軍はコヨーテ対無人機システムの導入計画を正式発表しました。コヨーテは火器管制装置により各種無人航空機を監視し、発射装置から発射されると無人航空機などに対して有効な打撃を与えるという地対空ミサイルシステムの一種となっています。この調達は2025年会計年度から2029会計年度にわたって行われるという。
コヨーテ対無人機システムの導入数は、固定式発射装置252基と移動式発射装置52基、固定式Kuバンドレーダ装置118基と移動式Kuバンドレーダ装置33機を取得する計画で、ミサイルそのものの調達数は6700発を見込んでいるとのこと。一発当たりに費用は10万ドルでスタンダードSM-2ミサイルの220万ドルと比較し非常に抑えられている。
M-LIDS移動式低速度無人機撃破システムを一例に挙げますと、JLTV統合軽量戦術車両に搭載された2両のコヨーテシステムと30mm機関砲を備えたXM-914遠隔操作式銃塔を搭載した車両により成り、またJLTVのほかにはストライカー装輪装甲車へ搭載する検討も進められていて、安価な無人機へは安価なミサイルと機関砲で対処する方針です。
■レオパルト2A7HU
自衛隊も戦車をもっと考えるべきではと。
ハンガリー陸軍はレオパルト2A7HU戦車をさらに増強しました、ハンガリー国防省が発表したところによれば1月10日、3両のレオパルト2A7HU戦車が第1装甲旅団へ配備したと発表しました。ハンガリー陸軍はドイツ製装備への切り替えを急いでおり、レオパルト2A7HU戦車だけで44両を5億ユーロで取得する契約を2018年に結びました。
レオパルト2A7HU戦車44両のほか、PzH-2000自走榴弾砲24両とレグアン戦車橋4両にワイゼント2装甲工兵車両、そして予備部品や関連装備などを含めた装備調達は15億ユーロ規模に上り、NATOやEU欧州連合のなかではウクライナ支援に否定的で親ロシア政策を継続するハンガリーではありますが、装備面では国防力強化を進めています。
■ジョンコックリル社
日本の場合は買収と云われると産業基盤ごと持って行かれるのではないかという不安を感じるのですが欧州はその心配を信頼で克服したのでしょうか。
ベルギーの防衛大手ジョンコックリル社はフランスの装甲車メーカーアルクス社の買収計画を進めています。アルクス社はVAB装甲車などの製造で知られるサヴィエン社とルノートラックディフェンス社の後身でルノーグループ傘下にありましたが2001年にルノーはルノートラックディフェンス社をスウェーデンのボルボグループに売却しました。
ジョンコックリル社は砲塔システムなどを含め防衛分野の企業となっていますが産業機械製造やエネルギー関連産業の大手企業です。アルクス社は現在、フランス陸軍のスコーピオン装甲車計画においてジャガー装甲偵察車やグリフォン多目的装甲車などを製造、グリフォンはベルギー陸軍も導入予定で、買収はその際の防衛産業協力の一環とのこと。
■RBS-70NG
RBS-70というのは携帯可能で単発式なのですけれどもスティンガーよりも大きい分だけ初期の81式なみの射程を誇っているという不思議なもの。
リトアニア陸軍はJLTVを自走地対空ミサイル車両へ改良します。オシュコシ社がアメリカ陸軍などに供給するJLTV統合軽量戦術車両は優れた四輪式装輪装甲車で、リトアニア軍もこの車両を導入、派生型として30mm機関砲遠隔操作式銃塔RWSを搭載したものも開発されているJLTVですが、リトアニア軍はこの改修でサーブ社と連携します。
JLTVへ搭載されるのはサーブ社の可搬式地対空ミサイルRBS-70NG、これはMANDPS個人用携帯地対空ミサイルとしては最大型のもので三脚式発射架を用いて運用、ただ大きい分射程も8㎞とこの種のミサイルとしては長く有効射高も6000mに達します、リトアニア軍はRBS-70NGの三連装発射装置と照準器をJLTVに搭載する計画です。
■AW-149とAW-169
UH-2はいかがと聞きたくなる。
北マケドニア軍はレオナルド社製多用途ヘリコプター8機を導入します。次期多用途ヘリコプターはエアバス社やロッキードマーティン社とベル社の候補を退け、レオナルド社製ヘリコプターのAW-149とAW-169がこのほど選定されたとのこと。計画ではAW-149を4機とAW-169を4機導入する見込みでイタリア政府と政府間合意を結びました。
AW-149は12名の兵員を輸送する多用途ヘリコプターでAW-169は二回り小型で兵員8名を輸送する多用途ヘリコプターです。北マケドニア軍のヘリコプターは現在旧ソ連製のMi-17やMi-24といった機体で構成されており、これらをNATO水準の航空機に置き換える事となります。計画では正式調印を経て24か月から36か月で納入される見通し。
■コブラⅡ軽装甲車
軽装甲機動車も車体を伸ばすとかオープントップ型とかの派生型を開発していればと思うのですが受容と云いますか国内市場がねえ。
モロッコ陸軍はトルコ製コブラⅡ軽装甲機動車を導入するもよう。トルコのオトカ社が2023年12月に発表したところによれば、モロッコ政府はコブラⅡ軽装甲機動車200両を1億3600万ドルにて取得する契約を結んだとの事で、納入は2024年末までに開始されるという。コブラⅡは輸出市場で成功したコブラ軽装甲機動車の車体延伸型です。
コブラ軽装甲機動車は1997年にオトカ社がトルコ陸軍に採用された装甲車で、もともとはプライベートベンチャー方式で開発、車体部分はアメリカのハンヴィー高機動車と御恥AMゼネラル社製車体を採用していますが、全面を防弾鋼板の傾斜装甲として再設計し車体も若干高めIED簡易爆発物などから爆風を逸れさせるよう防御力を強化した装備です。
■ゾラワル軽戦車
89式装甲戦闘車の後継となる共通戦術車輛の車体部分にこの16式機動戦闘車の砲塔を搭載しましたならばアメリカ陸軍が歩兵旅団戦闘団に配備する軽戦車というような用途に用いられたのではないかと思うのだ。
インド陸軍は新型軽戦車ゾラワルの評価試験を本格化させる方針です。既に試作車両はインド国防省実験施設までの100㎞程度の自走試験を実施し、ある程度の機動力を確保していることは証明されているといい、2024年4月以降本格的な評価試験が開始されるとのこと。ゾラワル軽戦車は山間部や砂漠地帯などでの運用を想定した新型軽戦車です。
ゾラワル軽戦車は元々2023年内に納入の計画でしたが、エンジンがドイツ製でありドイツからの供給が遅れたことで引き渡しが2024年1月まで遅れた経緯があります。現在の計画では59両のゾラワル軽戦車を導入する計画ですが、併せて別の軽戦車開発計画があり、こちらは259両を調達する計画とされていて、ゾラワルは暫定計画だとわかります。
インド軍が山間部で運用可能である軽戦車を開発する背景には、中国人民解放軍が旧式の62式軽戦車に代えて先進的な15式軽戦車のチベット地域への配備を進めており、対抗手段がない現状が問題視されているため。インド軍はロシア製スプルート空挺対戦車砲を軽戦車として運用する検討も為されましたが実現せず、国産開発を決心しました。
■M-109A7自走榴弾砲
一生M-109以外の自走砲を使わないつもりなのかと75式や99式をみていました身の上からは一寸思ってしまうのだ。
アメリカ陸軍はBAEシステムズ社とM-109A7自走榴弾砲など4億1800万ドル規模の契約を結びました。これは2023年に結ばれた契約のオプション条項行使に当たるとされています。具体的には装備の納入納期を2025年まで延長するもので、M-109A7自走榴弾砲とM-992A3弾薬運搬車の製造期間延長も含めた包括的な契約となっています。
M-109A7自走榴弾砲とM-992A3弾薬運搬車については最初の契約が2017年に締結されており、追加契約やオプション条項追加などアメリカ陸軍の機甲旅団戦闘団における砲兵近代化の主柱として機能しており、今回の追加によりM-109A7自走榴弾砲とM-992A3弾薬運搬車に関する契約総額は25億ドル規模となりました。
1960年代に開発されたM-109は砲身延長や火器管制装置の近代化などにより性能を第一線に耐えられる水準としていますが、現在の155mm砲は52口径が主流となりつつあるなかで39口径という砲身は改良されず、車体部分をM-2ブラッドレイ装甲戦闘車の水準に切り替えています。改良には限界があるとされる一方、将来砲の完成は未だ未知数だ。
■ARV先進偵察車
偵察車輛を海の向こうと戦う想定のもとで従来の延長線上に考えていてよいのかという本質的な疑問を突き付けている。
アメリカ海兵隊向けのARV先進偵察車両試験が正常に完了した、開発を担当するジェネラルダイナミクスランドシステムズ社が発表しました。LAV-25軽装甲車の後継車両として開発されているARV先進偵察車両は2023年内いっぱい、NATCネバダ自動車試験センター、ネバダ州のアバディーン陸軍試験場などにおいて試験が実施されていました。
このほどARV先進偵察車両はカリフォルニア州のキャンプペンドルトンにおいて海兵隊の試験を完了したとのこと。現在インド太平洋地域の安全保障環境は大きく変容しており、純粋な威力偵察車両であるLAV-25ではマルチドメイン戦場においてその能力が発揮できず、無人航空機や無人水上艇と厳しい電子戦環境への対処能力が求められています。
ARVは、無人装備の連接性と共に沿岸部のみならず外洋における航行能力、次世代の水上推進システムや水中安全システムなども盛り込まれており、これらの評価試験なども行われています。なお海兵隊の将来偵察車両にはジェネラルダイナミクスランドディフェンスシステムズ社のほか、テキストロン社のコットンマウスも候補となっています。