■複合要素,疫学命題と国際対立
VID-19,国内での感染が激化していました一ヶ月前、中国空母が沖縄県島嶼部を初めて通過した際にCOVID-19は疫学を越えて世界政治の問題へ広がった事を認識しました。
緊急事態宣言39県解除、昨日政府は特定警戒8都道府県を除く39県を警戒解除としました。31名が新たに感染した、本日1831時NHK報道です。東京では新たに9名が感染したとの事ですが一日の新規感染者数が10名を下回るのは東京では3月22日以来とのことで、国内は717名の死者が出ており、改めて危険を痛感する一方、出口が見えてきました。
日本では感染抑制の兆しが見えてきましたが世界は感染拡大の渦中にあります。死者30万2468名、世界での死者数は30万を越えました、そしてピークアウトはまだ先であり、ワクチン普及までは第二波第三波が来年と再来年に北半球と南半球を襲う懸念があり、やはり死者数は100万単位、1959年アジア風邪の死者300万、その再来さえ懸念されるもの。
しかし、新型コロナウィルスCOVID-19は別の要素で大きな不協和音を醸成しつつあります、アメリカのトランプ大統領は中国のコロナ情報非開示を激しく非難し、米中国交断交の可能性を示唆しました。自然発生の疾病ではありますが、コロナ以前より生じていた対立構造というものを激化させる、とてつもない副作用の懸念、その背景を視てみましょう。
米中関係の悪化、ポストコロナの世界を考える場合にグローバリゼーションの後退は少なくとも短期的に避けられないこととなるでしょう、いや現実面としてグローバルな人とモノの移動そのものがコロナウィルス感染拡大防止観点から、恐らく全ての主権国家が2019年1月の時点と比較して何らかの制限措置を執っている為、その兆候は明白といえます。
国家間対立、考えすぎと思われるかもしれませんが、忘れてはならないのはコロナCOVID-19は単なる引き金であり、その前の世界において既にレジームチェンジ、国家間の規範や公序にかんする変容が生じており、この対立要素があった点、そこをコロナウィルス、これによる幾つかの変容要素が劇的副作用を及ぼす、こうした理解が必要でしょう。
バイラテラル関係、世界の知的財産権の中心としてのアメリカと世界の工場としての中国、2000年代に急速に進んだグローバリゼーションは改革解放の進んだ中国が巨大な労働市場、特に人件費の低い優位性を活かして世界経済を牽引した時代でした。知的財産ともう一つは流通、この二つをアメリカが確保することで相互互恵の関係が構築できた、ということ。
1980年代日米貿易摩擦を筆頭に、知的財産権と製造能力、この二つを有する工業国、第二次世界大戦からの日本と欧州の復興はこう作用しまして、相互互恵とはリカードの学説程度には認識されていても結局は競合相手という構図があったわけですが、2000年代のバイラテラル関係は相互互恵と文字通り相互補完のかたちで具現化できたといえるものでした。
しかし、コロナ前の世界、いや2010年代には中国が独特の商業慣行とともに知的財産権や商標権についての独特の解釈とともに製造業を進め、次第に独自の技術体系を構築することで必ずしも相互互恵の構図は成立しにくくなりました。さて、商業慣行などについては多分に価値観、政治文化というべきもの、哲学まで反映されやすいものがあるものですが。
不協和音はこのあたりから特に公正という面で摩擦を引き起こしています。ただ、米中を比較しますと、中国は胡錦濤時代こそ中国だけで一つの世界、という独自の政治文化を醸成する、世界の主流から乖離したとしても世界から中国が孤立したとの認識を中国から世界が孤立しただけと置換することは可能でした、しかしそれも現在では成り立ちません。
世界の工場として成長を果たした中国はグローバリゼーションという枠組みに依存していることは確かであり、例えばいま進められる習近平時代の一帯一路政策などはグローバリゼーションへの依存度の高さを如実に示している事例といえましょう。こうした枠組みの中で、政治的ではなく感染拡大防止という視点からグローバリゼーションが後退したらば。
グローバリゼーションの後退、この観点は勿論コロナウィルスを筆頭とする疾病の感染拡大の危険性が払拭されるとともに、もともとがコロナウィルスという非国家間対立の要素により醸成されたために自然に解消するとみるべきなのですが、こうした疾病世界規模の感染拡大脅威が再来しないという確証は自然醸成されると楽観視するべきではありません。
さて、いわば疾病は一時的影響と考えた場合でも恒久的な枠組み、レジームチェンジというような規範の変容まで影響するのでしょうか。これはサプライチェーンという概念が多国間国際分業を、トヨタの東南アジアにおける生産方式として説明される事が多い、ここに再編強いる事でいわば一国完結型に回帰することで前提は大きく変わる点を認識すべき。
多国間国際分業の枠組みは、自由貿易の前進により醸成された、いわば自由競争の収斂としての成果です。しかし、これは多国籍企業が確実なサプライチェーンの維持を主権国家から提供されるという前提によってのみ成り立つ概念であり、疾病対策という理由ではあっても基幹部品一つの生産が停滞する事で重大な影響が及ぶことは想定外といえました。
多国籍企業は国家間の自由な移動というものが維持される前提に依拠しているもので、また、コロナ以前の世界を俯瞰するならば幾つかの疾病拡散という要素はありましたが、湾岸戦争のような規模の武力紛争など、国境の封鎖という懸念は国際公序に依拠した有志連合諸国により回避し得る、いわばステイクホルダーへの協調で解決できたものなのですね。
COVID-19の特殊性というものは、世界政治の一体した行動であっても多国間国際分業を維持させるサプライチェーン網を、つまり自由な人とモノの移動を感染防止とともに維持させることが不可能である、という厳しい現実でした。ここで各国は産業と経済を保護するためにはサプライチェーンを手の届く範囲内に完結させる必要に迫られる、ということ。
保護主義的措置、なるほどコロナ以前の社会と国際公序では、例えば国防、例えば先端技術保護、また極論で食料安全保障、軍事技術転用については軍備管理、こうしたものを例外として保護主義については逆行する要素として考えられていました、しかし産業保護は政策決定者には支持層の雇用確保を含め一要素でもあり、矛盾した慣行があったといえる。
保護主義と自由貿易、なるほど労働者の視点からは前者を進める政治への支持はあり得るのでしょうけれども消費者の支持としては自由貿易により安価なモノが得られる優位性も大きく労働者と消費者が兼務されている限り矛盾した行動が生じ、これが均衡を導き出せる政治を有権者は求めていたといえます。しかし、ここでコロナ、という新要素が加わる。
自由貿易が、取引先の諸国で都市封鎖が行われ必要な部品が供給されないならば製品を製造することができません、故に自由貿易が遮断された状況では消費者であるまえに労働者が雇用を維持されないという危機に晒される、ここでサプライチェーンの再編が求められる、ということ。一国完結のサプライチェーンならば影響の拡大だけは回避できましょう。
武漢。今回のCOVID-19が感染源として中国国内であったことが状況を悪くしました、世界の工場であるとともに医療資材や衛生資材の最大供給国である中国は、上掲の商慣行により中国国内で生産されている世界各国との合弁企業による衛生資源を全て緊急事態の名目とともに接収し、感染拡大防止につとめた、仕方ないとは云え、この影響は後に引く。
衛生資材や医療資材とともに中国国内での大規模な都市封鎖により世界のサプライチェーンへ部品が供給されない状況、中国政府は可動可能な工場だけでも稼働させ影響極限かを努力する様子は国営メディアにより強調こそされていましたが、結局、世界規模のサプライチェーンの破綻という状況を醸成してしまった構図です。背景に感染拡大防止を置いて。
結果論ですが、日本ではいち早く工業生産再開にはサプライチェーンの再編が必要との認識が経済団体と政府からほぼ同時期に示され、例えば中国依存度の高い医薬品原料などから順次日本本土回帰を進めています。これは2011年の尖閣沖巡視船破損事件とともに実施されたレアアース対日輸出禁止に際しての代替製品製造よりも対応は早いものでした。
グローバリゼーションの後退はアメリカでは、コロナ以前からトランプ政権がその必要性を保護主義的な施策から必要としていましたが、保護主義へ懐疑的な支持層からも、いざというときにアメリカの工業力が麻痺する、というトランプ政権の保護主義への概説を、実際いざという時に際してサプライチェーンが麻痺したことで懐疑の前提が覆ったかたち。
しかし、前述の通り一帯一路はじめ中国はグローバリゼーションへの依存度が高く、サプライチェーンを各国が自己完結に収斂させた場合、結果として切り離される構図となります。そして間の悪いことに、中国へ経済制裁とサプライチェーン再編というものの手段と結果が重複しており、各国が経済制裁ではないとしても、結果は似たものとなってしまう。
ポストコロナによる国際対立は、複合要素により醸成されるため、一つの処方箋が全ての問題を解決できないことが対立の根本要素を解消できない点に隔靴掻痒があります。中国への経済制裁は行いませんし中国と友好を進めたい、しかしサプライチェーンが崩壊した場合に備えて国内回帰を行う。共通点は資本引上げを行うこと、これでは対立が萌芽する。
コロナ禍を再来させないために障壁無き疾病の疫学研究へ武漢の門戸を開く。中国政府の求められる要素はここにあります。例えばアメリカとオーストラリアは独自のCOVID-19起源への調査研究を明示しました。アメリカは武漢研究所の漏洩疑惑から、オーストラリアは純粋な疫学的視点から。しかし中国政府はオーストラリアに対し経済制裁を発動した。
オーストラリア政府は陰謀論や対中制裁の意図はなく純粋に疫学的な最初の患者を画定し、ウィルスの起源へ迫ろうとしているのですが、同国が輸出の35%を中国に依存する牛肉を突如全面禁輸するという施策を中国が示したのでした。これではアメリカでの中国陰謀論を助長し、同時に疫学的に不確定要素が残りサプライチェーンを再起動実施はできません。
ポストコロナの社会では、こうした複合要素の問題、疫学的な研究を政治が拒否し、政治が意図せざる陰謀論も含め助長させ相互不信が醸成する。ここが新しい政治対立、世界政治への分断へ繋がる懸念があります。この視点から、少なくとも中国は疫学的側面からの門戸開放宣言を行うならば、中国には憂慮する点も無く、対立構造を一時的に払拭できるかもしれません。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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VID-19,国内での感染が激化していました一ヶ月前、中国空母が沖縄県島嶼部を初めて通過した際にCOVID-19は疫学を越えて世界政治の問題へ広がった事を認識しました。
緊急事態宣言39県解除、昨日政府は特定警戒8都道府県を除く39県を警戒解除としました。31名が新たに感染した、本日1831時NHK報道です。東京では新たに9名が感染したとの事ですが一日の新規感染者数が10名を下回るのは東京では3月22日以来とのことで、国内は717名の死者が出ており、改めて危険を痛感する一方、出口が見えてきました。
日本では感染抑制の兆しが見えてきましたが世界は感染拡大の渦中にあります。死者30万2468名、世界での死者数は30万を越えました、そしてピークアウトはまだ先であり、ワクチン普及までは第二波第三波が来年と再来年に北半球と南半球を襲う懸念があり、やはり死者数は100万単位、1959年アジア風邪の死者300万、その再来さえ懸念されるもの。
しかし、新型コロナウィルスCOVID-19は別の要素で大きな不協和音を醸成しつつあります、アメリカのトランプ大統領は中国のコロナ情報非開示を激しく非難し、米中国交断交の可能性を示唆しました。自然発生の疾病ではありますが、コロナ以前より生じていた対立構造というものを激化させる、とてつもない副作用の懸念、その背景を視てみましょう。
米中関係の悪化、ポストコロナの世界を考える場合にグローバリゼーションの後退は少なくとも短期的に避けられないこととなるでしょう、いや現実面としてグローバルな人とモノの移動そのものがコロナウィルス感染拡大防止観点から、恐らく全ての主権国家が2019年1月の時点と比較して何らかの制限措置を執っている為、その兆候は明白といえます。
国家間対立、考えすぎと思われるかもしれませんが、忘れてはならないのはコロナCOVID-19は単なる引き金であり、その前の世界において既にレジームチェンジ、国家間の規範や公序にかんする変容が生じており、この対立要素があった点、そこをコロナウィルス、これによる幾つかの変容要素が劇的副作用を及ぼす、こうした理解が必要でしょう。
バイラテラル関係、世界の知的財産権の中心としてのアメリカと世界の工場としての中国、2000年代に急速に進んだグローバリゼーションは改革解放の進んだ中国が巨大な労働市場、特に人件費の低い優位性を活かして世界経済を牽引した時代でした。知的財産ともう一つは流通、この二つをアメリカが確保することで相互互恵の関係が構築できた、ということ。
1980年代日米貿易摩擦を筆頭に、知的財産権と製造能力、この二つを有する工業国、第二次世界大戦からの日本と欧州の復興はこう作用しまして、相互互恵とはリカードの学説程度には認識されていても結局は競合相手という構図があったわけですが、2000年代のバイラテラル関係は相互互恵と文字通り相互補完のかたちで具現化できたといえるものでした。
しかし、コロナ前の世界、いや2010年代には中国が独特の商業慣行とともに知的財産権や商標権についての独特の解釈とともに製造業を進め、次第に独自の技術体系を構築することで必ずしも相互互恵の構図は成立しにくくなりました。さて、商業慣行などについては多分に価値観、政治文化というべきもの、哲学まで反映されやすいものがあるものですが。
不協和音はこのあたりから特に公正という面で摩擦を引き起こしています。ただ、米中を比較しますと、中国は胡錦濤時代こそ中国だけで一つの世界、という独自の政治文化を醸成する、世界の主流から乖離したとしても世界から中国が孤立したとの認識を中国から世界が孤立しただけと置換することは可能でした、しかしそれも現在では成り立ちません。
世界の工場として成長を果たした中国はグローバリゼーションという枠組みに依存していることは確かであり、例えばいま進められる習近平時代の一帯一路政策などはグローバリゼーションへの依存度の高さを如実に示している事例といえましょう。こうした枠組みの中で、政治的ではなく感染拡大防止という視点からグローバリゼーションが後退したらば。
グローバリゼーションの後退、この観点は勿論コロナウィルスを筆頭とする疾病の感染拡大の危険性が払拭されるとともに、もともとがコロナウィルスという非国家間対立の要素により醸成されたために自然に解消するとみるべきなのですが、こうした疾病世界規模の感染拡大脅威が再来しないという確証は自然醸成されると楽観視するべきではありません。
さて、いわば疾病は一時的影響と考えた場合でも恒久的な枠組み、レジームチェンジというような規範の変容まで影響するのでしょうか。これはサプライチェーンという概念が多国間国際分業を、トヨタの東南アジアにおける生産方式として説明される事が多い、ここに再編強いる事でいわば一国完結型に回帰することで前提は大きく変わる点を認識すべき。
多国間国際分業の枠組みは、自由貿易の前進により醸成された、いわば自由競争の収斂としての成果です。しかし、これは多国籍企業が確実なサプライチェーンの維持を主権国家から提供されるという前提によってのみ成り立つ概念であり、疾病対策という理由ではあっても基幹部品一つの生産が停滞する事で重大な影響が及ぶことは想定外といえました。
多国籍企業は国家間の自由な移動というものが維持される前提に依拠しているもので、また、コロナ以前の世界を俯瞰するならば幾つかの疾病拡散という要素はありましたが、湾岸戦争のような規模の武力紛争など、国境の封鎖という懸念は国際公序に依拠した有志連合諸国により回避し得る、いわばステイクホルダーへの協調で解決できたものなのですね。
COVID-19の特殊性というものは、世界政治の一体した行動であっても多国間国際分業を維持させるサプライチェーン網を、つまり自由な人とモノの移動を感染防止とともに維持させることが不可能である、という厳しい現実でした。ここで各国は産業と経済を保護するためにはサプライチェーンを手の届く範囲内に完結させる必要に迫られる、ということ。
保護主義的措置、なるほどコロナ以前の社会と国際公序では、例えば国防、例えば先端技術保護、また極論で食料安全保障、軍事技術転用については軍備管理、こうしたものを例外として保護主義については逆行する要素として考えられていました、しかし産業保護は政策決定者には支持層の雇用確保を含め一要素でもあり、矛盾した慣行があったといえる。
保護主義と自由貿易、なるほど労働者の視点からは前者を進める政治への支持はあり得るのでしょうけれども消費者の支持としては自由貿易により安価なモノが得られる優位性も大きく労働者と消費者が兼務されている限り矛盾した行動が生じ、これが均衡を導き出せる政治を有権者は求めていたといえます。しかし、ここでコロナ、という新要素が加わる。
自由貿易が、取引先の諸国で都市封鎖が行われ必要な部品が供給されないならば製品を製造することができません、故に自由貿易が遮断された状況では消費者であるまえに労働者が雇用を維持されないという危機に晒される、ここでサプライチェーンの再編が求められる、ということ。一国完結のサプライチェーンならば影響の拡大だけは回避できましょう。
武漢。今回のCOVID-19が感染源として中国国内であったことが状況を悪くしました、世界の工場であるとともに医療資材や衛生資材の最大供給国である中国は、上掲の商慣行により中国国内で生産されている世界各国との合弁企業による衛生資源を全て緊急事態の名目とともに接収し、感染拡大防止につとめた、仕方ないとは云え、この影響は後に引く。
衛生資材や医療資材とともに中国国内での大規模な都市封鎖により世界のサプライチェーンへ部品が供給されない状況、中国政府は可動可能な工場だけでも稼働させ影響極限かを努力する様子は国営メディアにより強調こそされていましたが、結局、世界規模のサプライチェーンの破綻という状況を醸成してしまった構図です。背景に感染拡大防止を置いて。
結果論ですが、日本ではいち早く工業生産再開にはサプライチェーンの再編が必要との認識が経済団体と政府からほぼ同時期に示され、例えば中国依存度の高い医薬品原料などから順次日本本土回帰を進めています。これは2011年の尖閣沖巡視船破損事件とともに実施されたレアアース対日輸出禁止に際しての代替製品製造よりも対応は早いものでした。
グローバリゼーションの後退はアメリカでは、コロナ以前からトランプ政権がその必要性を保護主義的な施策から必要としていましたが、保護主義へ懐疑的な支持層からも、いざというときにアメリカの工業力が麻痺する、というトランプ政権の保護主義への概説を、実際いざという時に際してサプライチェーンが麻痺したことで懐疑の前提が覆ったかたち。
しかし、前述の通り一帯一路はじめ中国はグローバリゼーションへの依存度が高く、サプライチェーンを各国が自己完結に収斂させた場合、結果として切り離される構図となります。そして間の悪いことに、中国へ経済制裁とサプライチェーン再編というものの手段と結果が重複しており、各国が経済制裁ではないとしても、結果は似たものとなってしまう。
ポストコロナによる国際対立は、複合要素により醸成されるため、一つの処方箋が全ての問題を解決できないことが対立の根本要素を解消できない点に隔靴掻痒があります。中国への経済制裁は行いませんし中国と友好を進めたい、しかしサプライチェーンが崩壊した場合に備えて国内回帰を行う。共通点は資本引上げを行うこと、これでは対立が萌芽する。
コロナ禍を再来させないために障壁無き疾病の疫学研究へ武漢の門戸を開く。中国政府の求められる要素はここにあります。例えばアメリカとオーストラリアは独自のCOVID-19起源への調査研究を明示しました。アメリカは武漢研究所の漏洩疑惑から、オーストラリアは純粋な疫学的視点から。しかし中国政府はオーストラリアに対し経済制裁を発動した。
オーストラリア政府は陰謀論や対中制裁の意図はなく純粋に疫学的な最初の患者を画定し、ウィルスの起源へ迫ろうとしているのですが、同国が輸出の35%を中国に依存する牛肉を突如全面禁輸するという施策を中国が示したのでした。これではアメリカでの中国陰謀論を助長し、同時に疫学的に不確定要素が残りサプライチェーンを再起動実施はできません。
ポストコロナの社会では、こうした複合要素の問題、疫学的な研究を政治が拒否し、政治が意図せざる陰謀論も含め助長させ相互不信が醸成する。ここが新しい政治対立、世界政治への分断へ繋がる懸念があります。この視点から、少なくとも中国は疫学的側面からの門戸開放宣言を行うならば、中国には憂慮する点も無く、対立構造を一時的に払拭できるかもしれません。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)