■臨時情報ー知床遊覧船遭難
4月23日に発生した知床遊覧船遭難、災害派遣要請を受け26日に出航した掃海艇が29日ついに沈没船を発見しました。
知床観光船KAZU-Ⅰ遭難事故,沈没したKAZU-Ⅰを海上自衛隊の掃海艇いえしま、が発見しました。これは海上保安庁の測量船や漁船によるソナー探索等も行われていましたが、掃海艇の機雷掃討能力が、こうした状況において活用されることとなりました。こうもつかえる自衛隊装備というもので、今回は掃海艇がどのように発見したかをみてみましょう。
いえしま、は掃海艇すがしま型の7番艇、函館基地に配属されています。掃海艇の任務はその名の通り、機雷を掃海する事に在ります。しかし、昔は地方隊展示訓練などで掃海艇が掃海器具を曳航する掃海展示が行われていましたが、近年の、というも展示訓練は最近行われていないが、観艦式などではそうした掃海展示が実施の無い事にお気づきでしょう。
PAP-104,今回KAZU-Ⅰを発見しましたのは、すがしま型掃海艇に2基が搭載されている機雷掃討装置です、これは一種の水中ロボットで水深300mよりも深い海域まで機雷を掃討する事が可能で、高周波ソナーと高感度光学映像装置、そして機雷処分用爆雷やマジックハンド方式の係維索カッターが装備されていて、海中を6ノットで航行する事が可能です。
機雷掃討装置、これを搭載するのは機雷が高性能化を続けている為で、例えば船舶の接近を感知して魚雷攻撃を行うキャプチャー機雷や、コンピュータを内蔵し目標となる船舶、LNGタンカーや車両運搬船などの高付加価値目標や潜水艦と空母や水上戦闘艦などの戦略目標を識別し、これだけを特定の時機で狙って起爆する知能化機雷などが存在しています。
磁気機雷や音響機雷、第二次世界大戦では船舶の磁気を探知し爆発するものや、エンジンとスクリュー音などを検知し爆発するものが、従来の水中に半没状態で機雷が海底から係留される係維機雷対策の掃海を全く役立たずとしてしまいました。そして、これらは戦後、水中で音や磁気を発する掃海装置を曳航する磁気掃海や音響掃海が完成し対処可能となる。
しかし、機雷は費用対効果が最も高い装備とされているもの、簡単に掃海されないよう技術が発達しますと、例えば数回や十数回の音響や磁気検知では起爆しないものや、特定の艦船航行特性を磁気的音響的に識別する機雷が完成、中には掃海艇を狙い掃海できなくなる機雷も開発され、掃海艇の後ろに掃海器具を曳航する事は危険極まりないものとなった。
掃海艇を狙う機雷が掃海艇の後ろの掃海器具を無視して掃海艇を狙う為です、この為に機雷掃討という、掃海艇よりも前に前進して機雷を探して一つ一つ処分する方式が一般化します。PAP-104はフランス製で、光ファイヴァーを搭載し稼働時間が長く、掃海艇よりも600m以上前を航行して機雷を探索できるという。これは今回の捜索に寄与したかたち。
KAZU-Ⅰ、恐らく掃海艇は櫛の歯を曳くように丹念に捜索を続けたのでしょう。高周波ソナーは機雷の形状を捜索する際に使うものですが、沈没船舶などの特徴的な形状も識別可能です。高感度光学映像装置は要するにテレビカメラです、特徴的な形状の地形に近づいて確認できる、漁船のソナーでは分らない、人工物の識別が可能という訳です。機雷用だ。
KAZU-Ⅰ沈没位置は水深120mという。ただ、漸く発見できましたが、沈没原因は杜撰な安全管理と運行管理と情報管理、会社の通信塔は欠損で無線は故障し当初あるという衛星携帯電話は無く通常の携帯電話、周辺海域は通信圏外で、SOSさえ発信できない状況、こんな状況で運行を継続した運航会社は、どんなことがあっても償うべき事があるのです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
4月23日に発生した知床遊覧船遭難、災害派遣要請を受け26日に出航した掃海艇が29日ついに沈没船を発見しました。
知床観光船KAZU-Ⅰ遭難事故,沈没したKAZU-Ⅰを海上自衛隊の掃海艇いえしま、が発見しました。これは海上保安庁の測量船や漁船によるソナー探索等も行われていましたが、掃海艇の機雷掃討能力が、こうした状況において活用されることとなりました。こうもつかえる自衛隊装備というもので、今回は掃海艇がどのように発見したかをみてみましょう。
いえしま、は掃海艇すがしま型の7番艇、函館基地に配属されています。掃海艇の任務はその名の通り、機雷を掃海する事に在ります。しかし、昔は地方隊展示訓練などで掃海艇が掃海器具を曳航する掃海展示が行われていましたが、近年の、というも展示訓練は最近行われていないが、観艦式などではそうした掃海展示が実施の無い事にお気づきでしょう。
PAP-104,今回KAZU-Ⅰを発見しましたのは、すがしま型掃海艇に2基が搭載されている機雷掃討装置です、これは一種の水中ロボットで水深300mよりも深い海域まで機雷を掃討する事が可能で、高周波ソナーと高感度光学映像装置、そして機雷処分用爆雷やマジックハンド方式の係維索カッターが装備されていて、海中を6ノットで航行する事が可能です。
機雷掃討装置、これを搭載するのは機雷が高性能化を続けている為で、例えば船舶の接近を感知して魚雷攻撃を行うキャプチャー機雷や、コンピュータを内蔵し目標となる船舶、LNGタンカーや車両運搬船などの高付加価値目標や潜水艦と空母や水上戦闘艦などの戦略目標を識別し、これだけを特定の時機で狙って起爆する知能化機雷などが存在しています。
磁気機雷や音響機雷、第二次世界大戦では船舶の磁気を探知し爆発するものや、エンジンとスクリュー音などを検知し爆発するものが、従来の水中に半没状態で機雷が海底から係留される係維機雷対策の掃海を全く役立たずとしてしまいました。そして、これらは戦後、水中で音や磁気を発する掃海装置を曳航する磁気掃海や音響掃海が完成し対処可能となる。
しかし、機雷は費用対効果が最も高い装備とされているもの、簡単に掃海されないよう技術が発達しますと、例えば数回や十数回の音響や磁気検知では起爆しないものや、特定の艦船航行特性を磁気的音響的に識別する機雷が完成、中には掃海艇を狙い掃海できなくなる機雷も開発され、掃海艇の後ろに掃海器具を曳航する事は危険極まりないものとなった。
掃海艇を狙う機雷が掃海艇の後ろの掃海器具を無視して掃海艇を狙う為です、この為に機雷掃討という、掃海艇よりも前に前進して機雷を探して一つ一つ処分する方式が一般化します。PAP-104はフランス製で、光ファイヴァーを搭載し稼働時間が長く、掃海艇よりも600m以上前を航行して機雷を探索できるという。これは今回の捜索に寄与したかたち。
KAZU-Ⅰ、恐らく掃海艇は櫛の歯を曳くように丹念に捜索を続けたのでしょう。高周波ソナーは機雷の形状を捜索する際に使うものですが、沈没船舶などの特徴的な形状も識別可能です。高感度光学映像装置は要するにテレビカメラです、特徴的な形状の地形に近づいて確認できる、漁船のソナーでは分らない、人工物の識別が可能という訳です。機雷用だ。
KAZU-Ⅰ沈没位置は水深120mという。ただ、漸く発見できましたが、沈没原因は杜撰な安全管理と運行管理と情報管理、会社の通信塔は欠損で無線は故障し当初あるという衛星携帯電話は無く通常の携帯電話、周辺海域は通信圏外で、SOSさえ発信できない状況、こんな状況で運行を継続した運航会社は、どんなことがあっても償うべき事があるのです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)