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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

トランプ関税による航空産業影響-忍び寄る多国籍企業の限界と甘えを省いたサプライチェーン構築

2025-04-09 07:00:15 | 国際・政治
■多国籍企業の憂鬱
 現在発動している関税は知的財産世界的拠点のアメリカと世界の工場である中国などの多国籍企業が構築した枠組みをほぼほぼ破壊しつつあります。

 トランプ関税の発動とともに、航空産業などアメリカ製品と云いつつ多くの部品を外国製主要部品に依存している状況、アメリカ国内ではまず工場を建設しようにも製造技術が無い故に外国製部品に依存している航空機などが危殆に瀕しているようです、まあ、ボーイング747初期型のような古い機種を再生産するならば別なのかもしれませんが。

 ここで問題となるのは、防衛産業への影響です。一例を示せばF-35戦闘機があてはまるのかもしれない。航空自衛隊に臨時F-35B飛行隊が新田原基地に新編されましたが、肝心のF-35B戦闘機が届かない状況です。ここで、昨年4月にエマニュエル駐日米大使が三菱重工小牧南工場を視察したさい、その生産性の高さを特に興味深く見たと報じられた。

 ロッキードマーティン社が年産250機を製造するF-35ラインよりも、三菱FACOにて最終組立てを行う年間15機の生産の方が低コストに収めている点で、製造ノウハウをアメリカが学ぶ必要がある、という発言が報道され話題となりましたが、アメリカ国内の製造が関税により混乱するならば、例えばアメリカに入れる場合の関税をみこんだうえで。

 サプライチェーンの混乱のない海外生産にシフトする選択肢を真剣に交渉すべきではないかと考えるのです。トランプ大統領は関税で報復するな、としていますので、アメリカ製部品を非関税としたうえで海外で全て組み立て、アメリカから非関税の部品を汲みこんだうえで、アメリカへ納入する際に関税を支払うならば、未だ問題は生じません。

 関税はアメリカの消費者は苦労するかもしれませんが、トランプ減税を始めるアメリカ財務省は財源が必要ですので関税という選択肢はあるのでしょう。幸いアメリカは食糧輸出国であり石油や天然ガスも算出しますので、最低限の生活はアメリカ国内で、昭和恐慌のあとの日本ほどおちることにはなりません。結局は民意で生まれた大統領です。

 なにかハンナアーレントの著書を思い出す印象がないでもありませんが、その結果の責任はアメリカ国民が担ってもらうとしまして、現状をどのように世界を維持するかに注力すべきでしょう。具体的には、TPPとEUのFTAやTPPへの中国台湾同時加盟の模索、アメリカの関税と共存し得る強力な包括的経済協力と自由貿易維持を考えるべきです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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