■半世紀の核軍備管理に幕
ウクライナ侵攻を戦争と認めなかった大統領が事実上の条約離脱を脱退と認めないのはある意味当然のように反故にする懸念が。

ロシアのプーチン大統領は21日、アメリカとの戦略核兵器削減条約について一方的に履行停止を宣言しました。脱退はしないとしていますが条約条文には履行停止の条文は無く、事実上の離脱、批准要件の逸脱を脱退していないと強弁する、あたかもウクライナ侵攻を特別軍事作戦と言い換えた様な方式で、戦略核兵器削減条約をもてあそんでいる構図です。

1972年に東西冷戦下、米ソが全面核戦争による人類滅亡を回避するという一点での合意に基づく半世紀以上の核兵器削減の枠組みは、実質的に崩壊した構図です。そして、これは非常に厳しい視点ですが、我が国の安全保障政策は反撃能力整備という、通常戦力主体に在って打撃力に軸点を置いた、専守防衛からの転換が開始されますが、妥当なのか、と。

日本有事において戦術核兵器が使用される懸念は冷戦時代に幾度もありました、それは自衛隊がどれだけ予算面で苦しい状況にあっても放射性降下物から部隊を守る携帯防護装備だけは確実に普及させてきましたし、核汚染地域を飛び越えるヘリコプターの重視、虎の子地対艦ミサイル連隊を地下に隠すための坑道掘削装置の装備などがこれにあたります。

反撃能力整備へ、政府は自衛隊のヘリボーン戦力を大幅に縮小すると共に機械化部隊についても従来の縮小路線を元に戻す事は無く、結果的に平成初期と比較し火砲や戦車は四分の一まで削減されている状況をそのまま維持するようですが、NBC防護能力の高い機甲部隊とヘリボーン部隊を削減する措置は、現状の核戦争という懸念に真逆の指針となります。

核保有には個人的に反対ですが、反撃能力として相手本土内陸部を叩ける戦力を従来の専守防衛に切替えて装備するという現状では、勿論ヘリボーン部隊や機甲部隊などの重戦力再整備を行い、全面戦争以外の限定戦争に対応する防衛力を整備すべきであるも、政治が拒否するならば、核を保有せずとも核兵器に準じる何かを整備しなければ成り立たない。

半世紀に及ぶ核軍備管理枠組の破綻という状況に際して、次の日本有事では核兵器が使用される懸念をある程度認識せねばなりません、するとその為には2022年の安全保障関連政策転換を、今度は従来の延長線上の認識ではなく、冷戦型の核兵器使用を想定した上での通常戦力による防衛基盤再構築に、早々とですが転換する必要性を強く感じるのです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
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ウクライナ侵攻を戦争と認めなかった大統領が事実上の条約離脱を脱退と認めないのはある意味当然のように反故にする懸念が。

ロシアのプーチン大統領は21日、アメリカとの戦略核兵器削減条約について一方的に履行停止を宣言しました。脱退はしないとしていますが条約条文には履行停止の条文は無く、事実上の離脱、批准要件の逸脱を脱退していないと強弁する、あたかもウクライナ侵攻を特別軍事作戦と言い換えた様な方式で、戦略核兵器削減条約をもてあそんでいる構図です。

1972年に東西冷戦下、米ソが全面核戦争による人類滅亡を回避するという一点での合意に基づく半世紀以上の核兵器削減の枠組みは、実質的に崩壊した構図です。そして、これは非常に厳しい視点ですが、我が国の安全保障政策は反撃能力整備という、通常戦力主体に在って打撃力に軸点を置いた、専守防衛からの転換が開始されますが、妥当なのか、と。

日本有事において戦術核兵器が使用される懸念は冷戦時代に幾度もありました、それは自衛隊がどれだけ予算面で苦しい状況にあっても放射性降下物から部隊を守る携帯防護装備だけは確実に普及させてきましたし、核汚染地域を飛び越えるヘリコプターの重視、虎の子地対艦ミサイル連隊を地下に隠すための坑道掘削装置の装備などがこれにあたります。

反撃能力整備へ、政府は自衛隊のヘリボーン戦力を大幅に縮小すると共に機械化部隊についても従来の縮小路線を元に戻す事は無く、結果的に平成初期と比較し火砲や戦車は四分の一まで削減されている状況をそのまま維持するようですが、NBC防護能力の高い機甲部隊とヘリボーン部隊を削減する措置は、現状の核戦争という懸念に真逆の指針となります。

核保有には個人的に反対ですが、反撃能力として相手本土内陸部を叩ける戦力を従来の専守防衛に切替えて装備するという現状では、勿論ヘリボーン部隊や機甲部隊などの重戦力再整備を行い、全面戦争以外の限定戦争に対応する防衛力を整備すべきであるも、政治が拒否するならば、核を保有せずとも核兵器に準じる何かを整備しなければ成り立たない。

半世紀に及ぶ核軍備管理枠組の破綻という状況に際して、次の日本有事では核兵器が使用される懸念をある程度認識せねばなりません、するとその為には2022年の安全保障関連政策転換を、今度は従来の延長線上の認識ではなく、冷戦型の核兵器使用を想定した上での通常戦力による防衛基盤再構築に、早々とですが転換する必要性を強く感じるのです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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