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日ロ関係更に悪化-ロシア軍機4機が北海道周辺で特異な飛行,防衛省発表対領空侵犯措置任務は対中国が最多

2022-06-09 07:00:26 | 防衛・安全保障
■臨時情報-ロシア極東情勢
 ロシアから北方領土周辺日本漁船安全操業協定履行停止が突き付けられた同じ日、北海道周辺では緊張状態が。

 6月7日夜、ロシア軍機と思われる航空機が4機、北海道へ向け直進する様に飛行する事案があり、我が国飛行情報区へ飛行計画が出される接近し防空識別圏へ進入したため、戦闘機をスクランブル発進させる対領空侵犯措置任務を実施しました。これにより領空侵犯には至りませんでしたが、4機のうち2機が周辺空域を一定時間旋回する行動を執ったという。

 ロシア機の行動は戦闘空中哨戒を我が国周辺区域において実施したとも受け止められ、防衛省ではロシア軍に関する特異な行動であるとして継続的に戦闘機を展開させ、情報収集を強化したとの事ですが、その後ロシア軍機は全て樺太方面へ飛び去ったとのこと。一定時間がどの程度かは発表されていませんが、自衛隊も戦闘空中哨戒を実施したのでしょう。

 北海道周辺でのロシア空軍機による特異な行動とともに、ロシア政府は我が国と艇悦されている日ロ漁業協定について、ロシア外務省が同じ7日、突如として北方領土周辺での安全操業協定履行の停止を我が国へ突き付け、日ロ関係の悪化が進んでいる。この海域での緊張状態は知床観光船遭難事故の捜索協力で一時緩和していましたが、緊張再燃しました。

 北海道周辺でのロシア空軍機による特異な行動が判明しましたが、一方で対領空侵犯措置任務の対象は依然として中国軍機に対するものが中心であるというあるデータが好評されました。防衛省は今年5月の対領空侵犯措置任務実施状況を発表しました。これによれば緊急発進の回数は119回、一日当たり四回弱の頻度となっています。ただ、国別地域別は。

 スクランブル発進の実施は北部航空方面隊が14回で中部航空方面隊が4回、西部航空方面隊の20回に対して那覇基地に司令部を置く南西航空方面隊は91回と飛びぬけて緊急発進が多かったのは那覇基地となっています。またこの中にはロシア軍のTu-95戦略爆撃機と中国のH-6ミサイル爆撃機による日本周辺飛行に対する緊急発進も含まれているという。

 対領空侵犯措置任務はロシア軍機に対するものは26回となっていますが、中国機に対するものは93回、ロシア軍のウクライナ侵攻を受け日本周辺でのロシア軍行動が増加しては居ますが、依然として防空識別圏への進入は中国機によるものが割いたとなっています。なお、台湾や北朝鮮とその他からの航空機に対する対領空侵犯措置任務の発動はありません。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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