北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

運輸安全委員会、輸送艦おおすみ遊漁船とびうお衝突事案(2014.01.15)検証結果公表

2015-02-11 23:36:28 | 防衛・安全保障
◆輸送艦おおすみ遊漁船とびうお衝突事案
 運輸安全委員会は9日に輸送艦おおすみ遊漁船とびうお衝突事案に関する検証結果を公表しました。

 本事案は、2014年1月15日に発生しました広島県大竹市阿多田島付近での海上自衛隊輸送艦おおすみ、と広島市を母港とする遊漁船とびうお、が同日0800時頃衝突した事案に関する運輸安全員会の調査結果です。海上自衛隊輸送艦は船舶自動識別装置AISを作動させていましたが、釣り船側にこの種の装備が無かったため、検証に時間を要しましたが、9日に発表となったかたち。

 輸送艦おおすみ、は阿多田島付近を定期整備へ航行中、航路に沿って南進中、遊漁船が南南西進中で、遊漁船は左舷前方から右に転針して輸送艦前方を横切る航路を採ったため、汽笛を鳴らし警告を行いつつ回避しようとして減速及び右転したところ更に接近し衝突した、というもので、回避義務は遊漁船側にあるというもの。

 この事故では、遊漁船側の船長が事故により死亡しているため、正確な情報を得る事は出来ず、GPS情報なども防水不十分で有ったため遊漁船情報は喪失、遊漁船の乗客証言は海上保安庁により否定された別のタンカーの存在や航路をよこぎった別の貨物船等の存在に輸送艦に近づいたという証言など二転三転しています。

 運輸安全委員会の発表は海上自衛隊側の航路と航行に非は無く、遊漁船側に回避義務があったという内容でした。ただ、海上自衛隊の艦艇に体験乗艦すれば、多数の見張員が艦橋につき、レーダーと併せ接近船舶はもちろん、接近しない船舶の転舵に関する見張りや漁船の場合は漁具曳航の有無を確認し、習慣化させています。漁船には専門の見張り員同乗は難しいでしょうが、注意に関する度合は異なっており、もう少しこの種の活動について報道があってもいいのかな、と思った次第です。

北大路機関:はるな
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コメント (1)
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