◆横須賀で明日から来月三日まで
海上自衛隊によれば明日2月28日から3月3日までBMD特別訓練を日米間で実施するとのことです。
BMD特別訓練は、海上自衛隊及び米海軍により横須賀基地において実施され、弾道ミサイル防衛に関する日米間の部隊における情報通信や連携などの要領錬成を期して実施されるもので、BMD特別訓練としての実施は今回は第一回目となるとのこと。
訓練統制官には海上自衛隊より自衛艦隊司令官の倉本憲一海将があたり、アメリカ海軍からは第七艦隊司令官のスコットRヴァンバスカーク海軍中将があたるとのことです。自衛艦隊は護衛艦隊や航空集団、潜水艦隊など海上自衛隊の主任務部隊を統括運用する部隊であり、第七艦隊は西太平洋における米海軍の最大の抑止力を担っている艦隊、日米の力の入れようが垣間見えるようです。
訓練参加部隊は、自衛艦隊司令部と第六護衛隊のミサイル護衛艦ちょうかい、米軍からは第七艦隊司令部と艦艇などが参加するとのことで、ちょうかい、は、こんごう型護衛艦の四番艦、弾道ミサイル防衛に対応する改修を行っており、実際にハワイでのミサイル迎撃試験も行っています。
ミサイル防衛は弾道ミサイルが発射されてより日本に到達するまで十数分から二十数分ですので、迅速に人工衛星により得た情報を日米で共有してイージス艦より射程1000kmを超える迎撃ミサイルを発射する必要があります。今回の訓練は司令部同士の情報共有を迅速に行い、SM-3を想定発射する艦として、ちょうかい、が参加するのでしょう。
弾道ミサイル防衛に関する演習は、一発でも核弾頭を有するミサイルが日本に着弾すれば計り知れない被害が生じるとともに、特に中国からの弾道ミサイル脅威の増大やロシアのミサイル近代化を睨みこの種の演習の重要性は今世紀に入ったのちも一貫して高まっています。
ミサイル防衛ですが、射程1000kmを超えるSM-3のイージス艦からの運用が主力となりますが、同時にイージス艦を弾道ミサイル以外の航空攻撃や潜水艦脅威から如何に日米での協同で防護しつつ任務に当たるか、これも将来の課題となるでしょうが、何はともあれ明日からの演習がその第一歩となります。
HARUNA
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