■自衛艦部隊大阪湾をゆく
八月、最初の週末に行われた呉地方隊展示訓練は、土曜日が台風五号の関係で中止となってしまったが、日曜日の展示訓練は、航空機部隊参加を縮小した以外、予定通り実施された。本日は、その参加艦艇を紹介したい。
呉地方総監乗艦の護衛艦“ひえい”。“はるな”型護衛艦の二番艦である。さて、あんなに天候も快復していたのに何故、と土曜日の展示訓練中止を残念に思う方も多いのは事実だが、やはり聞いてみたところでは、土曜日までに洋上での予行を行えなかったという点が大きい。展示訓練海域は狭いこともあり、予行が充分に出来なければ、という懸念があったようだ。
参加艦艇。先頭から、輸送艦“くにさき”、訓練支援艦“くろべ”、“ゆうしお”型潜水艦(案内冊子には艦名未公表)、多用途支援艦“ひうち”、掃海艇“つきしま”が続く。余り詳しくない方で、海上自衛隊といえば、護衛艦を思い浮かべる人が多いと思うが、このように多種多様な艦艇により任務を支えている。
呉地方総監の乗艦する護衛艦“ひえい”を中心に、三隻の護衛艦が向かう。護衛艦“まつゆき”、護衛艦“ひえい”、護衛艦“せとゆき”の順に航行している。“はつゆき”型は、護衛艦隊の主力汎用護衛艦として1982年から12隻が量産されたが、今日では、地方隊や練習艦隊において任務にあたっている。
小生一行が乗艦した、護衛艦“やまゆき”より前方を望む。第四護衛隊群司令乗艦の護衛艦“うみぎり”、そしてその前に練習艦隊の練習艦“やまぎり”“あさぎり”が進んでいく。“あさぎり”型は“はつゆき”型の拡大改良型として8隻が量産された汎用護衛艦で、ミサイル再装填の迅速化やヘリ格納庫の大型化(緊急時には二機を格納することも可能)、電子機器の近代化を行ったタイプである。
イージス艦や、新鋭の“むらさめ”型、“たかなみ”型護衛艦の参加は無く、“はつゆき”型護衛艦3隻、“あさぎり”型護衛艦3隻(含練習艦)という、冷戦時代に計画、若しくは建造された護衛艦を中心とした展示訓練では、一時代を築いた海上自衛隊の面影を見ることが出来たようにも思う。
HARUNA
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