ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

「七曲署捜査一係’81」ー2

2022-12-19 20:40:54 | 刑事ドラマ'80年代

1981年5月からその年末までの七曲署捜査一係は、番組始まって以来のスクランブル態勢。

ボス(石原裕次郎)の長期離脱により、山さん(露口 茂)が陣頭指揮を執る新たなフォーメーションが生まれ、西山署長(平田昭彦)の出番が増えたほか、本庁の大沢管理官(神山 繁)という新キャラも登場し、チームにプレッシャーをかけて来ます。



かつては自由気ままな一匹狼だった山さんが、ボスの出番が減るにつれ副指揮官のポジションにシフトし、いよいよ望んでもなかった中間管理職に祭り上げられ、失敗すれば自分じゃなくボスのクビが飛ぶかも?っていうプレッシャーまで背負わされちゃった。

それは『太陽にほえろ!』という大看板をいきなり背負わされた、露口茂さんご自身の重責とまんまシンクロし、この時まさに、山さんっていう架空のキャラが露口さんと一体化したように思います。番組スタート時からずっと一緒に働いて来た、ゴリさん(竜 雷太)と長さん(下川辰平)にも同じことが言えるかも知れません。


そして、この時期にますます存在感を増したと言えば、この人もそうでしょう。

アクティブな活躍が増えて来た、我らがドック刑事(神田正輝)! スコッチ先輩(沖 雅也)の出番が激減したお陰もあり、登場から僅か1年足らずで若手のリーダー格にジャンプアップ!

#469と#470の鹿児島ロケ編では、九州のスコッチとも呼べそうなロンリー暴走デカ=相馬警部(倉田保昭)と共闘し、Gメン流のハードボイルドを伝授されます。



さらに#472では一番見習っちゃいけない元暴走デカ=鮫やん(藤岡琢也)から関西流のユーモアまで伝授され、まさに硬軟「二刀流」の無敵キャラへと急成長! 後半の『太陽にほえろ!』を支える存在にまでなっちゃいます。



そんなドックと入れ替わるように出番が減り、間もなく再び欠場となるスコッチ。そこに居てくれるだけで画面が締まり、作品のクオリティーが数段上がりますから、損失は計り知れません。



そしてこの人、亡きボン(宮内 淳)のスピリットを受け継いで2年間走り抜けた、スニーカー(山下真司)も#475をもって番組を卒業します。



故郷=沖縄の自然を守るべく、仲間と一緒に「海の牧場」を作るという壮大な夢を、叶えられずに逝った妹=早苗(山下幹子)の遺志を継ぎ、スニーカーは刑事を辞めて沖縄へと帰還します。

ボンや殿下(小野寺 昭)の殉職、スコッチ復帰、ドック登場といったイベントに話題をさらわれ、殉職という花道も与えられず、ボスの留守中に退場を余儀なくされた、不遇のキャラクター。

チョメチョメした筈のナーコ(友 直子)とも結局ナニもなし。ただヒゲだけで生き延びてる相棒=ロッキー(木之元 亮)ですら、令子さん(長谷直美)との結婚=ホームドラマ担当に昇格というボーナスを貰えたのに!



けど、山下真司さんがこのあと3年ほどの地道な活動を経て、あの『スクールウォーズ』主演で大ブレイクを果たされたのは、決して奇跡じゃないでしょう。スニーカー刑事はちゃんと魅力に溢れてました。

番組自体が迷走してる時期にデビューしたのがとにかく不運で、山下さんには何の落ち度も無かった。いま振り返って、つくづくそう思います。

さらば、スニーカー!


 

コメント
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