とある月刊誌の依頼で、私の本棚という記事を書きました。
社会保障制度研究会でのテキストなどを紹介して欲しいとの要請でした。
本棚~私が勧めるいくつかの本
社会保障制度研究会というささやかな勉強会を、2001年11月に立ち上げました。メンバーは、健保・年金・病院・保健など、社会保障にかかわるさまざまな現場の実務者が中心です。
発足当初は、勢い込んで月に数回の例会を開催していましたが、現在では月に一度の月例会を開催しています。
現在のテキストは、
希望の構想 分権・社会保障・財政改革のトータルプラン
神野直彦・井手英策=編 定価:1900円+税 岩波書店
を使っての例会を続けてきました。
多くの本をテキストとして使ってきましたが、批判的に読み、学習することがほとんどでした。
しかし、今回のこのテキストは、問題意識を共有でき、かつ問題提起に共感することができるものでした。
『しかし、「改革」「改革」と鬣を振るわせ絶叫してきた「構造改革」は、「あるべき姿」を描いてはいない。「改革」とはおよそ無縁な「あるべき姿」なき「破壊」であり、「ヴィジョンなき破壊」といってもよい。もっとも、「構造改革」の本丸は「郵政民営化」だと、ヴィジョンを描いてみせたつもりかもしれない。しかし、次の時代の社会の中心に、選りに選って郵政事業を据えたヴィジョンなぞ、「絶望の構想」以外の何物でもないことは誰の目にもさやかに映る。こうした「絶望の構想」ともいうべき、「ヴィジョンなき破壊」の連鎖が、危機を破局へと向けて雪達磨式に深刻化させている。正しい問題の提起をすれば、そこには答えの半分が含まれているといわれる。「ヴィジョンなき破壊」は正しい問題の提起に失敗した結果である。改革の対象としての現状の危機を適切に分析すれば、「希望の構想」という未来のヴィジョンは、確実に構想できるはずである。』として、かなり過激ですが、適切な対抗提案を「希望の構想」として、提起されています。
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