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井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

釧路湿原で出会った花たち3

2011年07月06日 | 日記
釧路湿原には木道などで歩けるコースがいくつかある。今回歩いた北斗エリアのコースは植生豊かとはいえないが、温根内エリアのコースは見所がいっぱいあった。



ミツガシワです。ミツガシワ科ミツガシワ属。
長い葉柄を持つ3出複葉。その形が「三柏」に似るところからの命名である。
花冠の裂片内部に白い毛が密生、ぱっと見た時一番の特徴である。花は「二型花」で、雄しべが長く雌しべが短い「短花柱花」と、逆に雄しべが短く雌しべが長い「長花柱花」とがある。写真の花は「長花柱花」である。
東北から北海道に多く、関西以西ではごく少ない。氷河期に南下してきたものが南部でもなんとか生き残っているのだという。
かつてはリンドウ科に入れられていたが、維管束の構造などの違いからミツガシワ科として独立させた。



ハナタネツケバナです。アブラナ科タネツケバナ属。
ミツガシワより更に寒地性の強い植物で、分布の中心はサハリン以北だという。氷河期の生き残りで「氷河期の遺存植物」とも呼ばれ、北海道でもごく少ない。
北海道の図鑑には載っているが、本州というか「オール・ジャパン」の図鑑や観察事典には載っていない。
タネツケバナ属の中で花は最大級というが、タネツケバナ属の検索表が図鑑などに載っていないので、仲間との位置関係はよく分からない。



カラマツソウです。キンポウゲ科カラマツソウ属。
カラマツソウは山地などでよく見掛ける。札幌周辺の低地ではアキカラマツの方が多く、アキカラマツよりは高山性が強いようである。
葉は3~4回3出複葉で、先が浅く裂けて「赤ちゃんの手のひら」のように可愛いという人もいる。托葉が目立つのも特徴の一つ。
花弁はなく、萼片は開花と同時に落ちる。白く花らしく見えているのは雄しべ(花糸が白く太い)である。良く似たミヤマカラマツとの見分けは、花糸の形(上に向かい徐々に太くなる)によるという。
花後、子房が伸びるのも特徴の一つとされるが、ツルリンドウほどではない。
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