井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

北海道の樹木ウォッチング・ヤマモミジ4

2021年12月12日 | 日記

ヤマモミジの分離翼果。カエデ科カエデ属。
果柄の先に分離翼果をつける。中央に2個の種子が並び、それぞれの種子に翼がついた翼果で、2個の翼果がくっついた形で、このままでは翼果の働き(落下するとき回転しながら落ち、風に乗って運ばれる)を果たせない。分離して初めて翼果として機能するというので分離翼果と呼ばれる。
2個の翼果のつくる角度は、種の同定ポイントの一つとされるが、結構個体差があってあまり当てにならない。2個の翼果の接合部分には、葉が落ちるときに葉柄基部に出来るのと同じような「離層」ができて、落果するときには分離出来るようになっていると考えられる。
ヤマモミジの紅葉。
ヤマモみジやイロハモミジは赤く美しく紅葉するところから、古くから多くの園芸種が作られてきた。
その美しく紅葉するヤマモミジやイロハモミジの血統のものを「モミジ」と呼び、それ以外を「カエデ」と呼んだ。これは学術的な呼び方ではなく、園芸の世界の呼び方である。
黄葉するヤマモミジ。
ヤマモミジは普通紅葉するが、中にはこのように黄葉するものも。
樹木の葉は冬を前に落葉するとき、葉緑素を分解回収し、隠れていたカロチノイド系の色素が目立つのが黄葉。ヤマモミジの仲間などは葉に残された糖分から酵素の働きでアントシアニン(赤い色素)を合成することで赤くいろづく。この株はアントシアニン合成の酵素が欠けているのかもしれない。
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