井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

トクサはスギナの仲間

2010年11月21日 | 日記
シダ植物と種子植物との共通点は維管束(水や養分の通路)を持つことで、相違点は、シダ植物が種子を作らない、種子ではなく胞子で子孫を残すということです。



トクサです。トクサ科トクサ属。
トクサはスギナの仲間で、一般的なシダとは印象が大分違います。
スギナが夏緑性(夏は緑で冬には枯れる)であるのに対して、トクサは常緑性です。
スギナが茎の途中で枝分かれするのに対して、トクサは枝分かれしません。



トクサの茎と葉鞘です。
茎は緑色で縦溝があります。葉は原始的で葉脈1本の小さいもので、茎の節で輪生し、その基部は合着して葉鞘をつくります。(葉鞘は普通「はかま」と呼ばれています。)
葉は小さく、光合成の主役は葉緑素をもった茎です。
茎の表面には多量の珪酸(シリコン)が含まれていて、家具などを磨くのに使われてきました。サンドペーパーの役割を果たしてきた訳です。トクサの「ト」は砥石の「砥」で、「砥草」と呼ばれたのです。トクサのことを何故「木賊」と書くのかは分かりません。



トクサの胞子嚢穂です。
「ツクシ誰の子スギナの子」といわれるように、ツクシとスギナは地下茎ではつながっていますが、光合成をする栄養茎(スギナ)と胞子をつくる胞子嚢茎(ツクシ)とを別々に出します。トクサの場合は、2種の茎の違いがなく、栄養茎の頂部の胞子嚢穂をつけます。
胞子嚢葉の先端、スギナでは円頭ですが、トクサのそれには小さな突起があります。
茎を2節切り取って土に埋めると容易に活着するといいます。
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