ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

『神戸、続神戸』『性なる家族』

2020-03-25 22:29:35 | 
 普通電車に乗ってパートに行っているが、最近、電車が混んでいる。前まで、間を開けて座っていたが、最近は座ることができない。自粛疲れで出歩き始めたのか?でも、快速電車に乗ってやってくる同僚によると、今まで座れなかったのに、今は余裕で座ることができるので、空き空きだという。なんでだ?
 すると、別の人が「普通なら各駅で扉が開いて、空気が入れ替わるやん」 コロナ対策か⁉ちなみに、彼女も大阪に行くときには各駅停車に絶対乗るそう。

『神戸、続神戸』 西東三鬼 新潮文庫
 第二次大戦下、神戸トーアロードの奇妙なホテル。“東京の何もかも”から脱走した私はここに滞在した。エジプト人、白系ロシヤ人など、外国人たちが居据わり、ドイツ潜水艦の水兵が女性目当てに訪れる。死と隣り合わせながらも祝祭的だった日々。
 異世界をのぞくような不思議な感じ。淡々とした筆致だが、中身は結構混沌。そして、時々、クスリと笑わせてくれるユーモア。私の好み!
 西東三鬼は俳人だが、『神戸』は俳句なし。『続神戸』は、戦後の話で俳句が少し出てくる。

『性なる家族』 信田さよ子 春秋社
 家族の基盤にありながら、あえて真正面から対峙しなければ視野に入らないものがある。性虐待、ジェンダー、セクシュアリティ、性差別…。タブー視されがちな問題を、長年のカウンセリング経験をもとに、様々な角度から考察。力関係としての性を明るみにし、家族の今と未来を展望する。
 エピソードなどをまじえ、家庭内での性犯罪の奥に隠された問題や被害がなぜ深刻なのか、加害者の責任の取り方など、分かりやすく解説。
 「社会の常識、男性にとっての当たり前は、女性たちの忍耐と我慢、諦めによって支えられている」という一文には、もやもやした私の気持ちを言葉にしてくれてうれしかった。職場で男性のミスを女性がカバーしても、それを当然と思っている。反対に女性がミスしたら、カバーしてくれるか?あんたの出世は女性たちが支えてきたからだぞと思うことがよくある。
 家庭内の性被害を大人になって理解すること、被害者は加害者像を結べないこと(社会に適応している人が、自分にあんな行為をする)が被害を深刻にする。リストカットや性依存や解離状態など症状が長期にわたる。過去にひきずられたままの娘に対し、自分がしたことを忘れたり、自覚せずにのうのうと生きる父。やりきれない。
 性犯罪は、性衝動やストレス発散ではない。用意周到で計画的だという。これは、重要なことだと思う。
 家族の中の力の弱いものを自分の思い通りにしてもいいということは、絶対ないのだ。
コメント
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