ささやかな幸せ

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実物を見ないと魅力半減「オットー・ネーベル展」

2018-06-06 22:46:37 | 美術鑑賞
「色彩の画家 オットー・ネーベル展」 京都文化博物館 2018年4月28日-6月24日

<ナポリ>「イタリアのカラーアトラス」より

 この<ナポリ>が載っているチラシを見て、興味を持った。この色がいい!でも、オットー・ネーベルって知らないし、アートスケープのおススメの展覧会に載っていないし。迷ったが、気になるので行ってみた。・・・行ってみて、よかった。
 あまりにもよかったので、図録を買う。でも、家に帰って図録を見て愕然とした。実物と全然違う!写真なので実物と違うのは当たり前だが、実物のよさが消えてしまっているのだ。

 例えば、この作品<ロンド・コン・ブリオ(元気に)>


 深みのある色は、近くに寄って見ると


 絵具を地層のように塗ったり、細かい点々やハッチング(一定の面を平行な線で埋める技法)で、絵の風合いがスゴイのだ。触ってはいないのだが、言葉に表すと、面によって手触りの違う<2枚のパレット> 見る方向で地模様がキラキラと浮かび上がる<近東シリーズより イスタンブールⅣ> 実物を見ないとすごさがわからない。

 私が好きな作品は、大聖堂の絵とよばれるもの。幾何学的な模様を描く石材やステンドグラスの中に色がリズムを刻んでいるのだ。

 また、<イタリアのカラーアトラス(色彩地図帳)>も好きだ。

<ポンペイ>「イタリアのカラーアトラス」より

 イタリアの視覚体験を色彩で書き留めたものらしく、感じた色彩の分量と四角の大きさは対応するらしい。美しい色の四角たちが、リズムを伴って調和のとれた塊となって存在する。


下段右より<トッピオ・モヴィメント(2倍の速さで)>
<地中海から(南国)>この色の柔らかさも実物を見ないとわからないと思う
<ムサルターヤの町Ⅳ:景観B>
<輝く黄色の出来事>


<黄色がひらひら> 黄色のひらひらがツヤツヤとしている


<秋祭り>


<かなり楽しく>

 オットー・ネーベルの日本初の回顧展。交流のあったシャガール、カンディンスキー、クレーの作品もある。ゆかりのあるバウハウスの作品もある。(マリアンネ・ブラントのティーポットは洗練されているし、ヴァルター・クロピウスの肘掛椅子はオシャレで座り心地がよさそうで、欲しい!)

 オットー・ネーベル、最高でした。ぜひ、足を運んで、間近に見て、すごさを感じてほしいです。アートスケープさん、おススメの展覧会に入れるべきです!



 
コメント
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