生涯いちエンジニアを目指して、ついに半老人になってしまいました。

その場考学研究所:ボーイング777のエンジンの国際開発のチーフエンジニアの眼をとおして技術のあり方の疑問を解きます

飛行中のモニター画面の楽しみ方(その2)

2023年09月01日 13時16分47秒 | その場考学との徘徊
ブログ;その場考学との徘徊(72)         
題名;JALの旅  場所;機内にて 月日;2023.8.24
テーマ;向かい風 作成日;2021.11.24                                                

TITLE: 飛行中のモニター画面の楽しみ方(その2)

 昨年の11月に続いて、奈良での3泊4日の一人旅を終えて、伊丹空港から羽田空港までの空旅を楽しみました。今回の機体はBoeing787-8ですが、機内は満席。午後5時台のフライトでしたが、奈良からの空港リムジンの都合で、3時前に伊丹に着いてしまいました。途中、猛烈な雷雨に遭ったのですが、空港も「雷警報のために全作業を中断します」でした。そのために、3時台は1時間以上のおくれ。4時台は15分遅れのペースでしたが、搭乗者の一人が行方不明で、結局5時台の15分前に、やっとゲートを離れました。

 前回(2022.11.17)と同様に、帰路ではもっぱらモニター画面とにらめっこをすることにしました。ジェットエンジン屋としては、雷雲が散在する中での機速と高度の関係に興味が湧きます。
あるタイミング毎に目的地からの距離、機速、高度、それと風向きが表示されるので、それを記録してみました。昔、米国大陸を南北に飛んだ時に、飛行高度を遙かに超える雷雲の柱を、何本も避けながら飛んだ記憶が蘇ってのことです。

帰宅後に、グラフ用紙にプロットをしてみると、色々なことが分かりました。


 
 グラフから、結構色々なことが読み取れます。
① 飛行高度(当日は6400mですが、前回は8839m)は、1メートルの上下もなく、ほぼ200kmの間保たれている。
② そのためには、機速は結構大幅に上下している。
③ 上昇中は、スピードもどんどん上がるが、前回は、水平飛行の直前から、スピードを下げて高度がオーバーしないように調整していたが、今回は最高速度と、最高高度が一致。AirBus機とBoeing機の違いなのか、機長の好みなのかは不明。
④ 向かい風では、機速は大幅に落ちる。落ちる分の、約半分をエンジンの出力を上げて、大幅な遅れを避ける。
⑤ 当日のフライト中では、Max.38m/sの向かい風で、これは時速137km/hなので、その時の機速の17~21%に相当する。
などでした。実数のデジタル数字の表示なので、結構楽しむことができました。

 奈良では、今回は、学生時代(1960年代)に何度も泊めていただいた禅宗のお寺で、当時の娘さんに60年ぶりにお会いできました。女性3代で寺を継いでおられるそうです。当時は、ジャンボ機が初めて飛び始めた頃でした。


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