やりきれない

ベトナム戦争を特集した海外のドキュメンタリーを立て続けに4本観た


1本目はパリ協定の内側を描いたもの

2本目と3本目はサイゴン陥落

そして4本目はベトナムの隣国、ラオスにおける不発弾の問題


1本目はフランスの番組

2本目と3本目はアメリカ

そして4本目はオーストラリア


立て続けに観て見えてきたものがある


1本目と4本目はアメリカの間違いを

そして2本目と3本目はアメリカの美化を描いている


とりわけ4本目のラオスの話にはやりきれなさを覚える


北ベトナムの補給ルートというだけで

アメリカより夥しい数の空爆を受けた

それも秘密裏に

その時に被った不発弾に今なお国民は怯えている


農村を破壊された農民は

現金収入のため不発弾を金属スクラップとして売りさばくことが日常になっている

掘り起し時の衝撃で爆発、犠牲になった者も多い

それは子供も含まれる

そんな現実を少しでも打開するべく、

不発弾処理のエキスパートを育てるプロジェクトが活動している

しかし、すべての不発弾の処理には

気の遠くなるほどの時間がかかる


ある子供がインタビューに答えていた

『置いていったものは持って帰ってほしい』

全くその通りだ

リベンジ

もう何年も前のことである


長崎の端島に行ったという常連様が見えた

なかなかの見応えだったという彼に対し、

私はまったくもって悲しい間違いを言ってしまった


『あ～あの世界遺産の』


言うや否や、カウンターの内と外から嘲笑を浴びせられ

あれが世界遺産のわけねぇだろ、と

行った本人からも思いっきりバカにされた

俺にとっては世界遺産だ、なんてアホなことを言って強がったが

とにかく恥ずかしかった


もう何年にもなるのに

この時のことはいまだ忘れることができない

だから、私の思いがユネスコに伝わったとしか思えない


長崎は端島、通称『軍艦島』が世界遺産まであともう少し。

何だか仕返ししたような気持ちでいる

裏切らない

人間の性というか、男女の性というか、

そんなちょっとやそっとじゃ説明がつかないものを

簡潔な文章と構成でいとも簡単に説明してしまう向田邦子は

やっぱりすごいと思う




ほんとこの人の短編は裏切らない