世の中の二乗>75の二乗

話せば長くなる話をする。知っても特にならない話をする。

どこにでもある話

2011年06月01日 20時52分25秒 | Weblog
映画「ブラック・スワン」見てきた。
おもしろかったが、
期待していたよりシンプルな話だった。
シンプルなことはいいことだが。
ああいう話はどこにでもあって、
ああいう風に追いつめられていっぱいいっぱいになってしまったり、
ああいう風になってしまうほど追いつめてしまう世界というのはあるものだ。
私自身も経験がないわけじゃないし、
まわりの知人や友達を見てもそうだと思う。
それはその人にしか感じられない苦痛で、
それで作品がうまくいったとしても日常からは脱せないのでさらに辛い。
ということなのかと思ったら、
そういう話ではなくて初日明けまでの話だったのでなんだと思った。
初日だけうまくいってもなあとか思った。
もう二度とできないことを一度だけできることは舞台にとってはあんまり誇れないんじゃないかと思った。
それが最後の「完璧よ」の意味だとしたらこのプリマは舞台を愛していないんじゃないかと思った。
結局、リリーみたいに適度な距離を置きながら関わるのが一番賢くて楽しいやり方だと思うが、
そうそうあの立場になれるわけでもなく、
なんにせよ自分がいたい立場にい続けるというのは難しいことである。
それにしても映画を見て思ったのは
胸揉んでるのに全然エロくないなあだった。
あれ、エロのつもりでやってたんかなあ。わからない。
選ぶ側と選ばれる側のセクシャルな関係については
おもしろくもあるし、必要なところもあるのは認める。
選ばれたいと思ったら片思いに似た感覚で相手を見てしまうし、
選ぶためにはどこかしらで相手を好きにならないといけない。
そういう言葉にするとなんか小ぎれいだけど
実際は醜悪以外のなにものでもないものを薄い胸を揉むということでかたしていいのかしらと思った。
あと、「宿題」でちゃんと気持ちよくなったり。
本当は「宿題」出されたのに気持ちよくなれなかったり、好きな人に胸揉まれてんのになんか不快だったりするんじゃないかな。
言われたまま素直に感じちゃったり、薬で自己解放しようとしちゃったり、あんな親とずっと一緒だったり、友達いなさそうだし、結局一回やってあとできませんとか、重荷に耐えられないのは向いていないということなんじゃないかな。
厳しいけど。
続けていける人はきっとそうではない判断や感じ方をすると思うよ。
やりたいこととできることの間には溝があってそこを埋めたいと誰もが思っているんだろうけど、それがなかなか難しいね、という話だったのかな。
それにしても死ぬことはないじゃないか。
芸に死ぬなんて、それこそ言葉にして美しいだけだ。
残されたまわりは迷惑。お客もドン引き。
2回ほど怖いとこで後ろの席の人がびくっとなったのが振動で伝わってきたのがおもしろかった。

都合のいい女

2011年06月01日 03時41分47秒 | Weblog
こないだ犬飼君が話していた「らんま1/2」のことが頭から離れない。
犬飼君は「らんま」のキャラの中でシャンプーが好きだったと言っていて、
それであかねはいつも首を突っ込んできて事態をややこしくさせているのでムカついていたと言った。
それであまつさえ「らんまはシャンプーと付き合えばいいのにと思ってた」とまで言った。
私はなんとなくあの漫画はあかね目線で読んでいたので、
逆にシャンプーなにあの女、とか、はっきりしないらんまはダメだとか思っていたのだけど、
そうかそうか、男の子はそうやって読むのかもしれないなあと思った。
浅井君もシャンプー派だったから。
それでなんでシャンプーなんだと聞いたら犬飼くんは「結局シャンプーは都合のいい女だから好きなんですよ」と言った。
そうか、男から見ると都合のいい女ってああいうののことをいうのか。
常に好き好きと擦り寄ってくる、意外につくしてくれるとこもあり、でも隙あらば男にほれ薬でも仕込みかねない、他の女を蹴倒してでも男を我が物にしたい思う、危険な一部分もあるコケティッシュでかわいい女の子とをいうのか。
と思った。
それで、小学生か中学生の頃の犬飼君や浅井君がシャンプーとらんまをくっつけたがりながら漫画を読んでいるとことかを想像したらおもしろかった。
そういえば私はあかねとりょうがをくっつけたがっていたな。
もっと言えば、一エピソードしか出てこなかった山奥に住んでて背中に傷のある物忘れの激しい男の子とあかねはくっつけばいいと思っていた。
小学生か中学生のときの私は「子供の頃助けてもらった男の子に成長して再会する」というシチュエーションがぐっと来てたんだと思う。
スカートの裾まつりの時は世代がちょっと違って読んだことのない「ときめきトゥナイト」が話題の中心にあったが、
「らんま」はどんぴしゃに世代だと思ってうれしかった。
でも同世代なのにほとんど女子は誰も話題に乗ってこなかった。
で、犬飼君は「でもいまは断然あかね」と言っていて、
それはどういう心境の変化なのかと聞くのを忘れたのでわからずじまいだけど、
私の衝撃は「シャンプー=めんどくさい女」の図だったのが、
「シャンプー=都合のいい女」の図で見ている人がいたというのだった。
同じ時期に同じ家で同じ漫画を読んでいた弟にこんど聞いてみようかな。
シャンプー派だったか、あかね派だったか。

吉田知子「箱の夫」がおもしろい。
こういう話が書けるようになりたい。
「母の友達」という題がまず好き。
その関係のあやふやさにぞくぞくする。
こないだ見たチラシで「若い兄嫁」という題の芝居があったが、
これも関係にちょっとエロいのが含まれてそうでぞくぞくする。