世の中の二乗>75の二乗

話せば長くなる話をする。知っても特にならない話をする。

南の恋愛降臨

2005年06月27日 19時35分27秒 | Weblog
南の島に雪が降るをやっと見れました。
おすすめされたのをお借りしたわけですが、うん、渋い。
面白い渋さでした。
お茶で言えば今売り出し中の茶来的な。んなこつ、言ってもわかりませんよね。はい。
昭和36年製作の映画で、第二次大戦中に結成された演芸部隊と呼ばれる集団の話です。食料はない、日本に帰りたい、そんな日本兵士気低迷を打破するべく作られた一芸に秀でた人々の集団。演劇やりーの、手品やりーのしてお客である兵士たちを励ますわけです。
姉は、この部隊の存在を小林良則のマンガで知りましたが、映画があるとは知らなかった。んで、偶然にも持ってる、というか、すごくいい映画だからってんで貸してもらったのがこの部隊の話だったわけです。
貸してくれた方がしきりに言っていた「役者の力量が生半可じゃない」という言葉よりも、姉は描き方というものにすごくリアリティを感じました。
場所はニューギニアの島、兵糧攻めにあっていて、物資なんか届かない。そこで偶然手に入れた女物の着物を着て舞台に立つと観客が驚きと懐かしさで群がって触りに来る。昨日客で来ていた人たちが今日前線へ向かう。「内地を見に行くんだ」と言って、演芸部隊の公演を見に来る。こういうエピソード一つ一つが興味深くありました。
姉は大きな人間ではないので、こういうのを見て、戦時下、非常事態下における文芸、演芸、ひいては文化の重要性やら、最終的に皆の心を震わせるのは演芸だ、とは思いません。あの人たちだって、食わせてもらえるらしいので演芸部隊に入ったのかもしれませんし、見る人だって隣に米がホクホク炊かれてたら演劇なんて見ずにそっちを見るし、食べて腹いっぱいになったら寝てしまうでしょう。そういうことだと思ってしまいます。
しかし、尚も見捨てられない魅力とやらがあるわけで。
しかも、見る側からの強烈な需要がひしひし伝わる場だったわけです。この映画の中では。まあ、一言で言えばしっかり見てもらえる環境にあってうらやましいなぁということを思ってしまったのですよ。はい、ぶっちゃけた。
じゃあ単純に戦時中のその場にいたいのか、と言われてハイ、と返事するようなことではなくて。なら、今の環境が不満なのか、昔は良かったとかそういうくだらないことを言いたいのか、というわけでもなくて。ただただ、求められて好きなことがやれるのはやっぱりうらやましいですよ。それだけです。思うのは。
で、なに?ってわけでもなくて、愚痴でもなくて、憧れ止まりでもなくて、いやぁ、まだまだ進む余地はあるなと、なぜか根拠もなく思ったのです。はい、そういう映画でした。

オドレイ・トトゥが出ている、巴里の恋愛協奏曲を見る。
アメリっすよ。オドレイと言えば。アメリ。
題名の通り、パリで男女が、音楽に合わせて恋愛ゲームに振り回されるわけですよ。わかりやすくて面白かったです。
フランス人はよくあんなに舌が回るなぁと思いました。
そしてフランスでは歳をおうごとに女としてのスキルが上がり、男がわんさか集まってくるシステムが確立しているいいところだなぁ、と。でも、パリに住むと精神障害が起こりやすくなるという話もうなずけるなぁ、と。
そんなに愛やら恋やら、四六時中やってられへんわ、と。
楽しく見ながら、ふと過ぎったのも事実。

野田秀樹、野獣降臨を見る。
久々に見た岸田戯曲賞受賞作である。
とっちゃいましたねぇ、クドカンが。岸田。
今回は結構キましたよ。この衝撃。
クドカンですか。まあ、でも当たり前だよなぁ。
同じ劇団に二人、岸田とった人物がいるのか。どうなるんだ、大人計画は。なに?日本の演劇は彼らが請け負うのか?マジ?いいの?彼らやる気ないぜ、きっと。
うわぁ。あーあ。と、イオンの本屋の片隅で思うたとです。
面白くないとは言わない。実際見たら面白いもの。
でも、いいの?
いいんだぁ。
今一番注目されてる劇団。いいじゃないですか!
映画界にもテレビ界にも、漫画界にも音楽界にも進出。いいじゃないですか!
野田も、いのうえひさしも認定。いいじゃないですか!
はぁ。
いいじゃないですか…
忌野さんじゃ、なかったんだ。
そういうことなんです。こんなにも落ち込んでるのは。
メインがいないんじゃ、サブもいない。みんながメインで、みんながサブ。サブカルは知ってる人にはメインカルチャーで、知らない人には存在ナッシング。そういうことか。
そういうことか。
最近、少し考えるところがあります。まだ、まとまってはいませんが。
野田を見て思いました。
卒論のテーマにしたいことが見つかりました。そういう意味では少しガッツポーズ。
で、〆。

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