日々是好日

楽しみあるところに楽しみ 楽しみなきところに楽しむ

ふたりで行った最後の山旅を振り返る

2013年10月07日 | 日記・つぶやき


今年の夏山は、とても切ない思い出となってしまった。

元々行こうとしていた山域は、後立山だったのだが、
体調が優れない夫でも行けそうな山…
と言う事で、標高2000mまでバスで行ける立山に予定変更。

朝、ケーブルとバスを乗り継ぎ、一の越山荘で一泊し、
翌日に雄山登頂の計画を立てたが、一の越山荘は満員で
泊まる事が出来ず、雷鳥荘に2泊する事にしたのだった。

山にさえ行かなかったら、こんなに早く逝ってしまう事も
無かったのでは…との思いが強い。

酷い事をしてしまった…


でも、もしあの時予定をキャンセルして家で養生していたら
病気が治ったのだろうか…

結果は恐らくNOだ。


私はあの時に、既にお別れの日が近付いていることを
感じていたのだろう。

その事を口に出す事も、態度に現す事も出来ず、
いつも通りを装う事に、必死だったのだ。

あの時、夫は山荘の中で立山の気色を眺めながら
時々温泉に浸かったり、寝台に横になったりして、
山小屋ライフを満喫していた。

元々、山をガンガン歩くより、山小屋でダラダラ過ごすのが
好きな人だったから、思いっきりダラダラ出来て
満足だったのかも知れない。

私が稜線を歩いている間も、時々メールのやり取りをし、
帰って来てからは、私が歩いてきたコースの説明に
聞き入り、微笑みながら窓から見える稜線を眺めていた。

帰りのバスの中で、私が「眠い」と言ったら、
黙って腕を差し出し、肩を貸してくれた。

道中はずっと夫が運転手だったなんて言ったら、
きっと鬼嫁だと罵られるだろう。
しかし、運転しようか…?と言っても決して代ってくれとは
言わなかった。

お互いに、来年も再来年もずっとこんな夏山登山が出来ると
言うのが前提の、必死の演技だったのかも知れない。。。