藤吉郎 昔話② 目刺通り・目刺橋・メダカ通り

　木下藤吉郎（後の豊臣秀吉）が，頭陀寺城に奉公を始めたばかりの頃の話です。殿様から，馬の餌になるような草を刈ってくるように言われることがよくありました。川に着いた藤吉郎は，草を刈りながら「いつかは武士の大将になる」といつも思っていました。　　川の中を見ると，メダカが泳いでいます。「あのメダカを使って武士の稽古(けいこ)ができないものか」と考えた藤吉郎は，近くの松の木から葉を取るとメダカに向かって投げつけました。松葉を使った手裏剣の練習を思いついたのです。
　草刈りに来るたびに松葉を投げていたために，藤吉郎の腕は驚くほどに上達していきました。そうして，とうとう泳いでいるメダカの目を松 葉で刺すことができるまでになったそうです。

※「鎌研ぎ池」や「片葉の葦」は今でも見ることができます。「目刺橋」「目刺橋」「メダカ通り」などの地名も残っています。