昨年のゴルフ場倒産件数(法的整理件数)は28件で前年比13件減、負債総額は3885億円で前年比2314億円の大幅減だったそうです。それでも結構な数のゴルフ場が倒産していますよね。ただ、他の業種と違って、ほとんどのゴルフ場が倒産後も営業を続けています。
ゴルフ場の倒産で多いのが民事再生法の適用。それまでの経営陣は残り、不良債務を切り離して自らの手で企業再生するというものです。不良債務の一番大きなものは会員の預託金ですから、これを90%以上カットしてしまう、つまり会員権を紙くずにして経営を再生するわけですね。
民事再生法の適用を受けると、一般の企業の場合は信用がなくなって原料の仕入れや運転資金の調達に支障をきたすため再生が困難な場合が多いのですが、ゴルフ場は原料費など不要、開場してさえいれば日銭が入ります。極論をすれば、会員を集めて借金(預託金)でゴルフ場を作り、借金を返す時期(償還期限)が来たら民事再生法でこれを踏み倒すという、まるで詐欺みたいなやり方です。
ちなみにもうひとつの再建策である会社更生法を適用すると、これまでの取締役は全員解雇になり、更正管財人が入って、弁護士、公認会計士、税理士、外部の経営者などが会社の再建を図ります。つまりそれまでの経営者は全員クビになるわけで、会員から民事再生法ではなく会社更生法の適用を要求されているゴルフ場もあるようです。まあ、預託金をチャラにされた会員の心情としては当然かも知れませんね。
民事再生法はゴルフ場のためにある、という説にも妙に納得してしまいます。個人的には、ますます会員権の魅力がなくなります。なんて、最初からそんなお金はないので負け惜しみかも知れませんが。
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