ゴルフ場を1つ作るのにかかる費用は、約100億円と言われています。ほとんどの費用を、預託金という名目で会員から集めます。一方でゴルフ場の年間粗利は、約1億円だそうです。つまり会員から預かった100億円をまともに返そうとすると、100年もかかることになります。普通に考えたら、最初から破綻している仕組みのように見えますよね。
今まではこれがうまくいってました。何故ならば、会員権が預託金以上の金額で市場で売買されていたため、ゴルフ場は預託金を返す必要がなかったからです。もっと言えば、ゴルフ場は最初から預託金を返すつもりはなかったのです。
ところがバブル崩壊以降景気は低迷し、会員権は預託金以下の値段に下がってしまいました。そうなると市場で売るよりは返還してもらう方が得ということになり、多くの会員が償還期限と同時に返還を要求することになります。最初は返還に応じていたゴルフ場もすぐに払えなくなり、その結果償還期限を延期するなどの手を打ちますが、これは問題の先送りにしかならず、最悪の場合は倒産に至ります。
福岡センチュリーゴルフクラブは、女子プロトーナメント(フンドーキンレディス)が開催される有名なコースでしたが、最近この償還問題で倒産(民事再生法の適用を申請)しました。負債額は約340億円で、グループ会社も含めた負債額は約425億円に上るとか。
約340億円の負債額のうち、預託金は267億円。会員数は約440名とのことなので、単純計算すると一人当たり約6,000万円にもなります。この金額は数あるゴルフ場破綻の中でも、突出して高いそうです。約6,000万円が紙くずになったら・・・いくらお金持ちの会員が多いであろうとはいえ、仕方ないでは済みそうもありません。