HALクリニックの診察室から

Human Active Life…新潟で心臓血管外科のクリニックを開設した医師のひとりごと

「マスク着用見直し」の陰で、マスク着用自体を否定する人が…

2022-06-01 19:40:56 | 健康
 最近、「マスク着用見直し」が議論されています。

新型コロナウイルス対策を助言する厚生労働省の専門家組織
「アドバイザリーボード」は、オミクロン株の感染力が高いことなどを理由に
「マスク着用を含めた基本的な感染対策は重要だ」と改めて強調し、
その上で、周囲と距離が取れる屋外ではマスクを外すよう推奨。
周囲との距離が近くても、会話が少ない状況ならマスクは不要
との見解を示しました。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022051900956&g=soc


 個人的に同感ですが、問題なのは、「マスク着用を含めた基本的な感染対策は重要」
という前提を無視して、「マスク自体を外してよい!」と拡大解釈をして
マスコミやネットで声高に叫ぶ人たちがいることです。
それらの人々は、緊急事態制限やまん延防止措置に反対してきた人たちであり、
そもそもマスク着用にも否定的な人たちです。

 新型コロナワクチン接種の感染予防効果が小さくなっており、
また、4回目の接種は対象も絞っており、オミクロン 株に感染する
リスクが高まっています。
こんな時だからこそ、「マスク着用見直し」を大々的に発表することは
「マスクの必要性」に対する国民の信頼感を揺るがしかねません。

「マスクで熱中症のリスク」という話も出ていますが、われわれは
コロナ対策でマスクをつけて猛暑の夏を2回経験しています。
マスクで熱中症搬送が増えたという報道もありませんでした。
日本人はマスクをつけて夏を過ごす術を身につけています。

マスクをせずに新型コロナウイルス に感染すれば、重症化して
入院治療を受けなくても、自宅療養が必要になり、代わりの
スタッフがいないわれわれのようなクリニックは何日間も休診
しなければなりません。
大きな経営的なダメージを受けてしまいます。


ワクチンの有効性が低下している今だからこそ、ワクチン接種に
頼ることなく、マスクなどの感染対策の徹底が重要
だと思います。
安心してマスクを外せるのは、新型コロナ感染症が2類相当から
インフルエンザ並みの5類に変更される時だと思います 




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