HALクリニックの診察室から

Human Active Life…新潟で心臓血管外科のクリニックを開設した医師のひとりごと

南海トラフ以上のリスク 心房細動で脳卒中にならないために

2024-08-11 18:54:47 | 健康
 先日、「南海トラフ地震臨時情報」が発令されて、
今回の地震で発生率が0.1%から0.5%に5倍に高まったと報道されました。
ただし、南海トラフ地震の発生の予測は難しく、いつ起こるかはわからないと。

 多くの人が不安になり、防災グッズや飲料水・食料の購入に走ったようです。
ただし、われわれの身の回りにあるリスクは地震だけではありません。

 心房細動によって「脳梗塞」が起こることが知られています。
現在では、心房細動の患者さんの中でも脳梗塞が起こるリスクが高い患者さんを
予測することができています。
(以下はhttp://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2020/01/JCS2020_Ono.pdfより引用)






危険因子となるものが下の表の5つとして検出されて、点数付がされます(6点満点)
スコアの点数によって、1年以内に脳梗塞が起きる確率が調べられ、オリジナルでは上の図の左側で
今では医学生の教科書にも載っているほど有名です。
スコアの点数が高いほど脳梗塞のリスクが高くなるのですが、6点では18%と5人に1人くらい脳梗塞に
なると考えられると報告されました。
発表を聞いたときは、かなりの効率でビックリしました。

 最初は外国のデータで発表されましたが、日本人のデータでは、上の図の右側となって
当初の予想よりもかなり低いことがわかり、ちょっと安心しました。
でも、心房細動による脳梗塞は寝たきりや方麻痺になること、さらには命を落とすことが多く、
決して小さくないリスクだと思います。
 





 特に危険なのは、「75歳以上の高齢」と「高血圧」です。
だらか、75歳以上で高血圧の患者さんでは心房細動のリスクが高いので、
血栓予防の薬が推奨されています。
「75歳以上の高齢」あるいは「高血圧」のいずれかの場合でも血栓予防の
治療が望ましいとガイドラインでは書かれています。

 地震以外での自分の健康な生活を守るために、自分の体のリスクをしっかり判断して
治療をするのが大事です 





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