hakuunの未来ノート

将来のため、人生やビジネスに関して、考えたこと、感じたことを綴ります。

傾聴の意義

2012-08-20 | コミュニケーション
●コミュニケーションの必要性

前回書いたように、無料の経営相談を企画している。
経営者の悩みや企業経営の相談が主体となる。
そこで、企業経営の実態を把握するためには、正しい情報をつかむ必要がある。
チェックリストからの情報も大切であるが、経営者の生の声はそれ以上に重要である。
そこで、適切に経営実態を把握するために、コミュニケーションスキルは必須条件である。

今回、このコミュニケーションスキルについて、学んでいきたい。
コミュニケーションの基本は、傾聴である。
この傾聴について、以前、産業カウンセラーで学んだ。
コミュニケーションの重要性について再確認したい。そこで当時のノートやテキストを紐解き、このブログに掲載する。


●傾聴の意義

傾聴とは、どのようなことだろうか。
次の4つのことが基本である。

・クライエントその人やクライエントの生き方や感じ方をを聴くことである。
・クライエントを受け止めることである。
クライエントの言葉、表情、態度、言い方から、クライエントの気持ちを受け止めることである。
・クライエントとより深い信頼関係を構築することである。
受け止めたことを、クライエントに伝え返す。そこで確認してもらい、必要に応じて修正し、正しい理解を行い、より深い信頼関係を築くことである。
・継続的に上記のようなサイクルを繰り返す努力を行うことで、クライエントの理解を深めることである。


●相手を理解する方法

相手を理解する方法として、3つのパターンが考えられる。

一つ目は、日常会話で行われている表面的な理解である。
日常会話を通じて、クライエントの一般的な情報、年齢・職業・地位・学歴・生育歴・能力・健康状態・家族等などを客観的なデータとして知ることである。

二つ目は、自分の知覚や準拠枠で理解することである。
これも、日常会話やコミュニケーションから得る情報に基づいている。
一つ目が、客観的データであるのに対して、こちらは主観的データである。
つまり、聞き手の判断基準に基づいて判断して理解することである。
専門用語でいえば、「準拠枠」に基づいて判断することである。
具体的に言えば、聞き手の経験、価値観、感情、知識、思考、創造力等のフィルターを通してクライエントの情報を集めることである。
このような方法は、クライエントに対して、間違った思い込みや、決めつけになりやすいので要注意である。
当時、この「準拠枠」を知り、愕然としたことがある。当時の私は、この「準拠枠」が強く、このような聞き方は、要注意ということを知った。
この新たな成長課題として取り組むことで、少しは人間的に進歩したような気がしている。
まだまだ、未熟な点もあるので、課題の一つとして残している。

三つ目は、相手とともに理解していく方法である。
この方法が、傾聴の基本である。
そのためには、自分の準拠枠を外すことが大切である。
そこで相手に寄り添い、内面の世界を理解することである。
常に、相手の感情・欲求・葛藤はどうなっているのだろうかと、自問することである。
さらに、「いま相手はどう感じているか」「周りの世界をどのようにみているか」と問いかけることが必要である。


●傾聴の前提となる考え方

傾聴の前提となる考え方として、「自己成長力」がある。
全ての人間が持っている力として、「成長する力」があり、「悩みを解決する能力」があるということである。
カウンセラーのの場合、問題解決は当人である。クライエント自身が、問題を直接解決する。
この点は、コーチングやコンサルタントと異なる。
コーチングの場合は、クライエントに対して質問する。現状を踏まえて、あるべき姿を仮定し、そのために必要な知識、行動、考え方の3点から質問を行うことで、クライエント自身が答えを引き出す。
コンサルタントの場合は、コーチングと同じように現状を踏まえて、あるべき姿を仮定し、そのために必要な知識、行動、考え方の3点から質問を行う。
ここまでは同じである。回答は、コンサルタントが主体となり、クライエントと共同で作り上げていく。

カウンセラーでも、コーチングでも、コンサルタントでも、「傾聴」は問題解決における重要な手段である。

続く。