hakuunの未来ノート

将来のため、人生やビジネスに関して、考えたこと、感じたことを綴ります。

無料の経営診断

2012-08-18 | 企業経営
●研修講師プログラム

現在、研修プログラムの作成準備段階である。

基本的テーマは、私のライフワークである「中小企業の経営支援」である。
そこで、どのような形式がよいか、試行錯誤を繰り返した結果、研修を通して無料の経営診断を行おうと考えている。
大企業においては、経営企画部があり、優秀なスタッフが大勢揃っており、経営戦略や経営計画を作成し、企業運営に携わっている。
一方で、中小企業においては、人材が乏しく、社長一人で何でもこなしている企業がほとんどである。
順調に企業経営が行われていればよいが、現在のようなデフレ状況の中で、相談相手もなく、苦しんでいる中小企業は数知れず存在する。
そこで、無料の経営診断や経営相談を行うことで、少しでも中小企業の経営者が元気をだしもらえればうれしい。その結果、経営改善に取り組み、課題が解決し、経営基盤が強化できれば、この企画者として、うれしい限りである。

そのためにも、しっかりした研修プログラムをつくらなければならない。
また、一方で、私の知識の整理を同時進行で行う必要がある。

なお、今回使用する事前チェックリストとして、東京都の「経営力向上チェックシート」を参考にする。


1 <戦略・経営者> 〔18項目〕

1-01 経営理念・社是は社内に浸透している
1-02 競争相手や取引先の動向、業界に関する動向を把握している
1-03 自社の強み・弱みを把握している
1-04 自社の事業領域(対象顧客・商品・提供方法・技術などの組み合わせ)は明確になっている
1-05 経営理念に基づいて戦略や事業計画を策定している
1-06 新しい商品・サービスの開発や、新しい仕入先・販売先の開拓を行っている
1-07 社員のアイデアや集めた情報を汲み上げ、新事業・新商品の開拓や顧客開拓に役立てている
1-08 他企業との連携を実施している
1-09 競争相手に勝つための戦略をたて、実行している
1-10 他社には真似できない「セールスポイント」が社内外に明確になっており、顧客から評価されている
1-11 他社事例を自社に合うようにアレンジして取り入れている
1-12 経営者が日常的に現場に出向いて直に意見を聞いている
1-13 経営者は現状に甘んじることなく、常に変革を意識して行動している
1-14 外部専門家を有効に活用している
1-15 外部の助言者(メンタ―)がいて、経営者としての悩みをいつでも相談できる
1-16 経営者・幹部が研究開発、営業活動を率先垂範で行っている
1-17 特定の販売先や仕入先に依存しないように、取引先を分散している
1-18 業務を分類した上で、効果的に外注を行っている

2 <マーケティング> 〔10項目〕

2-01 顧客ごとのニーズに基づき、商品やサービス提供の仕方にメリハリをつけている
2-02 自社商品・サービスの価格は、顧客や競争相手を考慮した客観的データに基づいている
2-03 価格競争に巻き込まれないために、価格以外の魅力や独自性を顧客にアピールできている
2-04 本社・店舗・工場など、拠点の立地特性(交通の便、商圏人口)を理解している
2-05 カタログ・チラシ・ホームページなどにより、積極的に販売促進活動を行っている
2-06 自社の商品・サービスに顧客がどれだけ満足しているかを客観的に把握している
2-07 クレーム対応の方法を定め、迅速、適切に処理している
2-08 顧客データを活用して継続的接触など、顧客との長期的な関係を維持する仕組みがある
2-09 流通経路、中間業者の数やタイプを適切に選択するなど、自社の商品・サービスを顧客のもとへ効率的に提供する流れができている
2-10 口コミの発生促進や紹介制度など、客が客を呼ぶような工夫をしている


3 <人材・組織> 〔16項目〕

3-01 魅力ある職場づくりを行うなど、人材確保や社員の定着を図るための工夫をしている
3-02 継続的かつ具体的に、しつけ教育に取り組んでいる
3-03 社内の命令系統や権限・責任が定められ、社員もこれを理解している
3-04 業務分担などの社内体制は、柔軟に変更し改善を図っている
3-05 社員の健康増進に向けた取り組みを行っている
3-06 適性に応じ、女性、高齢者、海外人材など多様な人材を採用し、活用している
3-07 事業を継承する候補者を定め、計画的に承継を進めている
3-08 採用したい人物像の基準が明確になっている
3-09 経営者(または管理者)は、社員の特徴や能力を把握し、具体的な目標を本人に提示している
3-10 技能やノウハウの承継を含めた、OJT教育を計画的に実施している
3-11 社員を社内外の勉強会やセミナーに積極的に参加させている
3-12 経営者の参謀・右腕となる幹部が育っている
3-13 賃金制度や人事・評価制度を明確にしている
3-14 仕事の面白さを体験させるなど、社員のやる気を引き出す工夫をしている
3-15 営業や生産など部門間が対立することなく、同じ目標に向かって協力できている
3-16 社員の経営参加(参画)の仕組みを構築している


4 <運営管理> 〔7項目〕

4-01 社内は整理整頓され、清潔が保たれている
4-02 商品や生産現場の状況が誰にでもわかるように「見える化」に取り組んでいる
4-03 商品や販売などの計画、日常の具体的な行動目標を作成し、検証を行っている
4-04 顧客別、品目別などの販売状況が、すぐに把握できている
4-05 商品、原材料、消耗品などの在庫状況を把握しており、適正量を維持している
4-06 業務の効率化を図るために、IT化を推進している
4-07 事業の内容、進行状況、運営上の問題点などの情報を、社員間で共有している


5 <財務管理> 〔9項目〕

5-01 月次試算表に基づいて、最新の財務状況を把握している
5-02 資金繰り表を作成し、必要資金の管理を行っている
5-03 自社の粗利益率の現在水準と傾向を把握している
5-04 損益分岐点(収支トントン)の売上高を把握している
5-05 売上高や利益など、経営の具体的な数値目標や計画を設定している
5-06 設備投資や備品の購入は計画的に行っている
5-07 経理や会計手続きがルール化されている
5-08 過度に借金に依存しないよう心がけている
5-09 複数の金融機関と取引するなど、特定の金融機関に依存しないようにしている


6 <危機管理・知財・CSR> 〔10項目〕

6-01 経営者の有事の際の対応について定めている
6-02 自社にとって悪い情報がすぐに経営者に伝わる組織になっている
6-03 災害時の事業承継に必要な具体的対応策を定めている
6-04 個人情報保護など事業活動に関連する重要な法令を把握し遵守している
6-05 地域社会に貢献する取り組みを積極的に行っている
6-06 省エネルギ―設備の導入など、省エネルギー対策に力をいれている
6-07 3Rに積極的に取り組んでいる
(3Rとは、リディース=廃棄物の抑制、リユース=再利用、リサイクル=再資源化)
6-08 特許・ブランド・デザイン・営業秘密など、知的財産の活用に意識的に取り組んでいる
6-09 自社および競合相手の知的財産を把握・整理している
6-10 商品の製造方法や業務のやり方など、秘密にすべきノウハウを管理する仕組みがある


7 <最近の業績> 

7-01 今期(現時点)の売上高(前期同時点に比べ)は?
7-02 前期の売上高(前々期決算に比べ)は?
7-03 今期(現時点)の利益状況(経常利益)は?
7-04 前期決算の利益状況(経常利益)は?


8 <経営課題> 

今貴社が抱えている経営課題、相談したい事項は、具体的にどのようなことですか?

以上の項目と財務諸表を確認することで、一般的には経営概況は理解できる。
その後、ヒアリングを行うことで問題点を洗い出し、どのようなアドバイスができるかは、私次第ということになる。