hakuunの未来ノート

将来のため、人生やビジネスに関して、考えたこと、感じたことを綴ります。

人に好かれる話し方

2012-08-13 | コミュニケーション
野口敏著:「一瞬で人に好かれる話し方」から引用する。

野口氏は「会話がとぎれない話し方66のルール」の著者であり、コミュニケーションについてのプロである。
私は今まで氏の本やDVDをみたが、いまだ知識も曖昧のままであり、そのスキルは遠く及ばない。
そこで、もう一度そのポイントを振り返ってみたいと思い、氏の本を取り出した次第である。


●会話は気持ちのキャッチボール

『「好かれる行動」とは、人に媚びることではない。人の欲求や期待を理解し、それを満たす行為である。』
『大事なのは相手の気持ちをわかってあげることだ。会話とは気持ちのキャッチボールである』
『相手の気持ちをわかってあげるコミュニケーションができる人だけが愛されたり好かれたりする』
『「仲良くなりたい」とか「会えてうれしいですよ」という気持ちを意識に入れて挨拶すれば、相手にもその通りの気持ちが伝わる。そこからよい人間関係が始まる』


●Sさんの欲求

確かに相手の欲求や期待を理解し、それに対する対応ができれば相手は喜ぶ。
先日、若いSさんと話した。
Sさんは中小企業診断士を目指している。
今回ストレート合格を目指してチャレンジをはじめたところである。
Sさんの欲求は、まさに診断士合格の秘訣である。
その点、経験者である私は、アドバイスをすることができる。
だから、私とSさんとは、共通の話題があり、そのテーマについて話せばいくらでも話せる。
経験者である私の話は、Sさんにとって新鮮であり、これからの試験に対して役立つからである。
これからさらにSさんと会話を膨らます方法としては、Sさんの感情に焦点を当てることである。Sさんの不安を取除き、モチベーションがアップする会話ができれば、Sさんは喜ぶだろう。


●マズローの5段階欲求説

アメリカの心理学者、マズローは、人間の欲求を5つに分けて説明している。
人間の欲求を低次から高次の順で分類し、5段階のピラミッド型の欲求の階層によって示しました。マズローによって階層化された欲求とは、
・生理的欲求、
・安全欲求
・愛情欲求
・尊敬欲求
・自己実現欲求
の5つである。

1.生理的欲求
これは、生きていくための食欲、性欲、睡眠慾等、本能的・根源的欲求である。

2.安全欲求(安定性欲求)
 危険から身を守り、誰にも脅かされることなく、安全に安心して生活をしていきたいという欲求である。雨・風をしのぐための住居が欲しい、というのはこの段階である。さらに、戦争などの争いごとのない環境で過ごしたいという欲求もこの段階の欲求に含まれる。

3.帰属・愛情の欲求
集団・社会に属したり、誰かから愛情を得たいという欲求である。

4.尊厳の欲求
自分が集団から価値ある存在と承認され、注目され、尊敬されたいという欲求である。

5.自己実現の欲求  
自分自身の持っている潜在能力・可能性を最大限に引き出し、創造的活動をしたい、目標を達成したい、自己成長したいという欲求である。

このマズローの5段階欲求説に従えば、Sさんは「自己実現の欲求」が強いことがわかる。
私もどちらかと言えば、この「自己実現の欲求」が強いため、年齢や性別に関係なく、意見が合うのだと思う。
いわゆる、価値観が同じということであろう。


●心理学における5つ基本的欲求

心理学の選択理論では、5つの基本的欲求が定められている。
選択理論に基づく欲求を、インターネットから引用する。

http://www.choicetheory.jp/about/index.html

1.愛・所属の欲求・・・マズロー3に対応
誰かと一緒にいたい、つながっていたいといった満足的な人間関係を求める欲求。
主なものに、愛、所属の2要素がある。

2.力の欲求・・・・マズロー4に対応
これは、人に認めてもらいたい、勝ちたいという欲求である。
貢献、承認、達成、競争の4要素がある。

3.自由の欲求
これは、自分のやりたいようにしたい、という欲求。
主なものに、解放、変化、自分らしさの3要素がある。

4.楽しみの欲求・・・一部が、マズロー5に対応
これは、新たな知識を得たいという欲求。
主なものに、ユーモア、好奇心、学習・成長、独創性の4要素がある。

5.生存の欲求・・・マズロー1,2に対応
これは、飲食や生存、生殖など身体的な欲求。
主なものに、安全・安定、健康の2要素がある。


●よりよい人間関係の構築

ここでは、マズローや選択理論を述べるのが目的ではない。
人間の欲求には様々あり、その期待に応えることで、楽しいコミュニケーションをとることができ、より良い人間関係を築くことができる。

まずは、会話をはじめる前に、心の中で「相手を楽しまそう!」と思うことである。
何も考えずに、会話をはじめるのと、心の中で「相手を楽しまそう」「相手と仲良くなろう」と思って会話を行うのでは、自ずと結果は異なる。

次に相手は何を望んでいるか、考えよう。
そうすれば、相手の趣味を聴きだし、それに関する質問をすれば、話は盛り上がる。
相手の好きなことを中心に、相手を盛り上げようとすれば、こちらに好意を持ってくれるだろう。
頭ではわかることと、できることは違う。
特にスキルの場合は、その差は歴然としている。
コミュニケーションはスキルである。
スキルであれば、コミュニケーションに興味を持ち、好きになることが、大前提であり、一番の早道である。
そのためには、実践練習をすることである。
より多くの人とコミュニケーションをとることである。
最初は失敗もあるだろう。
もし、失敗をしたらその原因を分析して、再度チャレンジすればよい。
成果がでれば、その要因を分析して、そのスキルを次の機会に再度使い、確実なものにしていこう。
何度も繰り返し、行うことでスキルアップすることができる。

野口氏は、会話を通じて相手の気分を良くし、そのことが自分の幸せにつながる、と言っているのだと思う。