hakuunの未来ノート

将来のため、人生やビジネスに関して、考えたこと、感じたことを綴ります。

体育系?サークル系?

2015-09-09 | スキルアップ

最近、若い社員と話す機会が多い。

彼らの仕事は、現場を無駄なく効率よく動かすことだ。

土木の現場でも建築の現場でも、やることは同じだ。

モノを造る際、様々な資材を使う。色々な職種の人間が現場に入ってくる。

モノの動き、人の動きを無駄なく動かすこと。

モノや人が滞留すれば、それだけ無駄が発生する。

やる仕事を省くことはできないから、無駄の発生と言うことは、余分に時間がかかる。

古今東西、時間はお金である。

 

「時は金なり」

「Time is Money」

 

無駄が発生することは、余分な時間がかかり、無駄なコストが発生する。

逆に言えば、無駄を無くせば、余分な時間も不要となり、仕事も効率化する。

定められた仕事が予定より早く終われば、その分利益につながる。

 

このように言うのは簡単だが、なかなか出来ないのが現実である。

 

ある2人の職員を紹介する。

A君は19歳。高校を卒業して建設業界2年目のヤングである。

B君は26歳。大学を卒業して4年目。もう一人前の技術者である。

A君、B君が働く職場は、マンション工事である。

同じ職場では無いが、マンション工事と言うことで、仕事の内容はほぼ同じである。

A君は高卒2年生。B君は大卒4年生。

一般的に言えば、大卒のB君の方が年齢的にも経験的にも長けている。

B君の方が、技術者として優れていると判断するだろう。

 

しかし、話をしてみると、状況は全く正反対であった。

A君は、いつも作業服は泥だらけ。でもニコニコしており、仕事を考え、楽しんでいる。

B君の作業服も泥だらけ。しかも疲れた顔をしており、仕事に追われ元気がない。

 

なぜ、このように違うのか、最初は分らなかった。

しかし、話しを聞いてみると、大きな違いにあることに気づいた。

 

実は、A君もB君もスポーツ経験者だ。

だが、そこに落とし穴があった。

一般的に言うと、企業はスポーツ経験者を選ぶ傾向がある。

若者は、スポーツを通じて、チームワークや協調性を学ぶ。

さらにリーダーシップを学んだ学生はどの企業も欲しい。

今回、A君B君の違いは、これ以外に原因はあった。

その原因(?)は、体育系かサークル系かである。

 

ここでいう体育系・サークル系とは、練習が厳しい・優しいと言っているのではない。技術的に高い・低いでもない。

物事に対する取組み方である。

 

A君は、中学・高校で卓球をやっていた。

試合に負けると必ず反省ノートを書く。

気づいたことをメモして、どうすれば解決するか考える。

考えた対策を次の練習に活かす。

練習結果を次の試合に反映する。

成果が出ればOKだが、ダメの場合もある。

その場合、さらにメモを取り、対策を考える。

このようなことを中学・高校6年間繰り返していたという。

 

B君は、大学ではバスケットをやっていた。

どのような工夫をしていたか、確認したところ

「まずは楽しむこと。楽しければ良い。

工夫をするようなことはない。

反省ノートなどかいたことはない」

という。

 

この違いは大きい。

スポーツは楽しい。汗をかくことは爽やかな気持ちになる。

スポーツを楽しむことは良いことだ。

だが、スポーツから得るものは、それだけではない。

 

ここで、「卓球」「バスケット」を「仕事」に置き換えるとどうなるだろうか。

A君は、毎日、「仕事」に関して気付いたことをノートにメモし、反省を行う。

さらに工夫して「仕事」の効率化を目指している。

その結果、翌日の「仕事」をシュミレーションしてリスクを予想する。

そのリスクに対して事前対策を行う。

A君はスポーツを通じて「工夫」する訓練をしていたことになる。

社会人になって変わることは、その対象が「卓球」と「仕事」の違いだけである。

「工夫する脳」を中学・高校6年間を通じて鍛えていたことになる。

 

一方B君は、学生時代にスポーツを楽しむだけで、「工夫」した経験が無い。

これを「仕事」に置き換えると、与えられた仕事はやるが、失敗する場合もある。

しかし、そこには反省が無いし、「工夫」することができない。

おそらく26年の人生の中で「工夫」する経験が皆無に近かったのではないかと思う。

 

「工夫」というのは、スキルと考えることができるのではないだろうか。

A君も初めは上手く「工夫」することができなかったと思う。

その後毎日毎日気付いたことをノートに書きだした。

毎日工夫することで、本人は意識せず、そのスキルを身につけたと思う。

本人はこのことに全く気付いていない。

しかし、18歳で社会人となり、そのスキルが立派に役立っている。

 

一方、B君は「工夫」するというスキルを使っていないのだと思う。

「工夫」というスキルに関しては、初心者である。

会社に入り、上司や先輩から指示されたことをやるだけ。

おそらくそのような生活を送っていたのではないだろうか。

この「工夫」というスキルを身に付ける機会が少なかったのではないか。

 

 

勉強でも、趣味でも、料理でも、スポーツでも、仕事でも同じだ。

人生を楽しむ秘訣は、もしかしたら「工夫」を楽しむことではないだろうか。